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亡き父の夢を息子が・・・

・・・ってことは、結構、仇討ち物の話によくありますが、武術の世界でも、神夢想林崎流居合術の林崎甚助、柳生心眼流の竹永直人、田宮流居合術の田宮坊太郎などが、殺された父親の仇を討ったという逸話が伝えられています。

 リドリー・スコットの1989年の作品『ブラックレイン』の公開直後に膀胱癌で急逝した松田優作は、この作品で演じたヤクザ“サトー”の演技が高く評価され、ハリウッド映画のオファーが殺到していたそうです。

 その中には、彼が敬愛する名優ロバート・デ・ニーロとの共演の話もあったそうで、優作さんは非常に喜んでいたそうでした。

 そもそも、松田優作という俳優は、日本映画界の切り札的な存在感を持つ俳優で、唯一絶対のオンリーワンの俳優でした。

『太陽にほえろ』のジーパン刑事でTVの人気者になり、『俺たちの勲章』の中野刑事や『大都会パート2』の徳吉刑事、『探偵物語』の工藤探偵といった役柄で日本のハードボイルド役者のようなイメージがありました。

 しかし、本人は映画への強い思い入れを持ち、『狼の紋章』『竜馬暗殺』『人殺し』『あばよダチ公』『暴力教室』などの初期の出演作品の頃や、当たり役となった殺し屋“鳴海昌平”が活躍する『最も危険な遊戯』『殺人遊戯』『処刑遊戯』などはシティハンターの原型かもしれません。

 映画俳優としてのイメージを決定付けたのは、角川映画『人間の証明』『蘇る金狼』『野獣死すべし』『探偵物語』でしょうが、『俺たちに墓はない』『乱れからくり』や、『ヨコハマBJブルース』などのアウトローも捨て難い魅力があります。

 演技派を志向してからの『陽炎座』以降は、脱アクションを試み、評価を高めた『家族ゲーム』や『それから』『嵐が丘』『華の乱』などに主演していきますが、ファンが観たいのは、やはりアクション物であり、唯一の監督作品となった『ア・ホーマンス』の独特の映像センスは、再評価すべきでしょう。

 TVでも、和製ボニーとクライド物の『熱帯夜』や、『春がきた』での演技などが思いおこされますが、芸能界には多いものの、在日韓国人二世であり、また遊郭で生まれ育ったという複雑な家庭環境からくる精神の闇(差別への恐れ)との戦いをずっと続けていたような気がしますね。

 松田優作の顔には、どこか他人とは打ち解けられない孤独の色が感じられ、それがまた若いうちから哀愁を滲ませていたような印象がありました。

 だから、人一倍、承認欲求が強かったのかもしれません。

 彼がハリウッドに拘ったのも、人種のるつぼであるアメリカならば、人種的偏見を気にしないで実力で勝負できると思っていたからかもしれません。

 そして、俳優としての伝説的存在であるロバート・デ・ニーロとの共演の話は、彼にとって最も喜ばしいものであったに違いありません。

 もちろん、ファンにとっても、日本の俳優の代表として松田優作がアメリカの名優と五分に渡り合う作品が見たかった・・・。

 あれから23年が経過し、伝説の俳優となった松田優作の息子たちは、若手実力派俳優としてTVや映画で活躍しています。


 TVを見ていて、突然、画面に優作の息子、松田龍平と、ロバート・デ・ニーロが並んで出ていて驚かされました。

 CFではありますが、父が果たせなかった夢を、息子が果たした瞬間。

 何と幸福なことでしょう。

 恐らく、キャスティングの段階で意図的に進められたのでしょう。天国で優作も喜んでいるのではないでしょうか?

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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