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銃と武術

『GOVERNMENT EXTREME』というムック本を買ってきました。

 1911年に米軍に正式採用されて以来、バトル・ハンドガンとしてずっと現役であり続けてきたコルト・ガバメントM1911のムック本です。

 1911年から百年後の2011年を超えて、ガバメントM1911は、カスタムアップ、ドレスアップし続けて、未だに使われ続けているんですから、これは驚異的なことですよ。

 もっとも、正直に言えば、私はこの拳銃がそんなに好きではありませんでした。

 何でか?っていうと、武骨過ぎてカッコ悪く見えていたからです。

 セミオートの拳銃は、大抵が銃身をスライドで覆われています。何か、それが嫌だったんですね~。

 モーゼルミリタリーやルガーP08、ワルサーP38、南部14年式みたいに銃身が剥き出しになっていないと、何か嫌だったんですね~。

 無論、発射の瞬間は銃身が剥き出しになる訳ですが、「何か包茎みたいだな~?」なんて思ったりしていた訳ですよ。

 だから、オートマグとかウィルディとかいったマグナム・オートとしては欠陥品とされる拳銃の方がデザートイーグルみたいに成功したマグナム・オートより好きなんですが、デザートイーグルも10インチとか16インチのロングバレルは好きですね。

 デザートイーグルは普通のモデルでも実は銃身はスライドに覆われてはいないんですけどね・・・。

 まっ、そういう訳で、私はガバメントを長い間、好きになれなかったんですけれど、この拳銃が色んなカスタムガンのベースになっていることから、段々、興味を惹かれるようになり、プロ・シューター達が最も信頼する拳銃であるという事実から、やはり無視できなくなったという訳です。

 武骨な百年前に造られた拳銃が、中身はほとんど進化しないまま、パーツを交換され、外見をブラッシュアップされていく中で、見違えるように美しい機能美を獲得していく様子は、丸で何の素質も才能も感じなかった人間が武術を学んでいるうちに達人へと近づいていくように思えたのです。

 この拳銃の最もウリになっているのは、恐らく、使用する銃弾でしょう。

 ドングリのようなコロッとした.45ACP弾。

.45は、口径が45口径という大口径であることを示し、ACPは、オートマチック・コルト・ピストルの略。

 つまり、この銃弾は、この拳銃の専用弾薬として設計されたということです。

 現代のセミオート拳銃弾で最も多く使用されているのは、9mmパラベラム弾です。

 これは、ルガー・ピストルが造られた時に専用弾薬として設計されたため、9mmルガーという通称が広まりました。

 パラベラムというのは、「戦いに備えよ」というラテン語の意味だそうです。

 ガバメントM1911に代わって米軍の拳銃に正式採用されたベレッタM9は、この9mmパラベラム弾を使用します。

 しかし、古参の兵士は、この拳銃と拳銃弾を嫌いました。

「頼りない!」として、私物のガバメントM1911を依然として使用する兵士も少なくなかったそうです。

 何が頼りないと思われたのか?

 一発で敵を仕留める威力、いわゆる“マン・ストッピング・パワー”が9mmパラベラムには欠けると感じたのです。

.45ACP弾は、最初から一発で敵を動けなくできる威力のある弾薬として設計されたものでした。

 何故なら、未開地での戦闘で、.38口径の弾薬で撃っても倒れずに向かってくる現地人にブッシュナイフで殺されるアメリカ兵が続出したため、一発で確実に倒せる大口径の拳銃弾薬が必要だと研究されたからでした。

 ちなみに、そうした未開地の現地人は麻薬で感覚を麻痺させていたらしく、急所に致命傷を負わない限り、倒れなかったようです。

 麻薬と言えば、現代のアメリカの犯罪者にも少なくないでしょう。

 だから、ガバメントM1911は、警察官にも愛用する者が少なくありませんでした。

 麻薬でラリッている犯人を一発で倒すには.45ACP弾が必要だという訳です。


 さて、このムック本にガバメントの種類という分類が示されていました。

 タクティカル系カスタム、競技系レースガン、コンシールドキャリー系コンパクトガン、コレクション系プレゼンテーションガン、ヒストリー系ビンテージガンと分けられていました。

 私は、これを見て、「あ~、これって現代の武道・武術の分類と同じだな~?」と思いました。

 タクティカル系カスタムというのは、戦闘用改造を施された物です。つまり、野戦体術ですね。クラブマガやシステマがこれに相当するでしょうか?

 競技系レースガンというのは、競技武道すべて、あるいはそのプロ化したK-1やMMAでしょう。

 コンシールドキャリー系コンパクトガンというのは護身用ということ。これは護身道などの護身を目的とする団体ですね。

 コレクション系プレゼンテーションガンというのは、要するに趣味で楽しむことであり、合気道や太極拳、試合を行わない少林寺拳法などでしょう。

 そして、ヒストリー系ビンテージガンというのは、古武術や中国伝統武術のような、いわゆる伝統武術ですね。

 なるほどな~・・・と思いましたよ。

 ちなみに、游心流はどれにタイプ別されるか?と言えば、コンシールドキャリーにプラスしてタクティカル系ってところですかね~?

 護身術としての完成度を目指しているうちに、ちょっと先祖帰りし過ぎてしまって過激になり過ぎましたからね。

 日本刀や槍や手裏剣の使い方を研究し、海外に射撃研修に行くことも計画しているのは、護身術という範疇をはみ出してしまっているでしょうね。

 でも、武術の本質を追究するには、必然的にそうならざるを得ませんからね。

 そして、実技としての戦闘技術を学びながら、同時に人間存在の意義、生命観、社会性といったことを根本から考えていくことも含めての“武術”なんだと思います。

 だとすれば・・・とても私一代で研究に決着がつくとは思えません。

 銃の進化は、殺人の効率的研究を意味しますが、それは武術も同じことです。

 実際、弓・槍・剣・拳に加えて、武術には鉄砲の流派もありました。

 日本の火繩銃は、独自にいろんな工夫が加えられて発達していました。規制されなければ、ひょっとすると世界一の銃大国になっていたかもしれません・・・。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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