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二月セミナー報告

 二月の月例セミナーは、“伸筋技法と軸”でした。

 よく、打撃系武道・格闘技をやっている人は、「脱力、脱力と言うけれども、本当に脱力したら力なんか出ないんだ。武道として正しい脱力というのは、屈筋の力を抜いて、伸筋を使うことなんだよ!」と力説される方がおられます・・・。

 はっきり言って、大間違い!

 脱力技法は、文字通り、力を抜いて抜いて抜き切って、軟体動物のようになってこそ真の威力が得られます。

 何故なら、真の威力とは、重力を利用するからです。

・・・ということを言い続けてきていたら、最近は「重力を使うんだ!」と言い出す方も出てきまして、よかったよかった・・・と思っております。

 とにかく、“鍛える”という行為を根本から再検討しないと、日本の武道・格闘技は衰退してしまいますよ。

 やっぱり、私は日本武道の奥義は合気かな~?と思いますし、その合気を解明していくと、脱力技法に行き着くと思いますね。

 なので、今回のセミナーは、伸筋技法と銘打ってはいますが、実は、「伸筋技法の一大欠点」について教えようと思っていた訳です。

 伸筋技法の長所としては、“全身の筋肉を繋げて威力を伝えることができる”という点があり、これは主に腕の外側・背中・脚裏の筋肉を繋げて使うことで、地面を蹴り込む力を伝導させて威力を出すボクシングや形意拳、時津流自成道の打拳などの原理となっています。

 これは、実際、非常に強力な打撃力が出るので、うちの大石総教練なども気に入って、指導したりしています。

 また、解りやすいんですね。メカニズムが。

「全身の筋肉を繋げて一本の槍で貫くように突く!」なんて説明したら、スゲー!って思うでしょ?

 実際、貫通力を追及した新体道の統一体の突きなんかも原理的には同じなんです。

 こと、貫通性のある突き技に限れば、これは非常に合理的なんですよ。

 しかし、私はこの突き技は自分ではほとんど使いませんし、会員にも推奨しません。

 どうしてか?というと、攻撃力は出るけれども防御力が低いからです。

 つまり、弱点を攻められたら冗談みたいに通用しなくなってしまうからです・・・。

 以前、私は青木先生とお電話している時に、「新体道の統一体の突き技は評価していません。何故なら、僕には通じませんから・・・」と、はっきり申し上げたことがありました。

 もちろん、電話口からは穏やかならぬ気が伝わってきましたが、私は続けてこう言いました。「僕が新体道が凄いと評価しているのは、養気体の動きなんです。あのグニャグニャな状態には普通の打撃技は効かないし、あそこから攻撃されると対処できない。形が無いから攻防のやりようがないですよ」と・・・。

 新体道をやっていた方が入門して来られた時も、恐らく、私のこういう発言が気に入らなくて目にもの見せてやろう?という意識があった様子でしたが、実際に統一体の技がまったく通じないので非常に驚かれていました。

 これが、前に説明した閉気裁脈法なんですね。

 中国武術式に説明すると、勁道を遮断してしまえば威力が伝わらなくなる・・・それだけの話なんです。

 もっとも、この弱点を克服して統一体で打ち抜く打撃技も私は開発していますが、これはまだ広める気がないので割愛します。ヒントだけ書くと“間合”。これ以上は会員にしか教えません。

 そんな訳で、伸筋技法を教えた後で、その破り方を指導したので、参加者も面食らったみたいでした。

 でも、物事には表と裏があります。万能の技なんか存在しませんし、武術というのは、常に相手の裏をかいて、いかにして打ち破るか?という戦術を考えない人間は大成しないんですよ。

 この点、日本の武道・格闘技を学ぶ人達に最も欠けているのが、自分で研究発展させるという意識でしょうね?

 はっきり言って、どんな達人に学ぼうが、ボンクラはボンクラです。

 これは、実際に学んでいる人達なら解るんじゃないでしょうか? 先生は達人なのに、自分も先輩達も、ちっとも先生のような技ができない・・・。

 そんな道場が圧倒的に多いでしょう?

 だから、私は流派だの会派だの段位だのは全然、参考にしていません。

 ただ、その人が体得して駆使できる技と戦闘パターンを解析して、その人が最も苦手とする戦闘法を選んで対処する・・・そうすれば、嘘のように簡単に勝てるんですね。

 皆、勘違いしているんですよ。強いから勝つんじゃないんです。勝負というのはジャンケンみたいな構造があるんです。それを読んで、相手が実力を発揮できないようにすれば素人が10年20年やっている相手を破るのも少しも難しいことじゃないんです。

 同じ戦い方をするから、その戦い方に熟練している方が有利になるんですね。

「同じ戦い方で技量を競うのが武道だ!」って言いたい人は、トーナメントなどが沢山あるんですから、そこに出場して腕を競えばいい訳ですよ。

 私が追究しているのは武術であり、命がかかった戦闘状況をいかにしてサバイバルするか?という方法論と技術を研究しているので、競技上の強さなんか求めていません。

 だから、ナイフも日本刀も銃も研究してる訳ですよ。目的意識の違う人からアレコレ文句言われても意味がないんですよ。

 私の考える実戦とは、“ストリートから戦場まで含めた殺し合い”であり、素手で格闘して強いの弱いのと論じるようなレベルではないからです。

 護身術という観点も、電車内の痴漢程度と、ストーカー殺人犯だと全然、意味合いが違うでしょう?

 純粋に格闘競技者から始まった『グラップラー刃牙』が、“実戦”という概念を広げていったのは、作者である板垣さんの思想的深まりが影響したのは明らかでしょう?

 私の目下の関心は、“北朝鮮や中国の特殊工作隊が侵入してきたのに遭遇した場合”とかの戦闘にどう対応するか?ということであって、素手の技の強いのどうのって論議はもう馬鹿臭くって、やってらんないですよ。

 警察官や自衛隊員も個人的に勉強しに来られていたんですが、彼らも不安な訳です。マニュアル化された武道や格闘技、射撃術などで対処できるんだろうか?と・・・。

 まず、戦闘に対する意識が違うから、いざ実戦になった時に日本人が銃の引き金をためらい無く引けるでしょうか? 私は、恐らく、無理だと思うんですよ。

 平和な状況が当たり前の日本で生まれ育って、銃で人を撃つなんてできないでしょう。

 中国や北朝鮮の脅威が強まって、憲法改正をしたとしても、長く平和な時期を過ごした日本人に命の取り合いができるでしょうか?

「戦争になっても勝てる!」と日本の自衛隊の装備を自慢したところで使うのは人間ですからね。日本人がためらい無くバンバン撃てるとは思えないですね。

 それがいいとか悪いとかの話じゃありません。撃てない人間の方が望ましいんです。

 今、武術を学ぶということは、ただ、「強くなりたい」という抽象的な願望ではなく、「人間は何で戦うのか?」という哲学的思索を具体的に体感していく一つの在り方なんだと思うんですね。

 そして、戦いについて考える時に、「戦い方の正解なんか実はどこにも無い」ということに気づく必要があると思います・・・。


 セミナーが終わって、夕方から、つばさ基地の新年会にお呼ばれしていたので、いつもの喫茶店で長々とダベッていました。

 今回は高校生が3人も居たので、なんか面白かったですね。親子くらい離れた年だとジェネレーション・ギャップがあるからな~。


 新年会は池袋の東急ハンズの裏側の居酒屋さんだったんで、北島師範・千葉師範代と三人で行きましたが、何か、物凄い久しぶりに来た感じでしたね~。

 20代半ばの頃には、ちょくちょく来ていて、終電が無くなって高層ビルの下のベンチで野宿したこともありましたよ。

 友達が練馬に住んでいたんで、よく遊びに行ったもんです。

 つばさ基地との交流も、もう6~7年になりますかね~? 何か、生徒さんの総数は2000人くらいになってるらしいですよ。

 この新年会もお店貸し切りで70~80人くらい居たみたいです。

 あっ、そうそう。つばさ基地が“もやさま”に出るらしいです。筋肉番付やマッスルミュージカルでおなじみのひばりさんのシノビックスの教室が取材されるみたいですよ。

 12時くらいまでやってるそうでしたが、9時に新宿駅で個人指導予約されてる地方会員と待ち合わせしていたので、我々は8時20分くらいに失礼しましたが、今年はつばさ基地と自主映画コラボしようと企画していますので、お楽しみに~。


 さてさて、9時少し前くらいに新宿の小田急線の駅で待ち合わせして地方会員で不動禅少林寺拳法の先生であるKさんと合流し、小田急急行で帰りました。

 前日に研究室に布団一式買って運んでおいたので(いや~、腕がパンパンになったよ)、Kさんには泊まってもらって、翌朝に個人指導しました。

 基礎錬体のチェックから始めて、差し手技法、拳銃の撃ち方、棒手裏剣の打ち方、無刀捕りと指導しました。

 特に手裏剣は筋が良くて、三本同時打ちも教えたら、できるようになりましたね。最初からできる人は少ないんですけどね。

 使ったのは、ホームセンターで買ってきたコンクリート針でしたが、的にしている畳がボロボロになっていたので、結構、ワラがはみ出た箇所が綿みたいになっていて針を弾いてしまって苦労しましたが、これは布テープ貼ってやればいいかな~?と・・・。

 ちなみに不動禅少林寺拳法は、かなり分裂独立していて関西を中心にフルコンタクト空手界で活躍する流派会派がいくつもあるみたいですね。

 私は、その中の巍櫻流拳法を一度、体験入門させて戴いたことがあって、非常に勉強になりました。

 やっぱり、武道は男のロマンだよな~?と思いますね。

 地方会員さんで集中特訓したい方は、宿泊もできますので、ご利用ください・・・。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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