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谷垣監督は任侠道がわかってるな~

 昔、松田隆智先生と電話で話している時に、「長野くんは任侠道がわかってるな~」と言われて、ハァ?と思ったことがあったんですが、これは松田先生的には「男気がある」という意味で最大限の誉め言葉だったらしいんですね。

 映画のロケに行っていたので買い忘れていた今月号の『映画秘宝』を買ってきて読んでいて、谷垣監督の連載記事のところで、思わず、「谷垣監督は任侠道がわかってるな~」と、唸っちゃいましたよ~。

 いえね。実際、読んでもらったら、判ると思うんですけど、今、撮影中の映画に関して、谷垣監督が敬愛するドニー・イェンさんが虚偽の情報を流されていることに対して、現場で真相を知っている立場として決然と反論を書かれていたんですよ。

 実名出してるから、そこはもうハラ括って書かれたんだと思います。

 事情を知らない部外者からしたら、恐らく、「そんな実名出して有名な人の悪口を書くなんて大人げがない・・・」と受け止める人も結構いると思います。

 私も散々、そういうこと言われてきたから判るんですけど、“実際に相手の実名を出して批判する文章を公に書く”というのは、物凄く覚悟が必要なんですよ。

 私はプロの物書きなんだから、素人が匿名でネットに書きちらすのとは全然、意味が違う訳ですからね。

 谷垣監督は、私よりずっとビッグネームですからね。そりゃあ、ここぞとばかりに非難する連中もいるだろうと思います。

 下手したら映画業界を干される事態にすら発展しかねない。それくらい“実名を出して批判する”というのは重大なことなんですよ。そのリスクを知らずに書く道理が無い!

 それでも、リスク背負ってもドニーさんの不名誉な噂を払拭しようとして書いたのが、私には判り過ぎるくらい、よ~く判りました。

 どうしてか?って言うと、私は武道マスコミ関係からは、ほとんどシャットアウトされていますからね。

 余談ですが、よく、セミナーに参加する人から聞かれるんですよ。

「長野先生くらい技も出来て、理論もしっかりして、教えるのも上手い人なら、専門雑誌に出たら、ダントツで物凄く人気が出るでしょう。どうして、出ないんですか?」って。

「いや、出ないんじゃなくて、出してもらえないんですよ。武道関係の出版社は僕を出したら雑誌が潰されかねないと思ってるでしょうね」と、いつも答えています。

 つまり、私が“実名を出してこの世界の名だたる達人?をボロクソに批判してきた”から、危険人物視されてる訳ですよ。

 でも、結果的には、それが私の独自のポジションを作ってきた訳ですし、本もDVDも業界でトップレベルに売れてるから、いいんですけどね。1000部くらいしか売れない業界で、まったく宣伝無しで、その10倍くらい売れてるんだから・・・。

 まっ、100倍くらい売れたら、声がかかるかもしれませんけど、純粋に宣伝効果を考えたら、失礼ながら武道の専門雑誌に出るメリットは、あんまり、感じません。

 武術愛好家は近視眼的になってるから気づいてないかもしれませんが、武術の専門雑誌って、よっぽど関心のある人しか存在さえ知らないものなんですよ。

 格闘技のブームだって、K-1が地上波で放送されなくなってから、もう、あって無いようなもんでしょうね。

 コアなファンだけを頼りに商売していても、5年後に雑誌が残っているかどうか?というのが今の現実的な問題だと私は思っています。

 もう、付き合いが無いから、編集者やライターやってる人達が、どこまで危機感持って考えているかどうかは判りませんが、私は10年以上前にライター辞めた時点で、「今のままでは業界は続かなくなるだろう」って思ってましたね。

 自分でやった方が稼ぐことができると思ったから、辞めたんです。賢明な選択だったと思いますよ。ざっと年収が10倍になったし?(ライター時代が貧乏芸人並みだったからだけどね)

 現実に、私が離れてしばらくしたら武術雑誌の老舗だった福昌堂の『武術(うーしゅう)』が休刊になってしまったし、BABの『武芸』も休刊されたでしょう?

 前者は編集者がいなくなったからで、後者は利益率が低かったからなのが理由だそうですね。

 そればかりか、新しく創刊される武術系雑誌がすぐに消えてしまう・・・、中国武術系が三冊くらい出たかな~? 頑張って欲しいとは思ったんですけど、正直、続かないだろうな~とは思いましたね。

 一時期、ムック本が続けられたのは、はっきり言って、甲野善紀さんのキャラ・ブームに乗っただけで、作ってる側も、甲野さんさえ出しておけばそこそこ売れるという安全パイとして依存してしまい、読者を魅了するような誌面にする努力を怠っていたのが真の原因だと思いますよ。

 例えば、中国の取材で撮った映像をタレ流し同然に付録DVDにする・・・もう、何を言っているのか解らないし、爺さんが何かの発作起こして暴れてるようにしか見えなかったり・・・芸が無いというよりも、「お前ら、売る気があるのかよ? 読者、ナメてんじゃねえよ!」と、軽く怒りの感情を覚えましたね。

 要するに、プロの仕事じゃないんです。マニアが自主製作しているレベルでしかなかったんですよ。売れなくて当たり前!

 あの時期に甲野さん抜きで黒字出せたのは私が参加したムックだけだった筈ですが、このムックだって、最初は甲野さんを取材する予定でいて、多忙を理由に断られてしまったから、私が編集顧問的にアドバイスして、取材先の先生や武術について書けるライターを指示したりして、ようやく形になりましたが、結果的に七割方は私が書くハメになったので、「長野さんが企画出したムックなんだ」って誤解されましたよね~。違うっちゅうのに・・・。

 でも、頼みの綱の甲野さんの神通力も失せかかっていると思いますよ。多分、新刊なんかも売れ行きはあまり良くないんじゃないですか? 書店で立ち読みして、あまりのつまんなさに目眩がしましたもん・・・。

 この大不況の時代に、つまんない本に金出す人間が居る筈がありません。ブームに胡座かいてナメた仕事をしていられる道理がないんです。

 私が絶対の自信持っていられるのは、徹底して読者目線に立って考えているからであって、本やDVDを続けて出してこれたのは、愛好家のツボを狙って書いているからである点と、初心者が入りやすいように、文章と内容を工夫してみたり、本筋と全然関係ないギャグとか書いて、読者が飽きずに楽しんで読めるように知恵絞ってるからですよ。

 もし、武術論の本書いたら、恐らく、売れても1000部しかいかないでしょうね?

 そんな部数の印税じゃあ、一カ月分の生活費にもなりませんから、私は書く気がしないんですよ。銭が溜まってヒマができたら書こうかな~?とは思ってますけどね。

 特に武術マニアは、マニア向けの文章しか書けないから、初心者にはチンプンカンプンになってしまうんですね。知識を誇りたがってるのが文章から透けて読めるのも嫌らしいし、初心者は引くよな~。

 要するに、“独りよがり”だから、面白くない訳です。

 やっぱり、売れるモノを作るというのは、真剣に努力しなきゃ~、テキトーにやって売れちゃう人なんかいないんですからね。

 これは、本書いてていつも思ってましたけど、先日、映画に参加して痛切に思いましたよね~。アイドルの子たちのど根性は、本当に健気でプロフェッショナルでしたよ~。

 このブログは武道マスコミ関係の人も結構、チェックしてるらしいから、これは売れる秘訣として書きますけど、第一に必要なのは、読者サービス! これですよ、これ!

 ギャグ・センスの無い人が私の真似して無理やりギャグ書くと、単なる軽薄なだけの文章になってしまうでしょうから、お勧めしませんけど、やっぱり、ある程度、本音をさらけ出すようにしないと建前だけで書いていたら読者は減ることはあっても増えることはありません。

 読者が何を求めているか?ということを常に考えながら作っていけば、必ず売れる本になります! 頑張れ~っ!

 はい、余談、終わりっ!

 谷垣監督は、今やアジアを代表するアクション監督として実績を作ってこられているから、「映画は作品がヒットすれば評価は変わる」という信念で、敢えて書かれたんじゃないかな~?と思いましたね。

 文章を表面的に読んで、「人の悪口はいけない」みたいなこと言う人が日本人にはあまりにも多過ぎますよ。底が浅いにも程があるっ!

 良い悪いは表面的に判断してはダメです。多角的に広い視野で考えて、必要なことだったら批判的な内容も、しっかり言っていかなくてはいけないんですよ。

 考えてみてください。親が子供が悪いことしてもまったく叱らなかったら、子供は善悪の判断がつかないワガママ勝手な人間に育ってしまいますよ。

 愛情を注ぐというのは、叱ることも含めてのことです。

「言うべきことというのは、何のために必要か?」という観点が重要です。

 谷垣監督が公に批判論を書かれたのは、一つには、ドニーさんを守るためですね。

 それだけ、いろんな連中が勝手な情報を出して足を引っ張ろうとしてきていたんでしょうね? 今やアジアを代表するアクションスターであるドニー・イェンさんなんだから、そりゃあ、妬み嫉みは集中しますよ・・・。

 そんな時にドニーさん本人が弁明したって、「言い訳している」としか受け止められないでしょう? 悪口言ってる連中の頭の中ではドニーさんは悪人になっちゃってるんだから・・・。

 だから、谷垣監督が「俺が泥かぶってやるよ」って気持ちで書かれた・・・と、私は思います。

 そういえば・・・『デビルマン』を撮った那須監督が物凄く誹謗中傷されていた時に、独り、高瀬先生だけが庇っていらっしゃいました。映画が監督のチカラだけでできるものではないのは業界に関わっていれば誰でも解ることなのに、そんな冷静な視点を持つ人がさっぱりいなかった・・・そこが怖いですね~。

 またまた余談ですけど、『デビルマン』は、東映と東映アニメーションのコラボが上手くいかなかったり、社内事情の問題が大きかったんだそうです。「あれじゃあ、誰が監督したって上手くいかない」と、裏事情を話してくれた人は言っていました。

 何か、あの時のことを思い出しましたよね~。

 那須監督は急逝されてしまって挽回のチャンスを失ってしまいましたが、谷垣監督は、誹謗中傷の中で「凄い映画を作って、テメ~ら、黙らせてやるっ!」って、きっと燃えてると思いますよ。

 私も、ずぅ~っと、そうやってきましたから・・・。

 まっ、そういう訳で・・・

 谷垣監督~! 応援してますよぉっ!


追伸;松田隆智先生と電話でお話して、BABから出る予定の本は、少し遅れるけれども、ちゃんと出るそうですっ! パチパチパチ・・・。早く読みた~い!

追伸2;『秘伝』編集部のSさんと会ったので、前回の本に写真を貸していただいた御礼を言っておきました。『秘伝』に載っただけで、「これは快挙だ!」って稽古後に皆で自爆ギャグ言ったりしてました。あ~・・・。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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