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聴勁セミナー感想

 5月の月例セミナーのテーマは、読みの中でも“触”感覚(聴勁)でした。

 4月の読みは“目付け”ですから、実はまだ解り易いやり方なんですね。説明するのもさして苦労しないし、小林先生に教わって以来、自分なりにいろいろな応用を工夫実験してきたので、“目付け”に関しては恐らく武術界で私が一番、研究しているかもしれませんね?

 例えば、ボクシングでは肩を観ろと教えますが、古流剣術では右拳を観ろと教える流派が多いんですね。

 ところが、比較的知られているやり方であれば、必ず研究されて通用させなくされたりしますから、私は次から次に観る箇所を変えて研究したり、自分が攻撃する時に予備動作が出ないように動く訓練とか、いろいろやりましたよ。

「相手の眼を観る」という目付けも、別に間違いではないのです。中級の術者くらいまでなら、攻撃の意識は眼の変化として顕在化しやすいからです。

 これは、武術だけでなくて人付き合いでも役立ちますよ。

 眼は口ほどにものを言う・・・というのは本当のことです。男だと相手の表情の変化とか気にしない人が多いですが、女性は細かく観察していますよね~?

 整体師には相手の姿勢を観てどこが悪いとか言い当てる人もいますが、武術もそういう観察眼が無くてはダメですよね。

 この点は、友寄先生から細かく注意を受けましたが、「え~、そんなところまで観抜けって言うんですか?」って、随分、驚いたものでした。

 武術も、そういう領域に入っていくと、もう完全に学問の世界になる訳ですよ。

 セミナーの前日には佐原先生とお会いしていろいろお話をうかがわせていただきましたが、やっぱり、武術で一角になる人は頭が良い人だよな~・・・と思いましたね。

 また、そういう学問的な対象と思って取り組むと、武術はいろんな領域に跨がっているので、非常に面白いものだと思います。

 さて、そんな中でも、今回の聴勁は、有り体に言えば、感覚を研ぎ澄まさないといけない訳で、目付けと違って、感覚が鈍い人だと教えてもどうにもなりません。

 特に、ガシガシ組手試合をやってきたような人ほど、体得が難しいようですね。

 どうしてか?というと、我を殺して相手の加えてくる(加えようとする)力の流れを読むために、最初は推手から始めるのですが、これを押し合いと解釈してしまうと全然、違う方向へと進んでしまうからです。

 太極拳の推手が何故、あんなゆっくりと柔らかく脱力して行うか?というと、そうしないと相手の力の圧力と方向が判らないからですよ。

 ところが、日本で多くの団体でやっているのは、単なる崩し合いのゲームとなったり、形式だけ練習して“型”をやっているだけ・・・。

 はっきり言って、そんなことやっていても時間の無駄ですね。

 聴勁の訓練は、あくまでも“読み”の技能を磨くものであって、攻撃の力の大きさ・流れ・方向などを皮膚感覚で読めるように訓練し、それを全身のどこでもできるようにし、さらに離れたところからの攻撃の意識を感じられるようにしていくことが大前提です。

 あるいは、西野流呼吸法の対気の練習みたいに、足を止めて互いの正中線上を押し合い“相手の気を受けて飛ぶ”・・・といった催眠暗示訓練法へと改変されてしまう場合もありますが、知識と見識の無い人達ほど簡単に騙されてしまったりする訳ですね。

「あれっ? これって推手の改悪じゃん?」と気づく人がいたって少なかったのは、それだけ推手訓練の意味を理解している人が少なかったことも関係あるのか? あるいは推手そのものを練習する団体が希少だったからかもしれません・・・。

 もっとも、私も最初は、「こんなヌルイ練習していたって空手やボクシングの素早いパンチには通用しない」と思っていました。

 しかし、推手と差し手の訓練を併用し、接触した瞬間に相手の体勢を崩す・・・ということを意識的に追究してきた結果、聴勁も非常に使える技術であると考えるようになりました。

 特に小柄な日本人が海外で身体の大きな屈強な男と戦う場合、聴勁は大きな味方になるでしょう。

 つまり、“相手の攻撃を食らわない”のが絶対条件になるからです。


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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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