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5月セミナー“軸の合気”

 GWの最終日に、5月の月例セミナーを開催しました。

 宮城から参加されたセミナー常連のHさんの無事を、他の参加者の方々も喜んでおられて、先月も「セミナー会場に来たら、いつもの仲間がいて安心できました」と言われる方もいらっしゃって、月に一回のこのセミナーも、最早、会員同様の連帯感が自然に生まれてきているように思いました。

 さて、今回は、前回の脱力技法による合気技だけでは通用しない場合に用いる合気の柔術技法としての軸の操作による崩しについて解説指導しました。

 前回は、やや見世物芸的な要素が強くならざるを得ませんでしたが、今回は具体的な技としての実用面をより強く感じてもらえるような技を解説指導させてもらいました。

 その意味では、あまり合気という感じはしなかったんじゃないか?と思うんですが、合気的な崩しの方法論はどんな流派にも多少なりとも含まれている訳です。

 解説内容としては、1分くらい、中心軸・側軸(肩と股関節、肘と膝、手首と足首)といった想定される崩しの“ねらい目”についての“軸”という概念をざざっと説明し、後はすべて、その軸の中正をわずかに崩すことで重心バランスを失わせて無力化する理論について実技で説明しました。

 うちのセミナーは、既にいろんな武道・武術・格闘技を数年から20年以上も続けている方もよく参加されています。

 そういう方だと、御自身の学んでいる流派の技が、果たして単に熟練することだけで威力や精度が決定されていくものなのか?という疑問を持っている場合が多いんですね。

 だいたい、上手いとか下手とかは、どこがどう違うのか?

 これって案外、難しい問題ですよ?

 高段者でも下手な人はいますし、長くやっているから熟練して上手いか?というと、そうとも言えなかったりします。私も、指導者クラスの人でも素人より弱いんじゃないか?と思える人は何人か会ったことあります。

 かと思えば、今年の春に三重からシダックスに毎週通ってきていた学生さんは、武道経験は無いらしいのに、物凄い才能の持ち主で、一つ教えると次の週は別人のようにバージョンアップして来るので、本当に驚きましたよ。

 では、素質や才能の問題か?というと、確かにそういう面は厳然としてあるんですが、それだけで決定されるのか?というと、やっぱり、そうじゃない。

 できるできないというのは、必ず理由があります。

 熱意・実践時間・集中力・頭の良さ・観察力・・・といった本人の資質によるのは言うまでもありません。場合によっては完全に独修しても並み以上のレベルに到達できる天才的な人もいるでしょう。

 私が武術研究家と名乗っているのは、現代ではいろんな武術の情報が公になっているので、情報だけならいくらでも集められるのに対して、いざ実際に自分がそれらの情報から有益なものを選んで修行の糧にしていく場合に、益が無いだけならまだしも、むしろ害にしかならなかったりするケースを何とかしなきゃいけないと思った点もありました。

 これは武術ライターをやっていた頃から強く思いましたね。

 自己満足で与えられる情報を鵜呑みにして練習していたって、真の上達には結びつかないと思ったんですよ。

 現代は情報社会であるからこそ、大抵の秘伝は公開され解明されていっていますし、いろんな流儀の技が詳解されているので、貪欲に探求する人はどんどんレベルアップしていきます。これを圧し止めることは不可能です。

 ですが、情報の真偽を判別することは素人には難しいですよ。ガセの情報に踊らされてしまう人も多いでしょうし、わざとガセ情報を広める悪質な人間もいます。

 情報を整理する人間も必要なんですね。だから、私がそれをやろうと思っている訳。


 合気や発勁は、現実離れした万能の必殺技のように紹介解説されてきました。

 私も最初はそう思っていましたが、ほぼ技術構造的に解明できてしまった今となっては、「技術なんだから仕組みが解れば誰でもできるし、素質や才能に左右されない分、むしろ体得は容易である」という認識に変わってしまいました。

 そして、「技として単独で用いるものではなくて、結局は、総合的な戦闘法を体得できていなければ真価を発揮することはできない」という真相にも気づきました。

 でも、確かに、これができるのとできないのでは、戦闘の効率が10倍は違うと思われます。

 が、万能という訳ではない・・・。

 この長所と短所をきちんと弁えていなくちゃいけません!

 合気の技も、単に見世物芸として限定状況でしか使えないのでは武術として意味がありませんから、今回は実用技の触媒的な用い方をいろいろ解説してみました。

 突きや蹴りに用いる方法。ムエタイの首相撲で膝蹴り地獄にされるのを封じる方法。脱力の合気を体得している相手を崩す方法。小手返しの有効な掛け方。密着戦で挽回する裏技。・・・等々。

 軸を想定して、その軸を歪ませるだけで相手の攻撃力を大幅に半減させられるという理論を知ってもらえば、応用性は自在にできてくるんですね。

 この軸を歪ませれば力が出せなくなる・・・という理論は、武道医学を勉強している時に学んだキネシオロジーの理論の一つです。

 その後、田中光四郎先生の体術技法や新体道の技に触れたりしているうちに、力の働く仕組みに気づいて、合気や化勁の原理の理解が進んだのです。

 今は、この理論を進めてどんどん応用技を開発していっています。

 恐らく、そういう関係からでしょうが、バイオメカニズムに関連した学会誌にも原稿依頼を受けて二回、書いています。

 いずれは科学的にきちんと解説してみたいと思っていますが、今は武術技法をどんどん応用発展させて新しい技を開発していくのが楽しいですね~。

 それと同時に、昔から伝わってきているいろんな流派門派の極意の技の秘密も解けてきています。

 それが、各流儀を実際に学んでいる方々のお役に立てれば、研究家として本望ですね。


 しかしね~。今回も、以前、うちに居た元会員のその後の話を聞く機会があって、何か、ちょっと複雑な気持ちになっちゃいましたよ・・・。

 またも問題起こしたらしくって、ガック~ンときました・・・。

 あの時、有無を言わさずに、ドカ~ンとカミナリ落として武術界追放に仕向けてやった方が本人にとっても良かったんじゃないか?とも思いました。

 とにかく、周囲に迷惑を掛けていながら自分は正しいと主張したって、世の中、通じません。いずれ自分の首を絞めることになるだけです。

 人間は自分の分を弁えて、人との縁で支えられて生きているんだという自覚をして、とにかく感謝の気持ちを忘れちゃ~いけないと思いますよ。

 例えば、先日、元『武術』『月刊空手道』の編集長だった生島裕さんに会ったことのある人とお話したんですが、私が現在のようにもの書きをやっているのも、最初に生島さんが私に記事を書いてみませんか?と声をかけてくださったからなんですよね。

 そういう意味では、あの甲野さんだって、私にとって広い意味では大恩人ですよね(そうは思ってないけど・・・)。

 何しろ、彼と出会っていなければ、私は武術研究家なんて肩書で活動するなんてことは生涯、考えもしなかったでしょうから・・・。

 事実、「あのオヤジ~。あんなインチキで金儲けしやがってぇ~・・・うらやましい~・・・」って義憤と嫉妬がゴチャ混ぜになったパッションが私の研究家魂のモチベーションを保ち続けてきた面もありますからね。

 よって、反面教師という言葉があれだけピッタリの人は他にはいませんでしたよ。

 あっ、でも・・・世の中には、反面教師にすらならない完全なダメ人間も結構、いますね~。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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