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時代劇の嘘・本当

 ホームドラマ・チャンネルの『真相あばいたろ会議』が面白くて、毎度、楽しみに視聴しているんですが、山口敏太郎さんが出ていると、俄然、話題が私好みになります。

 まあ、妖怪、UMA、超常現象・・・なんかのムー的な話題は当然として、意外と古武術なんかもお好きみたいで、以前、山口さんが関わっている古武術系剣豪ムック本を購読したことがあって、「あ~、こういう方面も詳しいんだな~?」と、益々、親近感を覚えた記憶がありました。

 今回の番組では「時代劇」がテーマだったので、これはもう私も時代活劇大好き人間として、ワクワクしながら視聴しましたね。

 そして、「歴史劇と時代劇は別物」という主張には納得いきますし、時代劇映画やドラマの話も面白かったですね。

 特にゲストの方が『子連れ狼・死に風に向かう乳母車』について語ってくれたところは、大分、カットされていましたが拍手したかったですね~。誰か知らないけど・・・。

 流石、時代劇をテーマに語るだけのゲストだけあるな~・・・と思ったのですが、ちょっと・・・「う~ん・・・それは間違いなんだけどな~?」と思ったのは、刀に関するウンチクとか、いわゆるナンバの身ごなしに関する話を山口さんが語られていた点でした。

 結論から言うと、“仕方がない”んですが、要するに、武芸考証家として多数の著作がある故・名和弓雄氏の本に書かれていることを、そのまま信用して話されていることが私は判ったんです。

 でもね。

 私は自分で実験検証してきて、名和氏の説でも間違っていることは少なくないと確認できたんですよ。

 例えば、「背中に担いだ刀の柄は左肩側に出ていないと抜き納めができない」というのは間違いでした。

 右肩側に出ていても鞘を左手で引き降ろしながら柄を引き上げれば、左肩越しに抜くより素早く抜けるんですよ。

 確かに納める時は難しいですが、不可能という訳ではなく、現に圓心流には納刀法がありますね。

 そもそも、背中に担ぐのは大太刀みたいな長い刀を運搬するためであって、抜き納めは肩から外して両手に握って抜き納めしたでしょうね。

 居合術の様に瞬間に腰から抜きつけて斬るようにはできませんからね。

「実戦で使う時はあらかじめ刀を砂山に突っ込んで刃をザラザラにした」という説も、どうかな~?と思いますね。少なくともマキワラの試し斬りする場合は、刀の表面はツルツルの方がサクッと斬れると思います。

 粗く研いだ刀で試し斬りすると引っ掛かる感触があって宜しくないんですね?

 考えてみてください。

 細かい刃毀れをしていたり表面がザラついてる包丁で調理していてよく切れますか?

 砂山に刀を突っ込むのは、斬れ味が鈍った刀を緊急にタッチアップして刃をたたせるためなんじゃないかな~?と思うんですが・・・。

 ほら、切れ味が鈍くなったハサミでクシャクシャに丸めて広げたアルミホイルを切って切れ味を良くする・・・とかあるじゃないですか? アレと同じだと思うんです。

 やっぱり、実験してみないと判らないことはありますよ。

 いわゆる“本来の日本人はナンバで歩いた”説も、甲野善紀氏によって広まって、あたかも定説であるかのごとく一般に定着してしまいましたが、甲野氏にナンバをレクチャーしたのは名和氏であり、名和氏は舞踊家でもあったので、ナンバ論を最初に世間的に広めた演出家の武智鉄二氏に学んだと思われます。

 まあ、ナンバを古武術の専門用語と勘違いして広めた甲野氏の大間違いを鵜呑みにして自説を主張している武道の先生も随分といますが、これはまあ、甲野氏が戦犯?ですから、しょうがないですがね~。

 明確に否定した黒田鉄山師範は立派ですね・・・。

 時代劇では当たり前のように刀の小柄を手裏剣として使っていますが、これなんか歌舞伎に伝わってるから本当なんだと誤解されたんでしょうね?

 やってみたら判るんですが、小柄はバランスが悪くて手裏剣の代用にはとてもならないんですよ。至近距離なら刺さらなくはないけど、手裏剣の実用的間合である5~6m離れたら、まず、狙ったところに打てません。

 まだ、畳針や火箸なんかの方がいいくらいです。

 小柄というのは、サムライが使うユーティリティーナイフであって、サバイバル道具みたいなものなんですよ。それを、わざわざ投げますか? 回収不能になるでしょう? 手裏剣としての機能性も皆無なのに・・・、これって捨ててるのと同じですよ。

 この点は名和氏もそう解説されていたと記憶しています。

「日本刀は逆手で握っても斬れない」というのも実験してみたけど嘘!

 確かに難しいことは難しいけど、私、斬れるようになっちゃいましたからね。

 要は、“決めつけるのはよろしくない”ということです。

 武術では、原理原則に外れた技も結構多くて、それは秘伝として伝えられるものですが、流派の数だけ秘伝はあると思った方がいいんですね。

 超博識の山口敏太郎さんでさえ、間違った情報を与えられれば結果的に間違ってしまう・・・という訳で、これはむしろ、武術研究家としての私にも責任が無いとは言えない。

 つまり、斯界に、きちんとした実験検証で真実を究明していこうとする武術人がおらず、世間的に脚光を浴びた者が無責任に自説を主張し続けた結果、大いなる誤解と錯覚を蔓延させてしまっているからなんですね。

 だから、せめて、私くらいは“その役回り”を果たしていこうと思っています。

 期待できる人が他にいないんだから、しょ~がない・・・。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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