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5月セミナー“丹田”

 月例セミナー五月は、「丹田」がテーマです。

 DVDを購入された方から、「丹田を作ると精神面の効果はあると思っていましたが、あんな強力な防御力ができるとは思っていませんでした」と、北島師範が腹圧で回し蹴りを跳ね返す様子を見て驚かれた感想を頂戴しました。

 実際、丹田を開発して具体的に何がどうなるか?ということは言えないんですね。

 教えたら、即、技として体現できるというものではないので、実感が無い人の方が多いでしょう。

 この、腹圧による打撃技を跳ね返す技は、中国武術の発勁の最高段階と言われる抖勁や、あるいは合気の技の極意と言われる体の合気と原理的には同じであろうと私は考えておりますが、下丹田の膨張する感覚、腹圧の強さが必要なので、鍛えてない人にやらせても怪我をするのがオチだと思います。

 ただし、技術的に類似のことは脱力技法に熟練すればできます。

 うちの場合、鍛えないとできない技では普遍性が無いと考えており、鍛えなくても感覚を体得すればできる技を教えて、その完成度を高めるために丹田の開発をする・・・という稽古体系を研究しています。

 とは言っても、これは私が独りで研究していることなので、皆、知らずに練習していて、いつの間にか体得している・・・という具合になっています。

 私が自分を研究家と名乗ってきたのは、実は非常に大きな野望があるからなのです。

 それは、まず、既存の武術技法の解明。

 発勁・合気・縮地法・読み・交叉法・・・等の高度な秘伝技の技術の完全解明。

 はっきり言って、この段階はもう完了しました。

 この上、研究すべき理論はありません。

 あっ、でも誤解ありませんように・・・。私は、これらを公開する気はさらさらありません。それをやれば武道業界がメチャクチャに混乱するのが目に見えているからです。

 縁のあった人を選んで段階的に指導する・・・ということを今後は一層、徹底的にやろうと思っています。

 ただ自分の実力を上げたいというだけの人には教えません。そんな程度の人間は中途半端に強くなったと勘違いして自滅するのがオチだからですし、残念ながら、そうなった人間が何人も過去に居たからです。

 無論、私はそういう人には途中から肝心なことは隠して教えませんでした。が、一度、自惚れてしまうと自分のレベルも相手のレベルも見えなくなるものです。人間、自惚れて自分が最高だと思った瞬間から我知らず技量が落ちていくものです。

 何故なら、技量を支えているのは肉体ではなく精神だからです。邪念がわいた段階で技の質は曇っていくものなのです。

 顔色が変わるという言葉がありますが、心の動揺は顔色に出ます。どんなに否定しても本音は表情に現れます。

 私は、他人の言葉は信じません。むしろ、表情を観察しています。表情に嘘が無いかどうかを確かめれば済むことです。

 自分自身をマインドコントロールして心の動きを表情に出さないようにしている人間も居ますが、それは能面のような不気味な顔付きになるので、ハラに一物あることが逆にはっきり判ってしまいます。

 武術家のレベルを知りたかったら顔をよくよく観察することです。

 有名な武術家の多くが、ナルチシストなのがはっきり判るでしょう。

 最近、よく言われるのが、「長野さんは誠実な人だ」という言葉ですが、私は、他人に対しては嘘を言うこともありますが、自分に対しては絶対に嘘は言いません。自分の本心に嘘をつかないでいることが、もっとも気持ちよくいられるからそうしているだけです。

 人付き合いをしていても、相手に対して厳しいことも指摘する人の方が、ずっと正直で信頼できる人柄である場合が多いものです。

 が、それもテクニックでやっている狡猾な人間も居ますから、安易に信用するのはよくないでしょう。

 武術の技はだまし合いが前提なので、逆に相手の本心を観抜く眼力が重視されます。

 ところが、そういう眼力のある人というのは案外、少ないものです。

 凄く眼力があるのに、容易に人から騙されてしまったりする先生も居ます。それは眼力とは別に愛情が深いからだったりもするので、一概に否定したくはありませんね。

 武道・武術の先生というのは、大概、自分の学ぶ流派以外にはまったく目もくれないものです。

 ですが、自分の学ぶ流派なら詳しいか?というと、そうとも言えないのです。

 何故なら、どんな流派も、突然、無から成立した訳ではなく基盤になる流派があったのですし、分派した流派もあるでしょう。

 私も習った人は20人を越えますし、齧った流儀も70は下りません。本や映像で研究した流派となると数百を確実に超えます。

 それらを整理して游心流を興した後も、無数の流儀を研究してきましたから、どの流儀が優れていて、どれが劣っている・・・みたいな論議は無知な人間の妄想に過ぎないと思っています。

 例えば、空手を例にしてみても、ある伝統派空手道の~流を学んでいる人は、それだけが優れていると考えている場合が多いものです。

 よく言われるのが、「フルコンタクト空手は空手の原理を理解していないから空手とは言えない」という論議ですが、これなんかは私は「まったくもって正しい。ただし、フルコンタクト空手はより進化して発展していく可能性がある新しいカラテと言えるだろう」と思っていますね。

 そもそも、本土に渡って以降の空手は、琉球の秘密拳法だった頃の“手”とは戦闘理論からしてまったく別物になったと思います。

 何故なら、“手”は突き蹴りだけで戦う武術ではないと思うからです。

 空手道は、競技形式に合わせて技術体系を別個にしてしまったために、形の本来の意味が不明確になってしまいました。

 逆に、琉球の“手”も、本当に中国武術とまったく別に発生したとは考えにくく、中国源流であろうことは明白でしょう。

 これらの考証は、日本のみならず、東アジアから東南アジアに伝わる伝統武術を幅広く比較検証してみればよいことです。

 それをやろうともせずに、「空手は日本伝統の武道である!」と、白い道着に黒帯を締めることを権威として語ることは、オツムの低度が知れるというものでしょう。

「テコンドーが空手の源流だ」と偽説を称える韓国を笑えませんね。

 琉球の“手”が、薩摩藩の支配に対する抵抗の武術であったという事実を知るなら、本土に渡って以降の柔道を真似た白い道着に黒帯を締めるスタイルに対する遠慮があってしかるべきだろうと私は思います。

 少なくとも日本人が空手を学ぶなら、琉球の歴史、沖縄の歴史に関して勉強するくらいはやるべきでしょう?

 自国の文化を大切に思うのなら、他国の文化も尊重する節度ある態度が必要ですね。


 ちょっと長くなりましたが、既存の武術の技だけならば、私は一通り研究して充分に分析し尽くしたと思っています。

 今は、どんな流派の技を見ても、原理的に分類して、どのパターンを発展させているか?という観点で観ています。

 そして、今後は、これまで無かった武術の可能性を発掘していこうと思っています。

 その軸の一つになるのが、丹田の開発なんですよ。

 上・中・下の丹田を開発していくことで人間の潜在能力がどれだけ引き出していけるのか?・・・それを探るのが、今後の私の課題ですね。

 まずは、武術的にどう役立つのか?ということについて、今度のセミナーでは解説してみようと思います。


PS;高瀬先生より、ジャパン・アクション・アワードの開催は谷垣監督とG0C00の辻井先生が企画し、高瀬道場が手伝ったものである・・・というメールを頂戴しました。誤解がありましたら私の早トチリですので、お許しくださいませ!

PS2;『カリ&シラットDVD、絶賛販売中です! ほとんど100分の長尺ですが、講習会を直撮りしたドキュメンタリー作品ですので、臨場感ありますよ~。カリはいくつか出てますが、日本でシラットのテクニック解説したのは初めてじゃないですかね? 游心流では、今後も知られざる武術を紹介する作品を企画していきたいと思っておりますが、売り込みは基本的にお断りしま~す。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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