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市川森一さん、急逝

 脚本家でTVワイドショーのコメンテーターも勤められていた市川森一さんが急逝されました。

 まだまだ、お若くお元気な印象だったのに、あまりにも突然で驚きました。

 市川さんといえば、ウルトラ・シリーズの脚本家として我々、特撮マニアの間では有名ですが、恐らく、一般的には『傷だらけの天使』の脚本を書かれていたことが知られていると思います。

 理知的で鋭い批評に頷かされることが多く、もの書きの端くれとして尊敬に値する方だと個人的に私淑するところがあったので、非常に残念です。

 円谷プロの脚本家集団といえば、金城武さん、上原正三さんと、市川森一さんの印象が強く残ります。

 ウルトラセブンの撮影時期の思い出を見事にドキュメンタリー風のファンタジー・フィクションとしてドラマ化された時も、クールな印象の強かった市川さんの熱情が伝わってきて感動的でした。

 そして、特筆すべきなのは、ウルトラマンAにキリスト教的な善悪(異次元人ヤプールの設定)や男女の性差を超えた超人(北斗と南の男女合体変身という要素)としてのウルトラマン像を設定したことでしょう。

 そんなAの最終回、「優しさを失わないでくれ。たとえそれが何百回裏切られようと」という見返りを求めない無償の愛を説いて去っていくウルトラマンAの孤独を描いたところは、ウルトラセブンの最終回に匹敵する人間的な描写でした。

 市川さんはクリスチャンだったそうですが、キリスト教的には人間の原罪に対する深い思索を求める人が多いのかもしれません。

 例えば、園子温監督の大長編映画『愛のむきだし』にも、園監督のクリスチャン的感性が感じられますし、毎回の作品のテーマの中に“家族”の意味を問う要素が自覚的にか無自覚なのか、濃厚に感じられます。

 そういえば、『愛のむきだし』のヒロインを演じた満島ひかりは、『ウルトラマンマックス』でアンドロイドの隊員役を演じていました・・・。

 ウルトラマン・シリーズには、時々、人間と怪獣のどっちが悪いのか判らない話がありましたが、それは子供番組であるからこそ真剣に悩むことの必要性を感じていた脚本家のメッセージだったのでしょう。

 何しろ、子供の頃に見る作品からは、その後の人生を左右するほどの影響力があったりするのです。

 私なんか、特撮ヒーロー物で育ったような人間ですから・・・。

 市川さんはそのことを十二分に理解されていたと思いますし、脚本家としてメジャーになって以降も、ウルトラ・シリーズへの愛情を持ち続けられていたようです。

 奇しくも、ウルトラマンのコミカライズで有名な内山まもるさんも急逝されてしまいました。

 もっともっと長生きして新しい作品を発表して欲しかったですね。

 御冥福を心から祈らせて戴きます・・・。


追伸;宝蔵院流槍術の鍵田忠兵衛氏が心不全で亡くなられたと新聞に出ていました。田中普門先生の御著書でお元気な様子で演武されている写真が掲載されていましたから、驚きました。馬庭念流の項でも、田中先生が取材された後で宗家が急逝されたという逸話を書かれていましたが、不思議に、古武術関係では、技を公開した後で急逝されるという話が少なからずあるのです。秘伝を伝承しているという点から、そのような現象を招くものなのか? このような現象は呪いの心理メカニズムとして解釈されるものに近いようにも思えますが、もし、そうであるならば、秘伝というシステムは無くしてしまうべきなのかもしれません。鍵田忠兵衛氏の御冥福を祈念致します・・・。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
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