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エイリアンが戦国時代に・・・

 早々にハリウッドリメイクも決まったという『AVNエイリアンVSニンジャ』を、東映チャンネルで観ました。

 戦国時代にエイリアンが飛来してニンジャと戦う・・・というストーリーは、正直いって有って無いようなもの。ひたすら、アクションとギャグを楽しむというテイストは、観客を選ぶかもしれませんが、当然ながら、私は大好きです!

 アクション指導は下村勇二さん。当代一、二を争う若手アクション・コーディネーターとして、将来はユエン・ウーピンのような立ち位置になるんじゃないかな~?と個人的には思っておりますが、そんな下村さんの出世作『VERSUS』から、より進化したようなコジャレたアクションが楽しいです。

 特に、個人的に、あの谷垣監督をして「アクションの才能がある」と言わしめた女優、肘井美佳が、『アンダーワールド』の女吸血鬼役で人気を高めたケイト・ベッキンセールもかくや?の女ニンジャを演じて、エイリアンとタイマンを張る!というアクション女優っぷりを発揮しているのが最高です。

 肘井美佳といえば、『牙狼GARO』のヒロインとして“守られキャラ”のイメージが定着しましたが、第一シリーズ終盤で魔界の女神の依代となって主人公たちと闘うシーンでのアクションは見事でした。

 が、やっぱり、正義の側でアクションばりばりやってもらいたいですよね?

 で、今回の『AVN』は、アクション女優の肘井美佳が活躍しているところが良かったですね。ちょっと、無理やりセクシーな感じを出そうとし過ぎて深夜バラエティっぽいところは御愛嬌ですが(苦笑)。


 スシ・タイフーン系統の作品は、『片腕マシンガール』『東京残酷警察』『デスカッパ』と観てきましたが、自主映画畑出身の私にとっては、こういう低予算で監督のみならずスタッフもキャストもワイワイ言いながら撮ってる様子が感じられる作品が好きなんですよね。

 今はプロとアマの境目が低くなってきているから、低予算でもそれなりのクオリティーの作品が撮れるし、むしろ、自分が本当に観たいと思っている作品を撮るのが良いと思うんですよね。

 そういう意味で、“時代劇”でありながら現代SFアクションにしか観えない『AVN』は、まあ、時代劇版プレデターみたいなものなんですね。

 時代劇ドラマが民放で無くなったものの、ファンタジー・ワールドとしての時代劇を開拓するのは大いにアリだと思うんです。

 かつての『仮面の忍者・赤影』や、『快傑ライオン丸』『風雲ライオン丸』『魔人ハンター・ミツルギ』『白獅子仮面』『変身忍者・嵐』といった子供向け特撮ドラマだけでなく、孤高の日本特撮の鬼才、雨宮慶太監督の野心作『タオの月』なんて、阿部寛の殺陣が素晴らしく良かった! ズバッと斬った後のザァッとかかってくる返り血を笠で防ぐところが・・・。

 雨宮監督の劇場オリジナルのデビュー作だった『未来忍者』も、設定としては戦国時代のパラレルワールドでしたし、出世作となった『ゼイラム』の最強宇宙生物ゼイラムの造形が、若山富三郎先生の渋い演技?(っつ~か、唖だから喋れない・・・)が記憶に残るハードボイルド時代劇『唖侍・鬼一法眼』の賞金稼ぎそっくりに見えるのは私だけなんでしょうか?(あっ、そうだ! ゼイラムの新作を時代劇でやったら面白いのでは?)

 民放の時代劇復活も、ファンタジー時代劇路線でやればいいんですよ。『おりん』もそんな感じだったんだし、『魔界転生』『シグルイ』『バジリスク』『あずみ』・・・いくらでも原作には困らない。

 時代劇作る側は「時代劇の型枠を壊してはいけない」ということにあまりにも捕らわれ過ぎてると思いますよ。

 ドラマはドラマなんだから、もっと奔放にイメージを飛躍させないと、ジッチャンバアチャンしか見ないんじゃ話にならないでしょう?

『るろうに剣心』だって、劇場版ができるんだからドラマでやったっていいんですよ。

 正直いって、現代アクションではハリウッドや香港にはとても及ばないですよ。『SP』を観た時に、「あ~、頑張ってるな~」と思いつつ、でもボーン・シリーズに勝ってるか?といったら勝ててはいない・・・。

 予算が違うからだと誰もが言いますが、私はそうは思いません。アクションの見せ方や編集技術に差があるせいだと思いました。

 それは、『AVN』を観れば明らかです。アクションの見せ方や編集のやり方で、活劇映画はかくも違うものになるのです。予算の問題じゃありません。アイデアとセンスと工夫と技術の問題です。

 しかし、誰もが忘れてしまっていますが、香港アクションの原点は、実は日本の時代劇なんですよ。

 勝新の座頭市や若山先生の子連れ狼、三船敏郎の用心棒といった時代劇作品の殺陣を参考に香港のアクションは大きく進化したのです。ワイヤーワークだって、恐らく日本の吊りの技術からだったと思いますよ。

 スターウォーズのライトセーバーの立ち回りが黒沢時代劇を参考にしていたというのも有名な話ですし、80年代のスプラッター映画ブームが、若山先生の子連れ狼を再編集した『ショーグン・アサシン』の影響だったという説もあります。

 ニンジャ・ブームも、当然、日本の忍者についての小説が大ヒットしたのと同時期に海外に忍法武芸を普及活動した戸隠流忍法の初見良昭先生の存在が大きかったのです。

 ちなみに初見先生は千葉真一主演の『柳生一族の陰謀』『影の軍団』などのTVシリーズで武芸考証を担当したことが知られていますが、日本ではそんなに知名度が高いとは言えませんけれど、海外ではゴッドハンド大山倍達に並ぶ“日本の古武道の大家”として超有名な人物なのです。個人的には文化勲章まとめて百個くらい捧げるべきだと思っていますが・・・。

 時代劇が衰退したのと同様に、日本人は日本の伝統文化に対する理解があまりにも低過ぎると思いますね。

 関係者がもったい付け過ぎてアンタッチャブルの聖域にしたがるのも理由の一つにはあると思うんですが、日本刀を使った殺陣の様式は、日本人しかサマにならないですよ。

 例えば、『SFソードキル』を観れば、それは明らかでしょう。

 藤岡弘、の日本刀アクションの腰の据わった斬撃は実に重々しく、一撃必殺の気迫が満ちていました。

 この気迫は外国の剣技にはあまり感じられません。

 何故なら、外国の刀剣は刀剣自体の機能以上でも以下でもありませんが、日本刀は、持ち手との一体化によって機能が大きくも小さくもなるのです。

 昔の時代劇は、そんな日本刀の怖さを表現していましたが、今は単なるデカいナイフでしか表現できていません。

 日本刀の怖さをよく表現した作品としては、意外に思う方がほとんどだと思うんですけれど、『ザ・ヤクザ』には唸りましたね。

 クライマックスで高倉健がロバート・ミッチャムと共に敵のヤクザの賭博場に乗り込むんですが、ここでの高倉健の殺陣の緊迫感は異様な迫力がありました。

 ちなみに、この『ザ・ヤクザ』をイメージしたというスチーブン・セガールの『イントゥ・ザ・サン』は、セガールの勘違いっぷりと俺様な展開で、トンデモ映画になってしまっていました(せめて大塚明夫のフキカエで観たら印象が違うかも?)。

 しかし、最近の中国武侠ドラマを観ていると、刀剣の描写に非常に拘っているみたいですね。初期の作品の『笑傲江湖』は、あの怪作『スウォーズマン』シリーズの原作をドラマ化しているので、剣戟描写が非常に楽しいです。

 何だか、『AVN』から話が大きく逸脱してしまいましたね~・・・(苦笑)。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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