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七月セミナー『交叉法』

 さあ、今年の月例セミナーも、早くも後半に入りました!

 今月のテーマは、「交叉法」です。

 これは“理合(戦闘理論)”であって、固定した技ではありません。まずは、この点をよくよく認識しておいてください。

 技としての展開は、先月の“読み”と組み合わさった上でなければ意味がありませんので、“読み”の次に持ってきた次第です。

 率直に申しますと、“読み”を知らないと交叉法は使えません。

 個々の技をいくら練習しても戦闘理論は完成しないのです。

 個々の技は、理論的に組み合わさって互いに補完し合わねば意味がなく、その真相を理解していない人間が、「理論は立派でも現実には・・・」という言い方をして、その揚げ句に低いレベルでの現実的?な考えに縛られて力任せに相手を粉砕すればよいという“脳足りん”なやり方になってしまうのです。

 こんなものは武術でも何でもありません!

 武術は徹頭徹尾、理論的に組み上げていかねば完成することはありません。理論の無い武術は武術とは言えないのです。

 よく、「あの人は武術理論家だから実際に戦うことはできないよ」と馬鹿にする人がこの業界は多いのですが、阿呆を抜かしてはいけません。

 武術にしろ武道にしろ格闘技にしろ、およそ技芸の世界で超一流に達した人で理論を蔑ろにしている人はいません!

 無論、口先だけで理論を弄んで、ろくな修練もしなければ上達する道理もありませんが、それは単なるマニアでしかない訳ですし、そんな人間の考える理論は、空理空論でしかありません。実証性が無い訳です。

 そこを誤解している人が非常に多いですね。

 例えば、「型稽古なんかいくらやっても何の役にも立たない」と言う人のほとんどが、自分自身で5年10年と型稽古に専修した経験が無いでしょう。

 自分が知らない、自分ができないから、「そんなものは必要ない」と言っているだけです。

 私は交叉法を知ってから20年以上、様々な試行錯誤を繰り返してきて、現在も研究を進めています。

 その上で、“読み”の重要性、“心法”の必要性・・・等々を感じてきた訳です。

 特定の流派のやり方に拘らずに、いろんな流派のやり方と比較研究したのも必要性を感じたからです。

 結果的には、「武術は読みと交叉を根底に置かないと理解できない」と考えるに至りました。

 そこから日本剣術の重要性を確信するようになった訳です。

 実際に、最初は直感に過ぎませんでしたが、何年も研究しているうちに直感は確信に変わり、その成果は、私が考えた理論を学んでいる人達の変化で確認できるようになりました。

 例えば、数年前に北島師範が高校時代の空手部で一度も勝てなかった友人と軽く手合わせしてみたところ、今度は完全に手玉に取るようにしてしまい、相手も本人もビックリしていたこと・・・や、入会して数カ月の人が、自分の通っている実戦格闘術のクラブで面白いように仲間を弄べるようになってしまって驚かれた・・・とか。

 これらは別にうちが特別で他流が弱いということではまったく無く、要するに理論通りにやっているかどうかで圧倒的な差がついてしまう・・・という武術の構造に原因がある訳です。

 読みと交叉法を真摯に学べば(週1~2回2時間の練習をコンスタントに続けると考えてください)、素質や才能に関係なく誰でも数カ月から1~2年で別人のようになってしまうでしょう。

 また、空手や合気道とは特に相性が良いようで、人によっては数回の練習で実力が倍々で向上することも珍しくはありません。

 どうしてこうなるか?というと、要するに、きちんと修行してきた人が、これまで自分のやってきた練習の奥にある理論を知ることで、一気に自在に技を駆使することができるようになったからなのです。

 重要なのは、目先のパワーやスピードを求めないで、合理的な身法・心法を駆使して相手の動きを読んで先を制する・・・という絶対原則を護ることです。

 その戦い方を体得するのにスパーリングなどが逆効果になりかねない・・・ということは再三再四、書いてきたことですが、無論、読みも交叉も駆使しないのであれば、スパーリングをガンガンやって反射神経に頼るのも間違いとは言えないでしょう・・・が、私はそんなのやる気はしませんけどね。


 さて・・・その交叉法ですが、具体的な技としては“差し手”を中心にしています。

 無論、別にどうしても差し手でやらねばならないものでもないのですが、これは具体的な技として、極めて汎用性が高く、本来、捨て身の戦法であるところの交叉法を、より安全確実に行える技法として、うちでは位置付けています。

 実際に、この技法の汎用性に気づかれた方は、自身の学ぶ流儀の中に採り入れてバージョンアップをされている・・・というお話も聞いて、これは研究家冥利につきることだと感動しました。

“差し手”という言葉は太氣至誠拳法の創始者である澤井健一先生が名付けられたものですが、私は形意拳・八卦掌・通背拳・白鶴拳・詠春拳などの中国武術の用法にあることや、一刀流剣術の切り落とし、新陰流剣術の合し撃ち・・・などの日本剣術の多くの流儀の根幹技法に同質の技法があることから直感を得ています。

 具体的には賢友流空手道宗家、友寄隆一郎先生の形意連環掌法の演錬を拝見した時に閃いたと言っても過言ではありません。

 友寄先生の御研究に触れることがなければ、技法として体系付けることもなかったかもしれませんし、また、友寄先生が流派を超えた普遍的術理を深く御研究されていらしたからこそ、決定的な確信を持つことができたのです。

 思うに、技芸を学ぶことは、やはり、守・破・離が肝心であると思います。

 師を敬うのは当然のこととしても、最初から最後まで師に教わったことだけをやっているようでは情けないのではないでしょうか?

 学んだことを覚えたら、それを自分なりに研究してより発展させていかねば武術の実用性は失われていくばかりでしょう。

 人間がコピー機と同じことをやっているのでは恥ずかしい。

 事実、コピーはどんなに正確にコピーしたとしても、次第次第にオリジナルと比べて劣化していきます。これはカラーコピーを繰り返してみたら判ります。色褪せや輪郭の歪みが出てくるのです。

 劣化コピーにならないためには、学んだ者がより発展させていくしかない。

 海外のマーシャルアーツはそのような精神を感じます。

 しかし、日本はどうでしょうか? それを考えると、私は暗澹たる想いになります。


 今回のセミナーは他流の人にも是非、多く受けていただきたいと思っています。武術の“理”を知ることで、その人の学んできたものが一気に開花し得ると思うからです。

 どうぞ、志しのある人はお越しください

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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