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レイ・ハリーハウゼン逝去

 特撮の神様が亡くなったというニュースを携帯で読んで、もしや?と思ってはいましたが、やはり、レイ・ハリーハウゼンが亡くなられていました。

 日本で特撮の神様といえば円谷英二ですが、欧米ではレイ・ハリーハウゼンの名前が真っ先に挙がるでしょう。

 円谷英二によってゴジラという着ぐるみ特撮が日本の伝統となったのに対して、欧米ではレイ・ハリーハウゼンの手による人形アニメーションによる特撮が伝統芸となったのです。

 もっとも、人形アニメーション自体は、ウイリス・オブライエンによる『ロストワールド』『キングコング』が最初期のものでしたが、レイ・ハリーハウゼンの卓越した職人芸によって完成されたという意味で、ハリーハウゼンの仕事に関しては特別に「ダイナメーション」と呼ばれるようになったのです。

 わかりやすく言えば、日本のアニメーションに於ける宮崎アニメのような国宝級の位置付けとイメージしてもらえばよいでしょうか?

 日本では人形アニメはあまり発達していませんが、自主映画の世界では結構、挑戦する人もいて、雨宮慶太作品の特技スタッフとして活躍していた小杉和次氏も自主映画からプロになった人でした。

 余談ながら、私も自主映画やってた頃にコマ撮り機能のあるビデオカメラで人形アニメの実験やったりしたこともあるんですよ。根気さえあれば独りでできる人形アニメは、オタク向きの創作分野なんですよね・・・。

 ヤン・シュヴァンクマイエルがよく用いるので有名な人形アニメの一種のクレイ・アニメーションなんて、粘土を使って少しずつコマ撮りしていくので予算がかからず、自主映画向きだったんですね。

 日本では二次元のアニメが進化しましたが、TVシリーズもされた『妖怪伝・猫目小僧』のような紙芝居的な“ゲキメーション”という手法も発明されてディープなマニアに引き継がれています(『燃える仏像人間』というシュールな作品も公開)。

 まあ、海外でアニメーションというと人形アニメを指すのだそうで、デビッド・アレンとかジム・ダンフォースとか有名な人もいたんですが、やっぱり、レイ・ハリーハウゼンと言えば別格の大御所だった訳です。

『キングコング』に触発されてウイリス・オブライエンに弟子入りしたハリーハウゼンは、オブライエン以上の卓越した才能を発揮し、『猿人ジョー・ヤング』で、その力量を広く知られます。

 しかし、どれだけ技術が高くてもキングコングのエピゴーネンと見られてしまうことから、SFファンタジー物に活躍の場を移します。

 SFでは『水爆と深海の怪物』での巨大蛸や、『地球へ2000万マイル』の金星竜イーマ(北欧神話の巨人イミールから採った)、ローランド・エメリッヒ版『GODZILLA』の元ネタだとして騒がれた『原子怪獣あらわる』のリドサウルスなどが有名ですが、ファンタジー物の『アルゴ探検隊の大冒険』で、決定的な評価を得ました。

 この作品では、青銅の巨人タロス、九頭の水蛇ハイドラ、ハイドラの牙から誕生した骸骨戦士などの複数のクリーチャーと人間の戦いをクリエイトしたのです。

 この後は、シンドバッド物のシリーズを手掛けて、一つ目巨人サイクロプス、巨鳥ロック鳥、グール、ドラゴン、原始巨人、カーリー神、サーベルタイガー、ハーピー、青銅人形ミナトン・・・などを活躍させました。

 その他、恐竜物も得意で、西部に肉食恐竜が現れる『恐竜グワンジ』などは当時の少年漫画誌に漫画が載ったくらいでした。

 そんな彼も『タイタンの逆襲』を最後に引退してしまっていましたが、この作品でも、獣人カリボス、蛇女メドゥーサ、大サソリ、天馬ペガサス、海獣クラーケンなどを生き生きとアニメートしていました。

 怪物をCGで描き出すのが当たり前になってしまった今でも人形アニメーション作家の技術をCGにトレースすることでより進化していますが、『ジュラシックパーク』が最初は人形アニメで恐竜を表現する予定だった・・・という話は、時代の移り変わりを感じさせる話であり、その時は流石のハリーハウゼンも落ち込んだそうでした。

 90歳を越えての大往生は、円谷英二とは大きな違いでしょう。

 特撮の神様の御冥福を心より祈ります・・・。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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