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意外な作品で若山先生が・・・

 東映チャンネルで『妖艶毒婦伝・人斬りお勝』という、ちょいエロ時代劇に若山先生が特別出演しているというので観ました。

 話は甲源一刀流道場の養女お勝(宮園純子)が惨殺された義父と義弟(近藤正臣)の仇を討つ・・・というありきたりなものなんですが、当時、流行った残酷時代劇ブームの影響か? ちょいエログロ風で厳格な剣術師範の西村晃(二代目黄門様)が娘を救うために身代わりで捕まり、拷問されて殺されるシーンとか、ちょっとホラーな感じです。

 西村晃は殺陣が大好きで、『十三人の刺客』『十一人の侍』『牙狼之助・地獄斬り』などで達人を演じてきていますし、TV時代劇スペシャル『新吾十番勝負3』で柳生如雲斎、NHKの役所さん主演デビュー作『宮本武蔵』で柳生石舟斎を演じており、正和サマ版眠狂四郎TVシリーズでも人斬り稼業に苦悩する侍役を熱演し、この時は狂四郎と対決することなく諭されて去っていく・・・という実質的主役の回もありました。

 最晩年の主演作『マタギ』での西村晃さんは、最新式のライフルではなく使い慣れた村田銃で最凶の巨大熊と対決する老マタギを演じていましたが、視力が衰えて名人技が使えなくなった名人役で、ダメ狩猟犬を鍛えて孫と一緒に山に入り、見事に熊を仕留めたものの、「こいつは山に返す」と雪の中に埋めてやる・・・という侠気溢れる作品で名作ですよ。

『帝都物語』では、人造人間“学天則”を発明した実父、西村真琴博士を演じていたのも話題になっていました。

 この『人斬りお勝』でも、まともに戦えば悪党連中を一人で成敗しちゃいそうな達人だったのに、嬲り殺しにされてしまうところが残念感を煽ります。正義感が強過ぎると狡猾な連中に騙し討ちにされるという世の中のリアルを表現してますね~。

 宮園純子さんは水戸黄門の初期シリーズで風車の矢七の女房のお新さんのイメージが強いので、こういう役はなんか違和感を感じます。立ち回りも今ひとつです。助っ人で出てくる大信田礼子のほうが、この手の役柄を沢山演じて慣れてるせいか、立ち回りが上手いというのも、本末転倒な気がします。

 要するに、作品としてさして面白味はない訳です。TV時代劇で似たような話を何百回も見たような気がするからです。

 でも、お勝がお尋ね者となって中盤に、唐突に出てくる賞金稼ぎ!が、何と、若山先生なんですよ。

 それがまた、結局、お勝を助けてしまうんですが、大信田礼子に「オジサン」と呼ばれる以外、特に何者か判らない・・・。

 でも、これって・・・若山先生が子連れ狼を演じる以前に最もお気に入りで演じていた、賞金稼ぎ・錣市兵衛(しころいちべえ)そのマンマなんですよ!

 若山先生の賞金稼ぎシリーズといえば、劇場版『賞金稼ぎ・薩摩の首』『五人の賞金稼ぎ』『賞金首・一瞬八人斬り!』の三部作と、TVシリーズ『賞金稼ぎ』があります。

 若山先生の殺陣スキル全開の豪快なアクション時代劇のシリーズなんですが、もう時代考証も糞もないムチャクチャさで、特殊警棒でカリスティックみたいに敵を滅多打ちにするとか、1950年代に発売されてるS&W44マグナムを撃つとか、やりたい放題。

 劇場版は“時代劇版007”というのがウリだったのですが、マカロニウエスタン風時代劇でしたね。TVシリーズでの愛用の銃は、コルト・バントライン・スペシャル(銃身がバカ長いコルト45シングルアクションアーミィー。ネッド・バントラインがコルト社に作らせて当時の有名ガンマン四人に贈ったという伝説の銃で、使いこなせたのがワイアット・アープだけだったとか? でも、長い銃身でぶっ叩いてたって話)と、ランダル・カスタム(ウィンチェスターのレバーアクションライフルの銃身と銃床を切り詰めたS・マックィーン主演のTVシリーズ『拳銃無宿』の主人公の名前にちなんで呼ばれる)。

 若山先生が相当なガンマニアだったことが判ります。

 愛用の刀も、三尺の大太刀や仕込み杖など、変わった刀をよく使っていましたが、アジトにはいろんな刀や隠し銃、手裏剣、鞭、ライフル、拳銃・・・と沢山持っているという設定で、最初は表稼業は医者でしたが、後半は寺子屋の塾長になっていました。

 劇場版も面白いんですが、TVシリーズは更にコミカルな要素も増えて面白かったですね~。

 それにしても、特別出演で、いきなり錣市兵衛で出てきた若山先生、期待に違わず必殺居合斬りで数人を瞬殺してみせたりします。

 やっぱ、上手いな~・・・。

 ところで、ちょうど、日本映画専門チャンネルで優作映画の特集をやっていて、『蘇る金狼』とか観たばっかりだったんですが、若山先生の錣市兵衛のハードボイルドさは優作のハードボイルド・ヒーローと非常に似ています。

 若山先生と優作は、『新事件・ドクターストップ』と『ブラックレイン』で共演していますが、役者として、ちょっと共通した面を感じますね。暴れん坊なところとか?

 こういう俳優さんって、今は少ないというか、いないというか・・・何か、残念ですよね~。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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