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名刀と古伝の剣の理

 9月25日は、朝から非常に充実した一日で、私は生涯、忘れないでしょう。

 この日は公園での稽古はお休みさせてもらい、新陰流兵法・転會(まろばしかい)の渡辺忠成先生の古希の祝賀演武会を観に川越に行くことになっていたんですが、青木先生から大推薦されていた、南青山の根津美術館で開催されている名物刀剣の展覧会の最終日と知り、朝イチで展覧会を観て、その後、川越に向かう・・・というスケジュールにしました。

「長野は15本もポン刀持ってると自慢してるんだから、刀なんか見飽きてるだろう」と思われるかもしれませんが・・・。

 いや~、国宝クラスの名刀がズラ~リと陳列ケースに並んでいるのを観られるなんて、そう滅多に経験できることではありません。

 このチャンスは絶対に逃してはいけない。でないと死ぬ時まで後悔するかも?とすら思いましたよ。

 それで、朝、『海賊戦隊ゴーカイジャー』(オーレンジャー編で、さとう珠緒も出演)『仮面ライダー・フォーゼ』(なんかフォーゼって、『宇宙鉄人キョーダイン』のスカイゼルにそっくり)を観てから出発!

 横浜線で町田に向かい、小田急線に乗り換えて代々木上原で千代田線に乗り換えて表参道で降り・・・る予定でしたが、うっかり寝過ごしてしまい、乃木坂で降りて一つ戻り、表参道駅から地図を頼りに根津美術館へ・・・。

 青山、六本木の辺りは都内でも最もオシャレな街で、オシャレに一切、関心がない私は滅多に行くことがないのですが、場所柄なんですかね~? 日本刀の展覧会なのに、何故か、若い女性が多くて不思議な感じがしましたよ。

 初台の日本刀博物館で若い女性を見かけたのはカップルでいたのを一回くらいしか見たことないんですが、この展覧会は女性二人組がやたら多かったですね~。

「女だけで日本刀を見にきたりするのか?」と、私は結構、驚きました。

 ひょっとして、殺陣を学んで日本刀に目覚めた刀剣女子が本物を見たくなったとか?

 ヒマがあったらナンパしたかもしれませんが・・・30分くらいで大急ぎで観て、すぐ西武新宿駅に向かわなきゃならなかったのが残念!

 余談ですが、武器フェチの私は、付き合う女性の絶対条件が、日本刀や銃に「美しい」という感覚のある人で、もうね~、武器に関しても機能美を感じ取れる芸術的センスのある女性でないと興味がわきません。

 話が通じん“フツーの女”と話しているとイライラしてきちゃうんですよ。

 日本刀見せて、「うわ~、こわ~い」とか言いやがったら、「うるせーっ! あっち行けっ!」ってハラの中で思います(さすがに口には出しませんが)。

 はい、余談終わりっ!


 しっかし、国宝クラスの日本刀がズラ~リと並んでいるというのは、もの凄いですよ。

 天下五名剣にも数えられる三日月宗近! 平安時代の刀工、三条宗近の代表作です。

 同じく五剣の一つで平安時代の刀工、伯耆の国安綱の代表作、童子斬安綱は以前に観たことあるんですが、三日月宗近は初めて観ましたね。

 その他にも、名刀の代名詞である正宗が、篭手切正宗、小松正宗、大黒正宗、大阪長銘正宗、一庵正宗、不動正宗、中務正宗、池田正宗、包丁正宗、日向正宗、大かき正宗、そして、切込正宗とも呼ばれる有名な石田正宗があり、現存する正宗の刀と認定されている物がここまで一堂に介したのは凄いことだと思いましたね~。

 それと、「郷と化け物は見たことがない」とまで言われる郷(江)義弘も、村雲江、桑名江、北野江、松井江と揃っていて、これまた驚きましたよ。

 それ以外の刀も天下の名刀として有名な、長船景光、兼光、光忠、長光、新藤五国光、来国光、国俊、志津三郎兼氏、古備前友成、成高、姫鶴一文字、獅子王の太刀、貞宗、藤四郎吉光、大左文字・・・と、日本刀愛好家だったら名前くらい聞いたことのある古刀期の代表的な作品ばかりです。

 いや本当に、古刀の中の有名な国宝やそれに準じるクラスの刀をこれだけ観ると凄いもんだな~と思いますね~。

 第一、何百年も昔から鉄の工芸品がこうして伝わっているということも驚きです。

 で、美術館の受付の女性の方々も美女ばっかりで、「さすが、ハイソ(ハイソサエティの略ね。最近、使わない言葉だから、一応、解説)な場所って違うな~」と感心しちゃいました。


 さて、名刀を観た後は、ダッシュで新宿に行き、西武新宿駅に向かいました。

 ここで東京支部会員のK塚さんと待ち合わせして一緒に川越へ・・・。

 川越って、結構、遠いけど二人で武術とかカンフー映画の話しながらだったから、小旅行気分で楽しかったですね~。これだったら、もっと多人数で行っても面白かったかもしれませんね~。

 終点の本川越駅で巡回バスに乗って、会場の武道館へ・・・。

 ちょっと開始時刻には遅れてしまいましたが、今回、誘っていただいた転會の支部長のC先生が出迎えてくださって、椅子を出してくださいましたが、部外者が椅子に座って観るのも失礼だと思って、床に座って拝見させてもらいました。

 新陰流転會は斯界で活躍している古武術関係者が多く通ったことのある組織で有名なんですが、武道マスコミにあんまり出ていないことから、知らない人も多いと思います。

 でも、古武道研究家で佐川道場の高橋賢氏、同じく古武道研究家の平上信行氏、フランス現代思想の研究家の前田英樹氏、刀禅の小用茂夫先生・・・といった古武術関係で知る人ぞ知る方々が転會の出身なのです。

 その他にも隠しているけど実は・・・という人も結構、いるらしいです。

 私も入会するつもりでいたんですけど、当時、貧乏ライター時代で、ぶっちゃけお金が無くって断念したんですね。

 それで刀の持ち方や基本の構え、振り方くらいしか知りません。が、K塚さんからは「独己九剣は新陰流を大分、参考にしているんですか?」と聞かれました。

 そうですね。新陰流系統の刀法をかなり意識して作ったのは間違いありませんね。

 新陰流、駒川改心流、鹿島神流、タイ捨流、天然理心流、神道無念流、香取神道流、二天一流、民弥流、九鬼神流などを参考にしていますが、原理的には新陰流の影響が強いかもしれません。

 新陰流を研鑽する団体は、ここ数年の間にいくつも出てきているようですが、正統論議はやめて、ただただ自己研鑽に励むのが修行者の矜持であると私は思うんですが、いかがでしょうかね?

 渡辺先生とは、もう十年以上、お会いしていませんでしたが、ちっとも変わっておられなくて気さくなお人柄も以前のままでした。

 ちょっと驚いたのは、支部活動が予想以上に活発であったらしく、演武される人数が多くて古流剣術の団体としては異例な印象があったことです。

 女性の剣士も多くて、ここでも、「やっぱり、刀剣女子ブームは本物かも?」と思いましたね。うちも増えて欲しいな~。サークルクラッシャー女はヤだけど・・・。

 新陰流の演武も同じ型でも古伝のものも演じられていて、武術的に非常に参考になりましたね。私も初めて見るような刀法があって驚きました。

 それと、C先生も演武された制剛流の居合抜刀術。直接、観たのは今回が初めてでしたが、非常に重厚で精妙な刀法だな~と思いました。

 特に納刀が特徴的で、棟を指で挟んで滑らせて納める普通の納刀法ではなく、直接、切っ先を鞘の鯉口に当てて納める熟練が必要なやり方でした。

 伝統武術の型を見ると、形骸化しているように見える人が多いと思うんですが、私なんかは型の中に含まれている無数の戦術や技、理合が読めるので、もうね~、興奮して観てましたね。

 特に、今回、新陰流の刀法の理論は合気道に大きな影響を与えているのではないか?と思いました。

 剣道的な戦闘法ではなくて、中国の内家拳のような戦闘法なんですね。

 だから、合気道の上手い先生の動きのように見える。

 でも、大東流とは違いますね。・・・ということは、合気道が単純に大東流の新派だとする考え方は本質から外れているんじゃないか?と私は思いました。

 具体的なことはまだ書きません。もう少し自分で検証してから発表してみます。

 帰りの電車に揺られながら、「やはり、日本の武術は日本刀を知らない限り、読み解くことはできないな~」という思いを強くした一日でした・・・。
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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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