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一代宗師ラウ・カーリョン師逝去

 香港カンフー映画の歴史に於いて、実際に数々の武術を修めてリアルな武術アクションを演出したという点で、ラウ・カーリョン(劉家良)師の名を第一に挙げることに異論は出ないでしょう。

 義弟リュウ・チャーフィを主演に撮った『少林寺三十六房』は、数ある少林寺修行ストーリーの中でも一、二を争う傑作として知られます。

 また、ジェット・リーのデビュー作『少林寺』『少林寺2』『阿羅漢』の三部作もラウ・カーリョン師の仕事として特筆されるものです。

 日本の誇るカンフースター倉田保昭先生の語るところでは、非情とも思える無茶なアクション演出を要求され、「そんなのできる訳がない。やれるものなら、アンタがやって見せてくれ」とブチキレて文句を言ったところ、完璧に実演して見せられて絶句してしまったのだとか・・・?

 熱海城で虎と格闘した倉田先生すら絶句してしまう卓越したスキルを持つカーリョン師は、さほど多くはないものの、役者としても素晴らしい仕事をしています。

 恐らく、誰もが真っ先に思い出すであろう『酔拳2』でのジャッキー・チェンとの競演は、演出法の意見の違いでカーリョン師が降りたという事情はあったとしても、非常に優れたものでした。

 列車下の狭い中で槍をふるったり、料亭でたった二人で多数の手斧を持った敵と戦うシーンで、震脚の威力で階段を破壊したところは凄いな~と思いました。

 武術的な指向が合うからか、サモハン・キンポーとは度々、競演しているようで、『モンキーフィスト猿拳』の強敵や、『ペディキャブドライバー』でのサモハンと手合わせする親分役は、カーリョン師のスキルを存分に引き出していました。

 ドニー・イェンも出ている中国版七人の侍『セブンソード』でも活躍していました。

 また、最期の監督作品とされる『超酔拳』では堂々の主演でハイパーカンフーの絶技を披露してくれています。

 細かく全身を震わせる白鶴震身の絶技を実演してみせられるのはカーリョン師くらいなものでしょう。細かい技巧を駆使するスキルの高さは、やはり伝統武術家らしい身体能力だな~と、私は特に好きでしたね。“中国武術らしさ”を表現する手腕に関しては随一だと思います。

 アクションらしいアクションが好きな人達には古臭いように見えたかもしれませんが、少なくとも私の目には、燻し銀の武芸を表現してくれて香港カンフーの演出家として一番好きな方でした。

 そうですね~。日本で言うなら『必殺仕事人・激突!』の滝田栄演じる山田浅右衛門の殺陣みたいな感じがありましたかね~?

 古臭いと言うとマイナスイメージですが、古臭さの中の様式美のような味や迫力がありましたね。

 NHKBSで数年前に放送された香港カンフー映画のドキュメントでは颯爽としたトークと見事な演武を披露してくれていましたが、かなり昔からガンを患っていたというのは有名な話で、私は「ガンであるという情報は嘘だったのか?」と首を捻ったものでした。

 ウォン・フェイフォンの洪家拳の直系である武術家であったラウ・カーリョン師ならばこそ映像化できた作品も数多いとされます。

 日本では知る人ぞ知る人物であったと思われますが、今後、再評価が始まるのではないでしょうか?

 ラウ・カーリョン師の御冥福を衷心より祈念致します・・・。

 合掌!

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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