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心と身体は一体のもの

・・・と、先日、佐原先生が言われていました。

 武術と禅を修行されてきている佐原先生だからこそ説得力がある言葉です。

 何で、こう言われたか?というと、私が達人として名高いある空手家のユーチューブに出ていた動画を観た話をしたからでした。

 10年くらい前に見た秘蔵ビデオ映像の時とは雲泥の差で「下手になっていた」のですね。

 何しろ、私は後ろ姿を見て、下手くそな弟子がやっているのだとばっかり思ったくらいで、見せてくれた矢嶋師範代が、「いや、これがU先生ですよ」と言うので、「え~、マジかよ? うっそ~?」と思って見ていたら、顔が映って、初めて「あっ、本当だ!」とビックリしたくらい別人のように下手になっていたのです・・・。

 ちなみに、恐らく同じ映像だと思いますが、青木先生もこの動画を見られたそうですが、「凄いという噂を聞いていて、どんな凄い人かと思ったら・・・」と、口を濁されましたが、どうやら私と同じように感じられたらしいです。

 この先生の技の特徴は、“読み”が優れている点にありました。対の先で相手の動きを迎撃するのが非常に上手だったので、競技空手のチャンピオンでも手玉に取って見せる映像を公開していたりしていました。

 この時の動画も競技試合で名高い空手家を相手にしていたのですが、“読み”の精度が極端に落ちてしまっているように感じられ、崩すのも力任せになっていましたし、相手が一気に攻撃しないでじわじわと寄っていくと、何と! 間合を保つために無構えのままで後ろに後退してしまっていたのです!

 これが、どういう意味なのか?と言いますと、つまり、“静止したところから相手が攻撃してくる間合とタイミングを測ることしかできない”ということを現しています。

 要は、“自由に動き回って撹乱して動く相手の攻撃は読めない”という限界がそこから読み取れる訳なんですね。

 青木先生の場合は、同じ読みでも先々の先を取って、相手が攻撃しようと動き出す前に自分から間合を詰めて、何もさせずに打ち倒すのが常です。さらに言うなら、相手の攻撃を自分の都合の良いタイミングで自在に誘導してしまうので、大人と子供のような展開になってしまいます。

 これは、空手の縮地法を駆使した自在な足捌きと読みが合体しているからこそ可能な戦法です。

 この空手の先生の場合は、読みに頼っているので歩法を駆使していません。だから、構造的には青木先生から見れば数段下に見えたことでしょう。

 簡単に言うと“次元が違う”ということです。

 そして、肝心の読みの精度が落ちてしまったのでは、青木先生程でなくとも少し気の利いた内家拳や合気道の遣い手と立ち合えば破れる可能性が高いでしょう。

 競技試合の問題点は、目前の相手に意識が集中し過ぎる点にもあります。一対一で面と向かってやるのには適していても、相手が複数になると対応できなくなります。

 技の問題ではなくて意識の問題なのです。心と身体は一体であり、心(意識)が散漫になれば身体の動きも集中力が失われてしまいます。

 単に力任せの技しかできない人だったら、意外と変わらないものですが、心身を調和しないと使えない脱力系合気や読みの技術なんかは、邪念がわくとてきめんで下手になってしまうものなんですね。

 私が「自惚れちゃダメだ」としつこく言っているのは、自惚れた心が技をダメにしてしまうのを知ってるからなんですよ。

 特に読みの技術は、邪念があると精度が確実に落ちていきます。

 この空手の先生は、周囲から達人と持て囃され過ぎて、自分が偉くなったと錯覚してしまったから、かくも無残に衰えてしまったのでしょう。

「先生と呼ばれるようになると危険です」と佐原先生は言われていましたが、確かにその通りと思えます。

 自惚れてダメになっていく武術の先生を無数に見てきた私は、納得するだけです。

 うちで破門にした人間も、とどのつまりは“自惚れ”が原因でした。もう、注意しても人の話に耳を貸さなくなるんですね。

 間違った修行のやり方をやっているのに自分ではそれが正しいのだと思い込んでしまうと、もう、アドバイスしても聞く耳がないんですよ。

 私は性格が薄情なんで、そうなってしまった人間には、「サヨ~ナラ~」と言うだけ。

 自惚れると現実をきちんと把握できなくなるし、もう向上もしなくなりますよ。

 ある意味、自分が勝てない相手をダメにするには、「いや~、先生は凄いっ!」と連発して煽てまくっていたら、自惚れて観の眼が無くなってダメになるでしょうね。

 真剣に生徒のことを考えている先生は、生徒のダメなところをきっちり叱って矯正させようとするものですが、それは親と同じ気持ちでいるからですね。

 私も、セミナー参加者や一般の会員には厳しいことは言いませんが、常連会員には時に厳しいこと言いますもん。

 それで「失礼なっ!」って怒るような人は武術なんか学んでも無駄なだけです。自尊心なんかドブに捨てる!というくらいの覚悟が無いと武術はものにならないと私は確信して疑いません。

 私は小林先生に初めて怒られた時に、「あ~、やっと弟子として見てくれたんだ」と感激しましたけどね。

 厳しいことは本気で相手のこと考えないと言えないですよ。

「長野さんは会員の悪口を書いていじめている。人格的に問題がある」とかマヌケな批判する人もいますが、阿呆か?と思いますよ。ダメなものはダメとはっきり教えてやるのが指導者の義務です。良かったら誉めてますしね。

 それに、「チキショー!」って悔しい気持ちが無いと頑張らない呑気な人は貶すのが特効薬です。

「私は誉められて伸びるタイプです」とか言ってる馬鹿は、自己満足でしかできないから、本人は伸びてるつもりでも、実際は一生、伸びません。

 例えば、小林先生は私の腕前は決して認めてくれませんでした。今でも「長野さんは評論家として立派だから」とは言いますが、腕前は認めてないですよ。

 だから、「クソったれ~、今にホエヅラかかしたるっ!」って、私は十数年、執念で密かに腕を磨いてきました。“小林先生を見返してやりてぇ~っ!”というコケの一念ですよ。

 これが私にとって最高のモチベーションになっていますね。よって、本気で伸ばしてやりたい会員には、むしろ欠点ばっかりあげつらってますよ。私を憎悪するくらいの激しい感情がないと人間は必死になりませんからね・・・。


 ところで、大太刀を研ぎ直したり鐔を付け替えたりしたので、大太刀抜刀の稽古を本部道場でやりました。

 結局、四月の稽古は二回とも誰も来れなかったので、私の個人練習にしたんですが、その分、技の研究が進んで良かったですね。

 大太刀は重過ぎてあんまり振り回せないんですが、そこを敢えてブンブン振り回して使ってみました。重い刀も体捌きと併せて振ると軽く感じます。ようやく身体に馴染んできた感じがします。

 研ぎ直して全面的に刃をたてたので、迂闊に扱うと大怪我しそうなんで、この刀は他人には使わせられませんが、以前と比べると遥かに扱えるようになっていました。

 また、久しぶりに槍術もやってみたんですが、こちらも以前と比べていろいろできるようになっていて、自分で驚きました。

 重くて長大な武器は、手の延長というより身体と一体化したような感覚でないと上手く使えないですね。

 ただし、大太刀や槍は、天井の高い大魔神でも入れる、このメイプルホールでないと、流石に練習できないですね~。

 こんな絶好の道場なのに、生徒さんがさっぱり集まらないというのは皮肉なものだな~と思いますが、独りだと自分の練習が誰にも邪魔されないでできるので、個人練習場として借りてると思えば無駄じゃありませんけどね。ちょっと高いけど・・・(苦笑)。

 5月5日メイプルホールの稽古会は、GW期間中なので、時間をお昼の13:00~15:00にしまして特別講習会を開催し、誰でも予約無しで参加可能とします。会員以外の方でも体験入門で入会金不要で一律2000円とさせていただきます。

 ここ最近、相模原市には教育委員会とかに小学校の生徒を無差別で襲ってやるという悪質極まる文書が送付されたりして警戒している様子なんですが、こういうヤツは単なるイタズラで終わらない場合もありますからね。護身術の研究家としては燃えるところです。

 練習内容は、通常稽古と併せて居合・剣・杖・槍・試し斬りや対武器の技もやろうかな~?と思いますので、GWを利用して遠くからの御参加も大歓迎ですよ。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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