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黒田先生は、やっぱり甲野さん嫌いなんだろな

 黒田鉄山先生が『秘伝』の連載で、「ナンバって何ですか?」と、古武術用語にナンバという言葉が無いことに触れていたのは何年か前だったと思います。

 以前から「黒田先生は甲野さんを嫌っている」という噂を聞いていたんですが、さもありなん・・・と思いましたね。

 まあ、好きとか嫌いという以前に、甲野氏の発表している内容は、その場その場で「こんな発見をした!」と言っているだけで、客観性に欠けるものでしたし、伝統的な武術を継承している師範方からすると、鬱陶しいでしょう。

 無論、何が正しいのか?というのは、武術の場合、戦って勝った方のやり方が優れていると言える訳ですが、それとても技量の問題もあるし、戦術的な問題もあるので、原理的には、「どっちが強い」といった論議は不可能なんですね。

 けれども、甲野氏が「刀の柄は本来、両手の握りを寄せて持つものだ」と言い出した時は、「こりゃあ、いろんな先生から反論が出るだろうな~」と思ったものでした。

 そして、案の定、黒田先生も名指しこそしていないものの、柄の持ち様について甲野論に真っ向から反論する形で『秘伝』の連載記事中で書かれていました。

 私は、この論議に関しては、黒田先生の言っていることが正しいと思います。

 甲野氏が昔の武者絵や伝書の絵を参考に研究を重ねることを、一概に否定はしませんが、まともに考えれば、両手をくっつけて柄を持つのは技の変化を殺してしまって不合理でしょう。

 日本の伝統的な絵画の手法が、写実的なものではないことは小学生が見ても判ることですし、伝書に描かれた絵だから正確か?というと、これまた恐らく違うと思います。

 何故なら、伝統的な武術流派は本来の技の用法は口伝で信頼できる弟子にだけ伝えるのが一般的なセオリーであり、誰が見るかもしれない伝書にそのまま描くとは思えないからです。

 限定された状況で技を試すのも、技の構造を知らない相手に通用しても何の証明にもならない訳です。

 それは、一回限りの戦術的勝利に過ぎないからです。

 身体操作法として合理的だから正しいか?というと、これまた、ちょっと違います。

 それは、普通の人間と修行で錬成された人間では身体性そのものが大きく異なるからです。

 例えば、日本人が撃つにはSIG-P230が最適として警察に採用されましたが、欧米の警察では威力が足りないとされ、9mmパラベラムのベレッタM9などが使われたりしましたし、それでも威力が足りないから・・・と、COLTガバメント.45にするアメリカ人も多いとか?

 要は、個人差がある訳です。

 私が創始した游心流も、合う人は短期間に驚くべき進歩をしますが、合わない人は、何年やってもさっぱり上達しない・・・なんてことが現実に起こります。

 万人に合うやり方なんかあり得ないのです。

 もし、有ると思っている人がいたら、それは思い込みでしかなく、実際は誰がやっても毒にも薬にもならない程度のものでしかありません。

 そうそう、思い出しましたが、昔、私が甲野氏の秘技“無拍子打ち”を打ち破った時、「これから打つから、防いでみなさい」と甲野氏が言うのに対して、私は無視してビンタをバチバチ入れたんですね。

 そうすると、甲野氏も悠長に無拍子打ちなんて出してるヒマが無くなってしまった訳です。

 相手が防御するのに徹してくれるからタイミングを取らせないようにして打つ技が通用する訳で、防御しないで攻撃してこられたら技なんか出せなくなる訳で、こういうことが現実に戦うということに繋がっていく訳なんです。

 私が甲野氏を批判してきたのは、こういう“まやかし”を延々と続けているからです。

 だからこそ、甲野氏自身は戦闘の技量が上がらずに、堂々巡りをしながら達人風パフォーマンスを次々に工夫して演じてみせるしかなくなってしまった訳です。

 要するに、フェイクなんですよ。彼は・・・。

 戦闘の技量を確実に上げるには、やはりフリースパーリングのような練習を積み重ねる方が確実ではあるでしょうね。これは、バキのモデルにもなっていた平さんが力説されていますが、特に間違いではないと思います。

 ただし、そのやり方だと個人差が明確に広がるんですよ。

 よって、私は誰もが戦闘能力を高める極意としての“読み”の能力を高める研究をしてきた訳です。技量の差を克服するには、これしか無いと思います。

 この辺の事情については、バキの作者の板垣さんも興味があったんでしょうね? 作中でいろいろ分析して描かれていましたから・・・。

 読みを高める訓練に絶好なのが、剣術だと私は考えた訳で、改めて新陰流転會に入門させて戴いたのも、その考えの延長だった次第です。

 そして、“読み”の最高峰が青木宏之先生だと私は思っており、だからこそ、常々、絶賛している次第です・・・。


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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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