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新作DVD撮影

 新作のDVDの素材を撮るために、26日はメイプルホールを借りて夕方から撮影会兼の稽古会をやりました。

 生憎、北島師範は体調不良で、横浜同好会代表のK原さんも都合で参加できなかったんですが、大石総教練と、秋から東京同好会を始める小塚師範代と高校生指導員のNさん、それに入門一年で長足の進歩を遂げた“ジェット爺い”こと游心流最年長のUさんが参加してくれました。

 今回のテーマは“合気”です!

 しかし、世の中に合気のDVDは夥(おびただ)しく出ています。

 私も、かつて『合気の原理』『続・合気の原理』というビデオを作ったり、いろいろな合気チックなもの?を作ったりしてきました。

 お陰で、一時、私は「合気武術の遣い手」ランキングに入っていたそうです。

 でも、何度も申し上げているように、私は合気道は一時間半しかやったことがありませんし、大東流合気柔術、日本伝上法円天流道術などを体験した程度しかありません。

 強いて合気武道っぽいのを稽古したとすれば・・・20年以上前に甲野善紀氏の道場へ通っていたことくらいでしょうか?

 けれども、甲野氏に習った時は、まったく体得できませんでしたし、やはり、正確に言うなら本やビデオで独自に研究したというべきかもしれません。

 最初に参考にしたのは、吉丸慶雪氏の本でした。それから、岡本正剛先生の本や映像。

 当時はそのくらいしか理論的な合気技法の解説本は無かったですね~。

 特に吉丸氏が合気と太極拳の技術的同質性について伸筋技法について書いていた点は示唆に富んでいました。

 また、ほびっと村学校の大友先生から太極拳の化勁の原理をレクチャーしていただいたことが切っ掛けで、太極拳の化勁と合気の研究を始めました。

 それから、原理的に考えるようになったのは、武道医学を学んだ時にキネシオロジーの理論に触れたことが大きかったですね。

 筋肉の働きや骨格の構造、神経の反射などについて考えるようになった頃、伸筋技法とは別に、脱力技法の有効性や可能性について注目するようになりましたね。

「あ~、伸筋だけ遣うテクニックより、脱力しまくった方が可能性が断然、広がるな~」と思って、私は脱力技法に特化して研究していったのです。

 ただ、理論上は未解明だったんですね。

「伸筋を遣うというのなら、まだ理解できるが、完全に脱力したら動けない筈。動けなければ力は出ないでしょう?」と、大抵の人が思う訳です。

 しかし、伸筋技法だけでは対処できない。運動理論上の限界に気づいた人達は、更に、「体幹部の筋肉群を遣う」とか、「深層筋肉を遣う」と言い出したようでした。

 もっとも、私は、これらの“筋肉が力を生み出す”という強固な思い込みから離れるべきだと感じていました。

 何故なら、筋肉の収縮だけで生じる力では体格の差を埋めることができないからです。

 私は、「武術には、もっと圧倒的なパワーを出す秘術がある筈だ」と思っていたからです。

 それは何か?

「気の力だ」と、多くの武術愛好家や武術家は考えました。

 しかし、気という言語は感覚的で抽象的、曖昧で意味合いが広すぎます。

 つまり、証明しようがない宗教的な妄想の領域に入り込み易いのです。

 実際に、気と合気をからめて論じている人達の大半が一般常識から外れた妄言を口走ってみたり、酷い場合は、かつての自己啓発セミナーの出来損ないみたいな洗脳ビジネスを展開していたり、精神疾患養成所?みたいな危うい方向へ向かう例が非常に多い。

 では、「気なんかデタラメだ!」と言えるかというと、それもまた極論なのです。

 気の感覚的認識作用は、内功武術や古武術を稽古していれば大なり小なり生じてくるものですし、腕の良い治療家は人体の気の流れを視覚や触覚で具体的に感じていたりするのです。

 多くの場合、熱感や微風、ビリビリとした電気的感触として感じられるのは否定できません。

 けれども、それらは極めて微妙な感覚的察知によるものであって、武術に用いるパワーとしてはあまりにも微弱なものであることは論じるまでもありません。

 私自身、20代前半にヨーガや仙道の瞑想修行を独自に実践していて、世の中の風景がサイケデリックな原色の混合したような絵画的に見えたり、「俺は悟った!」という異様な昂揚感があった時期がありました。

 このような体験は、現在の精神医学では脳内の神経伝達物質の過剰分泌による生理作用であると解釈されています。

 私は心理学の本も好きで随分と読んでいましたし、心理カウンセラーの勉強をしていたこともあるので、あまり信仰的にはならずに済みましたが、人によっては誇大妄想に支配されて後戻りできなくなる無知な人もいることでしょう。

 宗教家や芸術家にとっては、このような体験はむしろ歓迎すべきかも知れませんから、一概に否定するのもどうか?と思うのですが、誇大妄想に陥った人間が権威主義的な支配欲を持つと、ロクな結果になりませんね?

 まあ、オウム真理教の事件を考えれば、私の言わんとすることは納得していただけると思います・・・。

 世の中には、どうしようもなく信心深い人も居るのです。だから、宗教も必要不可欠なのかもしれませんね?


 さてさて、話を合気に戻します。

 結論を述べれば、私は脱力技法によって体内の重心を操作し移動させることで、筋肉の収縮によるより圧倒的に効率良く大きなパワーを生み出せると考えました。

 つまり、常時、身体に働いていながら自覚していない“重力”を利用してパワーを生み出す。そのためには軟体動物のようにフニャンフニャンになった方が効率が良いと考えた訳です。

 そして、この考えに沿った技法を研究している段階で、私は合気の高級技法と言われている技のメカニズムが次々に解けていくのを感じ、また、力を抜くことによって相手の加えてくる力を作用させなくする・・・つまり、封殺してしまえるようになっていったのです。

 例えば、打撃技の効力を無くしたり、絞め技から抜けたり、関節技がかからなくなったり・・・という、武道や格闘技の攻防の約束事から逸脱したことができるようになりました。しかも、極めて簡単に・・・。

 どうしてそんなことができるのか?

 それは、「力が作用するということは、作用面から反発があるから」という原理に気づいたので、「それなら反発しなければ力は作用しない筈だよな? だったら徹底的に力を抜いて抜いて抜ききっていれば、相手の攻撃の力は、こちらに作用しないからダメージは負わない筈だ」と考えて、以前よりさらに脱力するようにしていったのです。

 これが、私の考え出した“游心流式合気の原理”なのです。

 ヒントになったのは、新体道の養気体の動き、そしてシステマですね。

 そして、この原理は、中国武術の発勁にも通じるものであり、脱力しきった身体内部の任意の局部に重心移動を加速させて打ち込めば、距離0で甚大な威力が出せる。

 それは、拳頭や足尖でなくとも、掌・前腕・内腕・肘・肩・額・腹・・・と、熟練すれば身体中のどこからでも打ち込めるようになるのです。

 これを“抖勁”と言い、発勁の究極奥義であるとまで言われたりしていましたが、これこそが伝説の武術家、大東流合気武術の佐川幸義先生が駆使した神技“体の合気”に共通する技法ではないか?と考えたのです。

 今回のDVDは、この“体の合気”の秘密に迫る内容になったと思います。

 私が出す以上は、他所様の技術解説とは一味も二味も違う内容にしなければ、期待している人達に申し訳が立ちません。

 そう思って、撮影に臨みましたが、いや~こりゃあ、見た人の価値観がガラガラガラ~ッと崩れて立ち直れなくなるかもしれませんよ?

 ある意味、これまで出した本やDVDのどれよりも問題作になるでしょう。

 何が問題作なのか?

 それは、「原理さえ解れば誰もがマジで達人になれる! しかも、身体を鍛える必要が無い!」という、武道を学ぶ者にとっては“外道”のような反則DVDだということ。

 うちの指導陣が、既に達人と呼ばれる域を突破しているのは自覚していたんですが、Uさんの「70過ぎて始めて1年で、こんなになってしまう?」というのは、ロボパーが「ショックのパァ~」とバラバラになってしまうようなインパクトがあります。

 しかも、大石総教練がその場で教えて体得させちゃってんだもん・・・これは、真面目に修行している武道の先生たちが見たら血圧上がって脳卒中起こすかもしれないし、膨大な謝礼を払って教えを受けている人達なんか、悔し涙で枕をグッショリ・・・なんてことにマジでなるでしょうね。

 いんや~、楽しいな~。想像すると・・・。

 う~む・・・今回のDVDも一万五千円で売るつもりだったんですが、これは武道界が引っ繰り返りかねない危険な内容だよな~?と思ってまして、二万円以上にするかもしれません。

 でも、多分、これを見て練習したら相当な人数ができるようになっちゃうと思います。

 突然、合気の超達人が続出するんですよ! しかも、武道や武術を全然やったことない人達が・・・。

 真面目に道場に通っていた人が、馬鹿馬鹿しくなって辞めてしまうかも知れません。

 そういう“超・問題作”になりそうですよ。

 何か、ヤバイ領域に入り込んじゃったかな~? 全国の武道武術で飯食ってる先生方の食いぶち奪っちゃうようなもんだからな~? 

 でも、事実は事実だから、心ある人達にとっては「武術というのは、ここまでできるものだったのか?」と感動してもらえるとは思います。

 非効率で間違った練習法をやっている人達が、本来の武術に目を向けて変わっていってくれれば、私は本望ですね。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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