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日本のホラー映画を考える

 ジャパニーズ・ホラーで有名になった日本のホラー映画ではありますが、原点である怪談映画となると、『四ツ谷怪談』のお岩、『番町皿屋敷』のお菊、『累が淵』の累、『牡丹灯籠』のお露といった幽霊のヒロインと、『怪猫有馬御殿』の化け猫、『雪女』のお雪といった妖女の二系列があるでしょう。

 怪談映画となると幽霊話が圧倒的に多いですが、大映の妖怪シリーズのようなユニークな妖怪が大挙出演する作品もあります。

 あるいは、『八犬伝』や、源頼光の妖怪退治の話なんかも映画化されたりしていましたが、これらはファンタジー色が強くホラーというには難がありました。

 その点、ホラー映画としては『ゴジラ』『ラドン』『獣人雪男』『フランケンシュタイン対地底怪獣』『サンダ対ガイラ』等の怪獣映画にはホラー・テイストが色濃くありました。

 東宝の変身人間シリーズ『ガス人間第一号』『美女と液体人間』などもSFホラーといえるかもしれませんが、やはり、そのものズバリなのは『マタンゴ』だったでしょう。

 放射能で突然変異したキノコ人間。人間がマタンゴを食べてマタンゴ人間になってしまうという退廃的な恐怖は、麻薬中毒へのメタファーではありましたが、救いのない地獄のような展開は恐ろしいものでした。

 この救いの無さに関しては、『吸血鬼ゴケミドロ』も侵略SFホラーとして『マタンゴ』に並ぶ傑作です。額がパカッと割れてゼリー状のエイリアン“ゴケミドロ”が寄生するところは本当に恐ろしいものです。

『エクソシスト』に始まるオカルト・ブームの頃には、『犬神の悪霊(たたり)』『妖婆』『ハウス』『歌姫魔界を行く』などが作られました。

 それと、『恐竜怪鳥の伝説』も、意外にホラー・テイストが強い作品でした。

 そのものズバリのホラーとしては、『血を吸う人形』『血を吸う目』『血を吸う薔薇』の三部作がありますが、第一作はゾンビ物、二作目三作目は吸血鬼物でした。

 80年代にはVシネマが全盛となり、スプラッター作品が多く量産されました。

『妖怪天国』『キクロプス』『バイオセラピー』『アギ鬼神の怒り』『GUZOO』等々、この時期に自主映画作家からプロになる登竜門のようなブームがあって、多くの才能ある作家がプロになっていきました。

 手塚眞、小中ブラザーズ、早川光、飯田譲二、塚本真也・・・等々。

 同時に、TVでも深夜枠で実験的なホラー・ドラマのシリーズが作られるようになり、これは90年代に全盛を迎えます。

『ナイトヘッド』は、その中でも最も成功した作品と言えるでしょうし、既に劇場版で二作、製作されていた『エコエコアザラク』がTVドラマ・シリーズとなって、深夜枠では異例のヒットになったものの、同時期に起きた猟奇殺人事件への配慮から最終回まで放送されずに打ち切られてしまったことは、逆にいえば、それだけホラーというジャンルの影響力がメジャーになっていたという証明でしょう。

 そうこうしているうちに、Jホラーの金字塔となった『リング』が登場して、Jホラー・ブームとなりますが、この流れは80年代から続く心霊実話再現ドラマの流れに乗ったものとも思われます。

『邪眼霊』『女優霊』、そして『呪怨』、『渋谷怪談』シリーズとか。

 ひたすら、“怖さ”を追及した作品も、最近は頭打ちになった印象もあります。

 そういう中で『新耳袋』のような、ちょっと不思議な実話テイストのオムニバス作品もコンスタントに製作されています。

 しかし、インターネットの動画で心霊映像(つくりものの・・・)が大量生産されるようになった現在では、純然たるホラー映画をプロが提供していくという構図は維持するのが難しいでしょう。

 そうなれば、単に怖いというだけではない作品の付加価値も必要になるでしょう。

 そういう意味では、『片腕マシンガール』『東京残酷警察』・・・のような、ホラーやアクション、スプラッター等が混然一体となったクール・ジャパンの作品でないといけないかもしれません。

 が、単純な怖いホラー映画というものも無くなって欲しくないな~・・・と思うのは私だけでしょうか?

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
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