六月セミナー“読み”
6月9日の月例セミナーは、『読み』です。
過日、カラテ・ブシドー誌の取材を受けた時に「日本武道の最も特徴的なものは何か?」と聞かれて、私は「それは“読み”です」と答えました。
武術的に言えば、「敵が攻撃しようとする予備動作を察知すること」と言えます。
が、これにはレベルがあって、達人ともなれば、相手が殺気を出した瞬間に反応できたりする訳で、ここまでくると超能力?というレベルになるでしょう。
ところが、名人ともなると、名人の実力を疑ってる人間が試してやろうと画策して名人の前に出ると、何か自分でも解らないうちにボ~ッとした意識になってしまい、ハタと気づいたら、「お前、何やってんの?」と周りの人から言われて、「えっ、俺、どうかしたの?」と言うと、「お前、独りで勝手にムチャクチャに踊り狂ってたけど・・・」と言われて、“ええ~っ?”となった・・・のだとか?
これ、ある人から聞いた体験談です。具体的なことは秘します。
これらを“気”で説明すると全部同じになってしまうんですが、もちろん、レベルも何もかも違う訳です。
武術の研究してきて、オカルト的な方向になってしまうのは致し方ないところなんですが、これは自分で注意していないと後戻りできなくなってしまう人がいるんですね。
専門的になってくると、どうしても気・経絡・陰陽といった古典の理論で説明するしかない部分があるんですが、これらは現代的理論ではないので汎用性がありません。
しかし、専門的に追及すると便利な理論ではある訳です。解る者にとっては・・・。
けれども、専門的知識というのは人によって理解の深さがマチマチなので、プロでも全然解っていなかったりする場合も多く、インチキ詐欺や誇大妄想狂が入り込みやすい“魔境”でもあります。
オカルトは隠秘学と訳されたりしますが、これはつまり、「シークレットはシークレットのままにしておかないと危険である」という戒めを含んでいます。
だから、私は公表できる範囲かそうでないか? 情報を公開することでどういう社会的影響が出るか?ということを、かなり考えるようにしています。
公表してしまえば他愛のない事柄であっても、秘密にしておいた方が良い場合もある訳です。
この辺の判断は難しいです。
武術の世界は、ある一線を越えると宗教的、秘教的な側面になってきますから、単なる身体技法として考えていると誤解してしまう面があるのです。
この辺りが、普通に武道や格闘技をやってきた人達から“神秘系”と揶揄されてしまう点なのでしょうが、武術では知識があるかないかで決定的な差がついてしまうのも事実なので、権威主義に走ってしまう人が多いのも仕方がないところだと思います。
そういう点から、何度も、伝統武術をやっている人達から「忠告」だの「警告」だのと言われたことがありました。
要するに、「秘密をバラすな!」ということだったんですが、私の場合、既に公表されている知識や技術を分析して実験検証しながら「個人的に研究した限りで、こういうのが本来の用法だと思われます」と断って公表してきたに過ぎません。
それが、たまたま、他流で秘伝とされている技だったということでしかありません。
習った技なら、秘匿するのもルールとして守ります(新陰流と制剛流はそうします)が、そうでない以上はよそ様の指図に従ういわれはありませんからね。
さて、それで“読み”ですが・・・私は、これこそいろんな分野に応用できる優れた理合だと思いますね。
人間関係の付き合いでも仕事でも、それこそ世の中の先行きに関しても、あらゆる局面で“読み”の重要性を痛感するばかりです。
以前は、単に観察力の問題だと思っていましたが、そんなレベルじゃあないと思いますね。
観察から洞察力となり、そこから更に対応法まで考えるのが読みを駆使した戦略思考なんだと思います。
ですが、その先には愛情とか思いやり、慈悲心というものの必要性を最近、凄く感じるようになりました。
どうしてか?というと、“読み”を教えても、中には利己主義で利用しようとする人間もいる訳です。
ところが、そういう利己的な人間は自分だけがオイシイ思いをしようと考えて周囲の人の気持ちを考えなくなってしまい、自分の能力に溺れてしまうんですよ。
そして、自惚れ果てた揚げ句に自滅してしまう・・・というのを何度も見せつけられて、あ~、こわいな~と思った訳ですよ。
自分の能力値を上げることしか考えないと自惚れて自滅する・・・という結果にしかならない。
そうならないためには、「人に対する思いやりを忘れないとか・・・そういう純朴な人間の善性をきちんと持っていないと、完全に魔境に陥るな~。ヤバイよね~」と思いますね。
簡単に言うと、権力握ったら人が変わったりする人って居るじゃないですか?
チカラを持つということは試されるってことですよ。
そこまで含めた“読み”について、今回はやりたいと思います。
過日、カラテ・ブシドー誌の取材を受けた時に「日本武道の最も特徴的なものは何か?」と聞かれて、私は「それは“読み”です」と答えました。
武術的に言えば、「敵が攻撃しようとする予備動作を察知すること」と言えます。
が、これにはレベルがあって、達人ともなれば、相手が殺気を出した瞬間に反応できたりする訳で、ここまでくると超能力?というレベルになるでしょう。
ところが、名人ともなると、名人の実力を疑ってる人間が試してやろうと画策して名人の前に出ると、何か自分でも解らないうちにボ~ッとした意識になってしまい、ハタと気づいたら、「お前、何やってんの?」と周りの人から言われて、「えっ、俺、どうかしたの?」と言うと、「お前、独りで勝手にムチャクチャに踊り狂ってたけど・・・」と言われて、“ええ~っ?”となった・・・のだとか?
これ、ある人から聞いた体験談です。具体的なことは秘します。
これらを“気”で説明すると全部同じになってしまうんですが、もちろん、レベルも何もかも違う訳です。
武術の研究してきて、オカルト的な方向になってしまうのは致し方ないところなんですが、これは自分で注意していないと後戻りできなくなってしまう人がいるんですね。
専門的になってくると、どうしても気・経絡・陰陽といった古典の理論で説明するしかない部分があるんですが、これらは現代的理論ではないので汎用性がありません。
しかし、専門的に追及すると便利な理論ではある訳です。解る者にとっては・・・。
けれども、専門的知識というのは人によって理解の深さがマチマチなので、プロでも全然解っていなかったりする場合も多く、インチキ詐欺や誇大妄想狂が入り込みやすい“魔境”でもあります。
オカルトは隠秘学と訳されたりしますが、これはつまり、「シークレットはシークレットのままにしておかないと危険である」という戒めを含んでいます。
だから、私は公表できる範囲かそうでないか? 情報を公開することでどういう社会的影響が出るか?ということを、かなり考えるようにしています。
公表してしまえば他愛のない事柄であっても、秘密にしておいた方が良い場合もある訳です。
この辺の判断は難しいです。
武術の世界は、ある一線を越えると宗教的、秘教的な側面になってきますから、単なる身体技法として考えていると誤解してしまう面があるのです。
この辺りが、普通に武道や格闘技をやってきた人達から“神秘系”と揶揄されてしまう点なのでしょうが、武術では知識があるかないかで決定的な差がついてしまうのも事実なので、権威主義に走ってしまう人が多いのも仕方がないところだと思います。
そういう点から、何度も、伝統武術をやっている人達から「忠告」だの「警告」だのと言われたことがありました。
要するに、「秘密をバラすな!」ということだったんですが、私の場合、既に公表されている知識や技術を分析して実験検証しながら「個人的に研究した限りで、こういうのが本来の用法だと思われます」と断って公表してきたに過ぎません。
それが、たまたま、他流で秘伝とされている技だったということでしかありません。
習った技なら、秘匿するのもルールとして守ります(新陰流と制剛流はそうします)が、そうでない以上はよそ様の指図に従ういわれはありませんからね。
さて、それで“読み”ですが・・・私は、これこそいろんな分野に応用できる優れた理合だと思いますね。
人間関係の付き合いでも仕事でも、それこそ世の中の先行きに関しても、あらゆる局面で“読み”の重要性を痛感するばかりです。
以前は、単に観察力の問題だと思っていましたが、そんなレベルじゃあないと思いますね。
観察から洞察力となり、そこから更に対応法まで考えるのが読みを駆使した戦略思考なんだと思います。
ですが、その先には愛情とか思いやり、慈悲心というものの必要性を最近、凄く感じるようになりました。
どうしてか?というと、“読み”を教えても、中には利己主義で利用しようとする人間もいる訳です。
ところが、そういう利己的な人間は自分だけがオイシイ思いをしようと考えて周囲の人の気持ちを考えなくなってしまい、自分の能力に溺れてしまうんですよ。
そして、自惚れ果てた揚げ句に自滅してしまう・・・というのを何度も見せつけられて、あ~、こわいな~と思った訳ですよ。
自分の能力値を上げることしか考えないと自惚れて自滅する・・・という結果にしかならない。
そうならないためには、「人に対する思いやりを忘れないとか・・・そういう純朴な人間の善性をきちんと持っていないと、完全に魔境に陥るな~。ヤバイよね~」と思いますね。
簡単に言うと、権力握ったら人が変わったりする人って居るじゃないですか?
チカラを持つということは試されるってことですよ。
そこまで含めた“読み”について、今回はやりたいと思います。
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