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八神流・利根川幸夫先生と

 当会の特別名誉会員にもなってもらっている柔芯体メソッド稲吉優流先生の御紹介で、八神流体術宗家の利根川幸夫先生とお会いしました。

 以前、『秘伝』に出ておられたのを知っていたのですが、私が形意拳と新陰流刀法の初歩の手解きを受けた刀禅の小用先生とも親しくされていたとのことで、てっきり小用先生が形意拳を学んだトネガワ先生と同一人物か?と思っていたのですが、実は別人であることが判明。どうも、聞いていて話が混乱するな~と思っていたら、そういうことだったのか?と合点がいきました。

 小用先生とは昔、ある道場で同門だったのだそうで、形意拳は、そのトネガワ先生に一緒に学んだということだそうでした。

 当日は、相模原の公園の稽古に当会最年少にして指導員資格を認定したNさんも参加していたので、帰りに一緒に利根川先生に会おうと誘って、一緒に出掛けました。

 もっとも、多忙な稲吉先生が都合をつけて御紹介くださったのに、私は待ち合わせ場所がよくわからずに遅れてしまいました。

 が、初めて会ったにもかかわらず、利根川先生は喫茶店で2時間程もいろいろお話しくださいまして、その上、恐らく部外者にはまず見せないであろう(稲吉先生もビックリされていました)内部資料のコピーまで頂戴してしまいました。

 正直、初対面でここまで信用していただけるとは予想もしていなかったので、恐縮至極でしたけれども、スポーツライフ社の『マーシャルアーツ』や、治療系の業界誌の『月刊手技療法』に載った利根川先生の記事のコピーも拝見し、私は『秘伝』で初めて知ったと思っていたものの、恐らく既に先生の書かれた文章は読んでいたと思われました。

 自覚の無いうちに縁が結ばれていることって、結構あるんですよね~?

 例えば、私の本を出して戴いているアスペクトの担当編集のSさんは、郷里が長崎ということで「あ~、私は天草だから長崎だと近いですね~」と言っていたら、実は本籍地が天草の御領というところで、何と私とまったく同じだったのです。流石にこれはちょっとたまげましたよね~。だって、天草の中でもごくごく狭い土地なんですから・・・。


 それにしても、「利根川先生は穏やかで少しも武張ったところのない先生で・・・」と評されていた稲吉先生は驚かれたのではないかな~?と思ったんですが、かなりヤバ目の武道界裏話のような話をされていたのは、何と言いますか・・・同じ周波数?同士の人間の話だとそうなってしまうものなんですよ。

 私も聞き役に徹していようと最初は思っていたんですが、調子に乗って、ついつい喋ってしまいました・・・。あ~、やっぱり武術業界の有名な大先生達のダメダメ話って面白過ぎる・・・。

 そういう意味では利根川先生は私を気に入ってくださったのかな~?と思いますが。

 まあ、残念ながら公開することはできないような話ばかりでしたので割愛します。ごめんなさい・・・。

 ただ、一つだけ・・・。

 いつも、いろんな武道の先生と会った時や、セミナーや講座に来られた方から聞いたりする話なんですけれど、甲野氏の意味不明な傲慢な対応に不愉快な気持ちになった人がかなり多いみたいです。

 奇しくも、利根川先生も親しみを込めて手紙を書かれたそうなのですが、何を勘違いしたのか大変傲慢な上から目線の対応をされて不愉快な思いをされていたそうでした。

 ちなみに甲野氏より利根川先生の方が十歳くらい年上の筈です。普通に失礼ですね?

 それをお聞きしたので、少しばかり甲野氏の面白惨敗話をしました。

 利根川先生も唖然とした顔で何も言われませんでしたけど、若い頃から海外に空手や体術の指導に赴き数々の真剣勝負を経験された方からすれば、あまりのヘッポコぶりに絶句するしかなかったでしょう。

 だって、仮にも世間的に最も名前の売れている武術家が、下手すると素人の喧嘩慣れした人間にすら勝てないような人物だというのは、にわかに信じられないでしょう。

 空手の世界だったら、まずあり得ないと思います。空手家でそれなりに名の有る師範が素人とタイマンで負けたという話はほとんど聞いたことがありません。まあ、泥酔していたとか、不意打ち食らったという話ならありますが・・・。

 でも、甲野氏の場合、彼お得意の状況設定を抜きにして“まともに”手合わせして勝った話は一つも聞いたことがありません。

 つまり、まともに戦えば連戦連敗!という凄まじい負けっぷりを晒しているのです。

 もはや、武道界の都市伝説と言わざるを得ません。

 いや、もはや、これは嘲笑するレベルではなく、技量が無くても演技術だけで武術の達人になりおおせたという一点で、アッパレ!と称賛されるべきかもしれません・・・(真面目に受け取る人もいるので一言・・・皮肉ですから)。

 未だに、私のところに来られる方のかなりの割合で、甲野氏によって古武術を知ったという人がいらっしゃいます。

 何とUSA支部長と幸手支部長も、最初は甲野氏の本で研究していて私の存在を知り、「何で長野さんはこんなに甲野先生のことを批判するのかな~?」と思っていたそうで、それで思い切って私のセミナーを受講し話を聞いてみて、「なるほど、それは批判する筈だ」と納得したそうでした。

 誤解しないで戴きたいのは、私は別に甲野氏が弱いから批判しているんじゃありません。嘘をついているから批判しているんです。それだけのことです。

 ただ、その嘘のつき方がハンパ無くて大衆を洗脳していく手腕に長けているから、「このオッサンを野放しにしといたら世の中に間違いを広めるだけだな~」と思って、徹底的にバッシングしてきている次第です。

 例えば、“ナンバ走り”という彼の造語が一人歩きをしてしまい、「江戸時代以前の日本人は走ることができなかった。現代の日本人の歩き方や身体操法とはまったく違っていた」という説を広めてしまいました。

 しかし、これはあくまでも仮説でしかなく、私だけでなくいろんな分野の人が疑問を呈しています。

 私も通っている小説家養成講座でナンバ走りについて質問されたんですが、「真っ赤な嘘です。私の元の師匠が自分の説を広めるために捏造した論です。そもそもナンバという言葉は武術の言葉ではなく日本舞踊や歌舞伎に伝わる専門用語で一般の言葉じゃありません。それに歩き方や走り方に~~歩き、~~走りなんて言わないですよ。明治以降に西洋式の体育が教育されて変わったという説も怪しい。それならかなり後の世まで女性や高齢者は以前の歩き方をしていた筈でしょう。着物や履物が変わって生活様式が変化するのに合わせて変化したと考えるのが普通でしょう。また、武士の歩き方に近いのは能の動きでしょうね・・・」とお答えしました。

 結局、甲野氏に擦り寄っていった人達が特殊な理論を持ち上げて独自性を主張しつつ、それが江戸時代以前の日本人の本来の動き方であるという民族的優性論の権威付けに走った。そして、それにメディアが乗っかって持て囃した・・・というのが真相でしょう。

 私も武術がクローズアップされることには正直、有り難いという気持ちはありますが、間違った評価は後世に悪癖を残すことにしかなりません。だから、間違いは正していくのが研究家の使命だと思っています。

 いろんな人から「長野さん、やめなさい! 君の“損”になるだけだから・・・」と言われるんですが、私は自分の損得でやっているんじゃないんですよ。間違ってるのを「間違ってるぞ!」と指摘してきただけの話です。

 ここを譲ったら私は存在価値の無い人間になると思っています。

 まっ、心情としては、「悪・即・斬!」ですよ~。

 それに・・・武道武術の世界は、甲野氏のような新興宗教の教祖様になるべきだったのが間違って武術やってしまった・・・みたいな人とは違って、表に知られていない優れた人が少なからず居るものです。そうした人物をきちんと評価して紹介していくのも研究家としての私の仕事だと思っています。

 恥知らずがのさばる業界になれば、遠からず日本武術は信用を失い文化としての伝統は形骸化していくだけでしょう。

 私は正直、もう武術関係者に改めて知り合いを増やすつもりは毛頭ありません。

 それでも縁あった方であるなら、それは必ず何らかの意味がある筈だと思っています。

 余談ながら、先日、深夜番組で“侍マニア”として抜刀試斬の世界で有名な町田の籏谷先生が出演されていたのを、たまたま拝見したんですが、もう“お笑いの対象”にされてしまっているんですね~。

 動体視力を鍛えるためにピッチングマシーンから飛んでくる玉を避ける練習をされていて、たまたま当たってしまったシーンを使って“単なる変人”みたいな扱いで紹介されていたのですが・・・籏谷先生もお弟子さん方も、これを見てガッカリされたんじゃないかな~?と思いました。

 試し斬りのシーンは下から斬り上げて、空中に浮いているマキワラをもう一回両断してのけるという素晴らしい技を見せられていたのに・・・難しさが判らないキャストは触れず、玉が当たったところだけで「あれって真剣だったら真っ二つですよね~(笑)」みたいに言われてしまい、本当に気の毒になってしまいましたよ。

 甲野氏と比べれば剣の腕は遥かに上なのに・・・。

 TVはTV向きのキャラを探して出すのが常で、真面目な武道家も変人枠に押し込まれるのがオチですね。

 私も昔、TV番組の制作会社(テリー伊藤さんのところ)から「真剣白刃捕りをやってくれ」と電話があった時はやんわり断りましたが、コレを見て、やっぱり断って良かったんだな~と思いましたね。


 話があさっての方向にいってしまいましたが、利根川先生の武術研究成果は私にも学ぶところが多々あるようでした。話の中でさりげなく繰り出される手法も見事で、これは素晴らしい先生だと直感しました。

 過日の渡辺先生の御指導を受けた時も思いましたが、世に知られてこなかった優れた先生に会わせてもらっているのかもしれないな~と思っています。

 メディアに出る人物にはかなりのパーセンテージで偽者が含まれている・・・ということは判っていましたが、そんなに有名ではないけれども知る人ぞ知る・・・という先生方を紹介していくことも広く武術文化の価値を知らせる一助になると思います。

 これは研究家としての御奉公だと思っています。


PS;近日中にインターネット動画の番組に出演することになりそうです。どうせ、悪意をもって荒らそうとするヤツが居ると思いますので、皆様、どうぞ、お助けください。
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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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