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今夏最大のイベント、無事完了!

 7月17日は天真会主催のチャリティー演武・演奏会と、ほびっと村での必殺太極拳2の講座がありました。

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 こういう大事な日に限って、好転反応が起きるもので、朝から体調はイマイチ・イマニ?という感じで、困ったもんだな~・・・と思いつつ、演武そのものは北島師範矢嶋師範代の独己九剣がメインなので、まあ、私は解説だけでもいいか?とか思っておりました。

 それよりも、ほびっと村の講座が始まるまでには到着できそうもないので、K塚さんに先に進めておいてもらうように要請していたのですが、なるべく早く到着しなくちゃいけません。

 そっちが気掛かりだったんですが・・・。

 チャリティー演武・演奏会は、もともと、青木宏之先生の武道歴60周年をお祝いするために新体道メンバーと天真会メンバーが中心で計画していたものだそうでしたが、東日本大震災を受けて青木先生が、「こんな時期なのでお祝いは辞退したい」と申し出られたことから、「それなら被災地への義援金を集めるチャリティーとして実施してはどうか」ということで開催することになったのだそうでした。

 で、私にも演武をやってくださいと天真会の吉田晶子先生から申し入れをいただき、前に一回、断ってたものですから、二度目は不義理だな~と思って、今回は有り難くお受けした次第・・・。

 しかしですね~・・・「新体道剣武天真流日子流心道と並んで、俺らが演武するなんざ~、10年早い。よって、游心流としてはギャグに走るっ! ・・・つ~か、誰も俺らに重厚な演武とか期待してないよ。真面目にやったら逆にガッカリさせちゃうに違いない・・・」とか作戦を練ったりしていたんですね。

 いや~、単に人前で演武したことないから、こっ恥ずかしくって緊張して失敗する可能性が高いと思った訳ですよ。

 なので、「心配いらん! 君らが失敗したら俺が魔法の話術でごまかすから・・・」とか言って、北島・矢嶋両名に特訓させたのです・・・。

 でも、一応、私もやらないと説得力が無いだろうな~と思って、二つ、三つは演武向けの技を練習してはいたんですね。

 けれども、会場に着いて楽屋から舞台に上がって見てみると、いや~、こりゃ~、緊張するなってのが無理な話ですね。「ガラスの仮面」でもつけないと・・・。

 もともと、“緊張しい”の北島・矢嶋両名は既に陰鬱な表情で顔が強ばってる・・・。

 やべ~な~と思いつつ、青木先生の剣舞と挨拶の後、初っ端で我々が演武するんですが、もう、舞台に出た時点で二人の緊張度がアリアリと見えていました。

 それで、「このままじゃ~、ひどい状態になりそうだな~」と思って、“作戦その一”を決行!

 北島・矢嶋の紹介のついでに「二人ともお嫁さん募集中で~す」と軽くジャブ・・・会場に笑い声が・・・。二人とも苦笑しておりますが、若干、緊張がほぐれた様子。

 よっしゃ~、これで少しはリラックスできただろう・・・。

 二人でほぼ交互に独己九剣の演武・・・。

 会場から判りやすくするために順番を入れ替えて、矢嶋師範代の“右剣(敵の正面斬りを右に躱すと同時に右手抜刀、敵の手首に斬り付ける技)”から。ちょっとスピードがトロイけど、まっ、いいでしょう・・・。

 と思ったら、“左剣(同様に左に躱すと同時に抜刀し両手で握って敵の手首に斬り付ける)”の時に、北島師範が抜刀が不十分で抜きが二拍子になってしまった・・・。

 やっちまったな~・・・。

 気づく人は少なかったかもしれませんが、「まだ緊張しとるな~・・・」と思って“作戦その二”、「緊張してて、ちょっと失敗しましたけど~」とかフォロー。

 これで大分、気楽になったか、後はまずまずの出来で終わりました。

 点数でいうと70点くらいかな? まあ、特に悪くはありません。練習した成果は出せたと思います。

 もっとも、予想以上に二人とも緊張していたので、このまま私が演武してもうまくいかない可能性があると考えて、そのまま終わろうか?と、計画変更しようと思ったんですが、このまま終わるとちょっと物足りないだろうな~と思い、「すいません。まだ、時間ありますか?」と、咄嗟にタイムキーパー役の方に聞きました。

 すると、「まだ、ありますよ」とのことでしたので、「すいません。一つだけ応用技をやってみます」と言って、独己九剣を応用した無刀奪りの技を私がやりました。

 予定では、ここで合気技法で刀を奪う技とか、裏体捌きで刀を捌くと同時に北島師範の鞘を抜き取って、そのまま背後に回りこんで逆側から刀を奪って刀をクルリンッと回して鞘に納めて・・・っとかやる予定でいたんです。

 でも、北島師範の緊張度合いが膝に来ていたので、こりゃあ、思わぬ事故でも起こるとヤバイと判断して、対峙した瞬間に計画変更、右剣を応用したシンプルな無刀奪りをやって終わりました。

 まあ、こんなもんかな?と思いましたが、私としては技の出来より、ギャグが結構、ウケてたのに満足しておりました。

 北島・矢嶋両名の演武も、初めてにしてはまずまずだったかな~?と思っております。

 二人はそのまま演武・演奏会を鑑賞してもらうようにして、私は即行で会場を出て、ほびっと村のある西荻窪に向かいました。三鷹駅から二つ隣りですからね。場所がもっと遠かったら断らなきゃいけなかったでしょう。

 数分、遅れましたが、ほびっと村に到着。基礎錬体はそのままK塚さんに指導してもらって、その後、簡化24式太極拳を参加者全員で演じ、次に個別の動作の武術的応用例をいろいろ実演解説していきました・・・。

 前回のほびっと村の講座で全部はできなかったので、その続きのつもりだったんですが、念のため、最初からやっていったところ、またも時間が足りなくなって途中で終わってしまいました。こりゃあ、第三弾『帰ってきた必殺太極拳3 大逆転』とかやらなきゃいかんかな~?

 しかし、その分、一つの動作を三つ四つの技に応用させるやり方を解説していったので、内容的にはかなり濃くなったかな?と思います。

 講座が終わると、またまた即行で三鷹に戻り(忙しい~っ!)、演武・演奏会の会場の楽屋に入ります。

 演奏会はまだ終了しておらず、最後の青木先生の剣舞の最中でした。

 楽屋のTVには世界を股にかけるトランペッター近藤等則さん(1980年代には俳優や司会者としてTVにも多く出演され、NHK時代劇の音楽も多く担当)の吹き鳴らすトランペットの音色に合わせて青木先生が剣舞を舞われています。

 使用刀は、青木先生がお気に入りの和泉守国貞(井上眞改の父)の刀。実際は眞改との合作らしいと鑑定された新刀期の名刀です。大きな“のたれ刃”で大阪正宗と呼ばれた眞改の特徴がよく現れています。

 絶えず運足を使って停まることなく刀を舞わし続ける青木先生の剣舞は、一般の剣術の定法からは外れているので評価が難しいでしょうが、真似してみれば一目瞭然!

 こんな風に刀を扱える人が二人といるとは思えません。

 そしてまた、近藤さんのトランペットがガチでタイマンを張るような猛々しさで、それにつられて青木先生の剣武も苛烈さを増す・・・。何とも凄いコラボだな~と・・・私が観る度に動きの精度がバージョンアップし続けているのも驚異の一言!

 武道歴60年の成果であると言われても、では60年修行すれば誰もができるのか?と問えば、それはNOと言うしかありますまい。

 修行の年月は量より質がものを言い、質は入魂、全身全霊の探究あってこそ高まるものです。

 その60年の質と量を兼ね備えた修行の歴史は、一代の武人にして万能の大天才たる青木宏之先生の伝説を証明しているに過ぎません。

 その晴れがましい舞台に上らせてもらえた私共は一生の栄誉に浴したと言っても過言ではないでしょう。

 しかし、そんな大仰な権威主義的認識を笑い飛ばしてしまうような“おおらかさ”こそが大・青木ファミリーの“家風”のように思えます。

 演武・演奏会が終わった後は、場所を移して打ち上げと祝賀パーティーです。

 アスペクトさんで私のシリーズ本をずっと担当してもらっている関さんも来ていたので、関さんに河野智聖先生田中光四郎先生を紹介したりしながら、会場へ向かいました。

 あっ、そうだ。余談ですけど、先日、シダックスに来た武術家を名乗る人が河野先生と知り合いだと言っていたので、河野先生に聞いてみたんですよ。

 そうすると名前も覚えてなかったみたいで、「腕の太さが僕の1/3くらいしかなくて、身体のどこにも鍛えた形跡が無い人で・・・」と説明すると、「あ~、その人は・・・」と思い出されていました。オイオイ・・・。

 何でも、2~3回来たことがあるだけだそうでした。だろうと思ったけど・・・。


 青木先生が多くの人から慕われ尊敬されるのは、まず第一にそのベラボーな武術の力量があり、その上で、利己的な生き方でなく利他的な生き方をしてきたからでしょう。

 パーティー会場に集まっている人達の“明るさ”は、普通の武道では見られないものです。

 そういう集まりだからこそ、私も演武をお受けできたんですね。他の団体だったら断っています。我欲だらけで人を利用しようという考えの人達とは付き合いたくありません。

 打ち上げの席では、ちょっと酔ってしまったので何を話していたのかあまり覚えていませんが、田中光四郎先生とお弟子さんたちと御一緒しました。

 あっ、そうそう。新体道・剣武天真流の秋山さんも御一緒しましたが、日本刀の拵えの製作がプロ級で、今回の最初の剣舞で青木先生が遣われた幕末の名刀匠、固山宗次(新々刀期きっての最上大業物の刀匠として有名)の刀の柄も秋山さんが実に見事に端正に作られていました。私の10倍うまい!

 合気道も実戦派で有名な黒岩先生(ボクシング出身の異色の合気道家として知られる)に学ばれていたそうで、新体道一門でも型演武の名手として知られている秋山さんですが、この度、青木先生と光四郎先生の友情の賜物で、日子流を学ばれることになっています。

 私は、その後見人になっているんですが、同様に後見人になっている秋山さんの親友の石井さんとも会場でお話しましたけれど、本当に新体道の人達は、皆さん、人柄が素晴らしいんですね~。

 武道をやる人は我欲の強い人が多いんですが、やっぱりそういう人は二流で止まってしまうものです。

 本当に一流、超一流になる人は、定型を打ち破った“型破り”な人であり、我欲を捨てられる超然とした人ですね。

 結局、我欲があると相手を読めないんです。心の作用はすべて身体に現れてきます。無心が大事だというのは、読みの攻防が前提にあるからであり、そこが武の真髄たるところです。

 身体の外側だけしか観ない人が多い。そこしか見えないから、観えないものを“気”の一言で片付けてしまうんですね。

 昔の武術家は読みを重視したので、観せないようにするのが当たり前でした。

 私の習った躾道館の小林直樹先生がそういうタイプだったので、私も隠すのが習性になりました。動画やDVDでバンバン出してるように思われるでしょうが、実は肝心なところはいつも隠して見せないようにしています。

 隠すのは武術を学ぶ者の基本的心得なんですよ。いかにも強そうに見せる人は、それだけでもうダメですよ。自分が強いと思う時点で他人を侮って見てしまうので、人の本当の実力が観えなくなるのです。

 でも、隠し続けていれば存在しないのも同じです。秘伝という伝統が武術の世界に誤解と迷妄を広めてしまう誘因になっていたのも事実でしょう。

 だから、武術修行の良い部分を教育に展開していく研究が必要なんじゃないかな~?と、私は改めて思うようになっています。

 そして、青木先生は、私にそういう役割を持たせたいと思って、機会を与えてくださったんだろうな~と思うんですね。

 あまり知られていませんが、あの甲野善紀氏が最初に公の場所で演武したのも青木先生の紹介でした。『科学技術と精神世界』のシンポジウムの時のことです。

 ここで伝説の遠当てを披露したことから新体道が有名になり、また同時に毀誉褒貶を広める切っ掛けとなりました。ところが、これは気の存在を信用しないという海外の科学者たちへの実証実験としてやってくれと頼まれて、渋々、青木先生が実演してみせたんだそうです。

 その後は遠当ての実演ばかり頼まれてキワモノ的扱いをされてしまったりしたので、青木先生は長く武道から離れてしまっていた・・・という訳なんですね。大まかに言うと。

 しかし、今また剣武天真流を立ち上げ、新体道も新たな体制となったのには時代の要請という面があったのと、武術としての青木先生の確立したものをきちんと評価評論できる人間(つまり、俺だよ、俺・・・フッフッフ)が出てきたという点も多少なりとも関係していたのかな~?という気がします。

 20年ちょっと前なら、甲野氏のような人がいた訳ですが、でも、結局、本当に青木先生が成し遂げたものが理解されていたのか?というと疑問も残りますね。

 近藤等則さんは、甲野氏に会った時に、その辺りの疑問をぶつけられたらしいですが、何か、ただ単に武道の世界の伝説の達人の名声を自己宣伝に利用しただけ?という印象が拭えないんですね。その後の甲野氏の動向を見ていると、その時々に知り合ったいろんな業界の著名人を利用しているだけにしか見えない・・・。

 青木先生はまったく気にしていないみたいですが、私はちょっとな~。「アンタ、誰のお陰で今の地位にいれると思ってんの?」って言いたいですけどね。

・・・っつ~か、それを言ったら俺も同じかも?と思ったんで、今回の演武中、“雪崩潰し(沈身のエネルギーを刀の棟に乗せて押し潰す技)”の技に関しては、「甲野善紀先生に習っていた頃に学んだもので、源流の鹿島神流の技も参考にしてアレンジしたものです」って、ちゃ~んと解説しておきましたよ。

 事実は事実。そこに自分の好き嫌いで事実をねじ曲げては研究家失格ですから・・・。

 帰り際、近藤さんに挨拶してちくま新書の私の書いた本を名刺代わりにお渡ししてきましたが、これって、私が使わせてもらっている相模原市の千代田メイプルホールで近藤さんのライブとか企画できないかな~?と思って、メイプルのスタッフの方と約束していたからなんです。

 新体道が組織的に運営が難しい時期に、近藤さんがバックアップしてNPO新体道が立ちあげられて、大井先生がトップに立ったという経緯がありました。その時のパーティーで初めてお会いしましたが、何かタテガミが炎で燃えているライオンみたいなイメージの人ですね~。

 企画が実現して相模原で近藤さんのトランペットが聞けたらいいな~と思ってます。

 それにしても近藤さんと青木先生は何だか師弟を超えて義兄弟みたいだな~って思いましたね。あのオーラの強烈さは一番、似てらっしゃるんじゃないでしょうか?

 それにしても、ここ数年で最も熱い一日でしたよ。帰りに北島師範と渕野辺の和食ファミレス華屋与兵衛に寄って、軽く打ち上げをしました。

 矢嶋師範代やK塚さんにもおごらなきゃ~ならないんですが、会員さん達が一所懸命、協力してくれるお陰で、今回のイベントはうまくいきました。

 感謝!

 被災地の皆さんへの義援金、沢山集まってるといいな~?

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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