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ジャパンアクションアワード

 日本のアクション映画に関する表彰をしよう!ということで、今年から始まった『ジャパン・アクション・アワード』が、19日に新宿Faceで開催されました。

『映画秘宝』で告知されていて、香港アクション大好きの小塚師範代からも連絡があったので、二人分チケット買っておいてもらって、出掛けてきましたよ。

 開催に関しては高瀬道場の皆さんが中心になっているらしく、司会の高瀬先生と、幕間の殺陣は森先生、ちょっとお茶目な技闘は加賀谷先生が・・・と、単なる表彰式には終わらないアクションの祭典に相応しいイベントになっていました。

 私は、若駒の林先生、JAEの西本先生には以前、取材でお会いしたことがあり、また、谷垣監督とも先日のイベントでお会いしました。

 もちろん、高瀬道場の技芸会や公演には毎度のようにうかがっております。

 だから、観客というより気分的には身内のような感覚だったんですが、ふと思ったのは、「何で、これまで、こういう式典が無かったのかな~?」ということであり、「本来、日本アカデミーなんかで表彰すべきだったんじゃないのか?」という思いも強くありましたね。

 例えば、いつも書いてることですが、雨宮慶太監督の作品が日本アカデミーで評価されることは無かったのに対して、今回は肘井美佳さんとアクション・コーディネーターの方が表彰されていて、私は溜飲を下げることができました。

「COOL JAPAN」を海外に広めていこうとしている時期に、アニメ・漫画・ラノベ・特撮はメインのコンテンツになる訳ですから、特撮ジャンルの第一人者である雨宮監督を無視するような態度を邦画界が続けているのは物凄く損失になると思うんですね。

 そして、クールジャパンの各分野に跨がっているのが、アクション(活劇)であるという事実にも気づいていない・・・。これは本当に愚かなことだと思います。

 日本刀のブレードアクションに対する海外の映画人の憧れに気づいていないのは、本当に愚かしいことです。『スターウォーズ』が黒沢時代劇にインスパイアされているのは有名なことでしょう?

 黒沢の椿三十郎とリメイク版の椿三十郎の決定的な差がどこにあったのか?というと、それは、日本刀の戦いに対する殺気のぶつかり合いだと思いますよ。

 あのラストの柄をからませての攻防は、武術の表面的な技の形を頭でっかちになぞってしまい、リアルから掛け離れてしまっていましたが、武道のテクニックばかり使おうとして実戦の気迫や戦術がごっそり抜け落ちてしまった失敗例でしたね。

 小学生でも、「あんなことするより殴った方が早いじゃん?」と気づきますよね。

 ケンカ一つやったことのない人間が武道や武術を稽古していると、物凄く妙な戦闘法を思いついたりするものです。ヤンキーに笑われるのも無理ないでしょうね?

 どうも、最近、思うのは、武道をそこそこやってきているのに向かい合ってもちっとも殺気が出ない人が多いんですね。

 達人が殺気を内に静めているのとは全然違っていて、そもそも戦闘に対する覚悟が無い訳ですよ。こんな人達がどれだけ技を体得しても、実際には使えないと思います。

 殺陣の上手下手も、テクニックだけの問題ではなくて、この意識の乗り方があるかないかで、まったく違って見えると思いますね。

 近衛十四郎や若山富三郎先生は本当に人殺しそうな気迫が出てたりしてましたよ。

 やっぱり、時代劇のヒーローで上手い人は、「このヤロー、叩っ斬ってやる!」という気迫を瞬間に凝縮させて表現できる人だと思いますね。


 時代劇の大御所である里見浩太朗さんも最高顧問で来られていて、数多くの時代劇や現代劇のアクション物で悪役を演じられてきた内田勝正さんと、高瀬先生が質問する形でトークショーもあり、実に興味深いお話が聞けました。

 特に時代劇に関しては昔の侍の所作とか、いろんな知識が伝わっているんですね。これは文化としてもっと保護されるべきだと思いますね。

 日本アカデミーはTVでも放送されていますが、今回の式典を放送した方がずっと楽しいのにな~?と思ったのは私ばかりではないでしょう。

 今回、多くの部門を『るろうに剣心』が取っていましたが、谷垣監督はチームワークの勝利を強調するようにスタッフの名前を列挙していて微笑ましくも男気を感じさせてくれました。

 そうなんですよね~。映画って、一人じゃ作れないですからね?

 無論、監督の作品であるとか、プロデューサーの作品である・・・といったことを否定はしませんが、多くのスタッフとキャスト、そして何よりも作品を観て評価する観客も含めた総合芸術であり究極のエンターティンメントだと思います。

 せっかく作っても日の目を見れない作品も少なくないそうですが、実にもったいないことです。

 アクション映画というと特殊な分野のように感じられるかもしれませんが、活劇映画は映画の原点なのに、日本ではそれを忘れているように思えてしまいます。

 でも、人気がある作品って、実はアクション主体の作品ばっかりなんですよね。

『ドラゴンボール』『北斗の拳』『ワンピース』『ナルト』『ブリーチ』・・・。

 アクションが主体でなくとも、アクセントとして凄いアクションが入っていたりすると、「あのドラマは面白かったな~」と記憶に残る場合があります。

 逆に、アクションがショボイと全体がダメに思える作品もあります。

 特に時代劇で殺陣がつまらないと、どんなにドラマが充実していても駄作に思えてしまいます。

 最近は、何でもCGで表現しようとして妙なアクション演出をしてしまう場合が多くて、残念になってしまったりしています。

 そういう風潮にガチンコ勝負をかけるような気合の入ったアクション映画を作ろうという人達が、このイベントには集まっているんだな~?という熱気を感じましたね。

 倉田保昭先生に、シンシア・ラスターこと『バイオマン』のファラキャットでデビューした大島由香利さんも居たし、『ハイキックガール』でデビューして以来、快進撃を続ける武田梨奈さんは最優秀アクション女優賞を貰って号泣していたし、会場に来れなかった人達もビデオレターで挨拶していて、非常に暖かい雰囲気のイベントでした。

 監督さんも、崔洋一監督、犬童一心監督、大友啓史監督が来られていて賞状のプレゼンターをされていました。

 司会は、高瀬先生と、飯干景子さん。しかしま~、飯干さんの司会進行の上手さには舌を巻きましたよ。

 トチッてもユーモアで切り返して逆に盛り上げるし、でしゃばらず巧みに相手を引き立てる話術には、人柄の良さが滲み出てますね。

 谷垣監督のトークイベントの時は一般観客として来られていて、随分、もったいないな~と思ったものでしたが、香港アクション愛の深さが関係者に認められての今回の抜擢だったのではないでしょうか?

 個人的には飯干さんと谷垣監督、高瀬先生のトークライブショーとかやってもらいたいですね。面白そう!

 帰りに林先生が近くを歩いておられたので、「以前、ムック本で取材させていただいた者です」とお声掛けしまして名刺もお渡ししました。

 ちょっと思い出してもらえたみたいでしたが、確か10年近く経過してる筈なのに、林先生は全然、変わっておられなかったですね~。

 さて、お次ぎは高瀬道場の出版記念パーティーだ!

 お楽しみはこれからです・・・

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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