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『マタンゴ 最後の逆襲』

 角川ホラー文庫で、東宝のホラー特撮の傑作として有名な『マタンゴ』の続編が書かれているという話を雑誌で知って、読んでみようかな~?と思いつつ、結構なボリュームにたじろいで未読のままだった、吉村達也の『マタンゴ 最後の逆襲』を、思い切って購読してみました。

 20代の頃は、一日に一冊は読まないと落ち着かないくらいの活字中毒だったんですが、30代以降はあんまり小説は読まなくなっていたんです。

 ここ最近は、文筆業の幅を広げるために小説にもチャレンジしようと思って、勉強のつもりで読むようになったんですが、年齢のせいか長編は疲れるので躊躇してしまうんですよね~。

 けれども、『マタンゴ』は、私が産まれた1963年の作品であり、子供の頃にTVで観て、ラストシーンのショッキングさにトラウマになった作品でもありました。

 いつも私の本のイラストをお願いしている漫画家の黒谷先生も『マタンゴ』がトラウマだったそうで、キノコがちょっと苦手らしいです。

 しかし、怖いものほど関心を惹かれるもので、「『マタンゴ』の続編なんて、どんな話なんだろう?」と、興味津々になってしまう人も多いでしょうね。

 何よりも、作者の吉村達也さんが、『マタンゴ』の後日談を見たいという気持ちが強かったのだろうと思います。

 ちなみに、『マタンゴ』の原作、ウイリアム・ホープ・ホジスンが書いた『闇の声』も読みましたが、映画とはかなり違った感じの短編です。

『マタンゴ』の翻案ではないか?と言われているのは、ルチオ・フルチの代表作『サンゲリア(原題はゾンビ2)』ですが、ジョージ・A・ロメロのゾンビ映画がSF的なのに比べて、ヴゥードゥー教のゾンビに近づいた怨霊というか地獄の餓鬼みたいな感じのゾンビがフルチの作品からは感じられます。

 ヨット、南の島、怪物化する仲間・・・といった道具立ては、確かに『マタンゴ』が元ネタなのかも知れません。

 真似されるとすれば、それは設定が上出来である証拠でもあります。

『マタンゴ』がカルト的人気を持ったのは、極限状況に置かれた人間たちが本音を剥き出しにしていく点にあったと指摘する人が多いですが、キノコの毒性や麻薬性の恐ろしさをメタファーとしている点もあるでしょう。

 特に、謹厳実直な船長が仲間を置き去りにして独りで島を脱出しようとした点に象徴されます。


 この続編小説には、『マタンゴ』に敬意を払った仕掛けも多くありますが、それ以外にもいろいろな作品の影響が感じられます。

 狂言廻し的に登場している占い師の婆さんは、『幻魔大戦』のそれを思わせますし、主人公たち七人が都市伝説のフィールドワークにやってきてキャンプしながら樹海の前で話しているところなんかは、カーペンター監督の『ザ・フォッグ』を思い出します。

 他にも『溶解人間』とか『原子人間』『カプリコン1』『エイリアン』『REC』『地獄の黙示録』『怪奇大作戦』『シルバー仮面』『バイオハザード』『幻の湖』等の影響があるような印象を受けました。

 かなりのページ数があったのに、徹夜で読み終えてしまいました。

 非常に映像的なんですね。ホラーというよりSF。ただ、実写映画化は金がかかり過ぎて難しいだろうな~と思いました。

 これは、『屍鬼』みたいにノイタミナ枠でアニメ化したら非常に面白いんじゃないかな~?と思いましたね。


追伸;ニュージーランドの大地震。マグニチュードはそれほどでもなかったのに、縦揺れだったためか、被害の大きな災害となりました。地震大国と呼ばれる日本ですが、いまや世界中のどこで地震が起こっても不思議ではありません。犠牲者の御冥福をお祈りするばかりです。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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