コンテントヘッダー

清心館道場10周年記念パーティー

 私の数少ないお付き合いのある武道の先生のお一人である佐原文東先生清心館道場が10周年を迎えたとのことで、記念の演武会と祝賀パーティーが開催されました。

 私は練習があるので夕方からのパーティーのみ参加させていただきました。

 思えば、佐原先生とは数年前にDVD付き教本のライターとして取材させていただいて以来、技術的なお話も含めて、時々、お会いしてお話させていただいてきました。

 最初は、私の武道マスコミ業界での評判の悪さ(本当のことを書いちゃうからです)から佐原先生に御迷惑をかけては申し訳ないと思ってお名前を出さないようにしたり、本にもペンネーム使ったりしていたんですが、「気にする必要はありませんよ」とおっしゃってくださったので、今はこうして書いている次第です。

 地理的に近かったので、よく橋本のファミレスでお会いしてお話したりしていました。

 体験入門の1時間半しか合気道経験が無かった私にとって、直に手を取って教えていただいた訳ではありませんが、見取り稽古の形で様々なことを教えていただきました。

 何より、私が研究してきた脱力技法を中心とする原理がほぼ同じだったこともあり、何年も習ったのと同等以上の学びを得られたと思っています。

 一般に、合気道では理論的に技を解説することを嫌う土壌があると言われていて、あまり具体的な技の術理について説明できる師範はお会いした経験もありません。

 そのため、実際に合気道を学んでいる人でも、「健康のために身体を動かしたいから」とか、「いや~、合気道じゃ戦えないですよ~」なんて平気で言う人もいたりして、合気道に実戦的武術性を求めている人は少ない様子です。

 一度、佐原先生とお話している時にも、「合気道(の実戦性)を信じてない人もいる」と、残念そうな顔をされたことがありましたが、打撃系を学んできた人は特にそういう面があるみたいですね。

 私が20代の頃に2年間学んだ当時の甲野善紀氏も、いかに合気道が形式主義に陥っていて実戦性を失っているか?ということを毎度毎度話し、「合気道ではこうやるけれど、これじゃあ効かないよ」みたいなことばかり言っていました。

 お陰で、私は何年もの間、「合気道は実戦的ではない」という強固な思い込みに捕らわれていました。

 もっとも、甲野氏の虚言体質に辟易して離れて以降、いろんな武道武術に触れてみて、実際にはどこの流儀にも優れた人もいればダメな人もいる・・・という当たり前の現実を認識することになり、「これは本当のことを伝えていかないと一般に間違いが広まってしまうばかりだな~?」と思ってやってきた次第です。

 ちなみに甲野氏が最も稽古したのは合気道であり、一年に満たない短期間学んだのが鹿島神流・・・後は手裏剣くらいしか学んだと言える流儀は無いでしょう。

 で、私が彼の嫌いな一番の理由がここにあります!

 どうして、自分の学んだ流儀をあんな風に馬鹿にして言うのでしょうか?

 私は、彼に学んだ技は、今でも自分なりにアレンジして稽古しています。“おかしい”と思う部分は改良していけばいいだけでしょう。“おかしい”かどうかも相応に修練して実地に試してみないと判らない。

 剣術・杖術・抜刀術・槍術・手裏剣術・弓術・体術・肥田式腰腹錬修法・・・と、習った技は随分と練習しましたよ。

 当時、南越谷のMACで夜間の清掃のバイトをやっていましたが、店のロッカーに杖を置いて、誰もいなくなってから練習したりしましたよ。また、厨房の床に油がぶちまけられた後の清掃の時は、ちょうどいいから縮地法の練習もしましたね。

 もう、ちょうど25年くらい前ですね~?

 習った当時はできませんでしたが、水鳥の足やフェードアウト(溶暗)技法などの研究から、スリ足歩法や脱力系合気技法に到達したのですし、何年もいろんな流儀を訪ねて比較研究しましたからね。

 だから、教わった技や知識に関しては、私は彼に感謝していますし、決定的なのは、恐らく、彼と会うことがなければ、私は武術研究家などという仕事をやろうとは考えなかったでしょうから、その意味では最大の恩人なのかもしれません・・・。

 けれども、やっぱり許せないな~と思うのは、彼が自分の学んだ流儀を馬鹿にする態度です。

 彼が合気道を馬鹿にしたら、それは即ち、直接習った師を馬鹿にしているのと同じことになってしまいます。

 佐原先生にお会いして最も収穫であったのは、佐原先生の師が、甲野氏の合気道の師である山口清吾先生であったということです。

 生前の山口先生の秘話をいろいろとお聞きし、また、ずっと変わらず亡き師を敬い、教えを受けた合気道の素晴らしさを確信している佐原先生の態度は、実に気持ちの良いものでした。

 無論、実力も一流です。理論も極めて平易に誰にでも理解できるようにかみ砕いて解説してくださる点で、斯道のオピニオンリーダーのお一人になられるのではないか?と私は期待しております。

 そして、何よりも、私は佐原先生を通じて、山口清吾先生の素晴らしさ、ひいては、植芝盛平翁の合気道の素晴らしさに魅了されていきました。

「合気道とは、何と優れた武道だったのか? これは日本武道の到達した精華を伝えているのではないか? 甲野氏が言っていたのはまったくの嘘ではないか?」と考えるようになりました。

 私は甲野氏の洗脳がようやく解けたような気持ちになりましたよ。

 また、合気道を知れば知る程、日本の剣術の理合に関心が移っていきました。

 この方面でも佐原先生からは貴重な示唆をいくつも受けました。柄の握り方や試し斬りのコツ等々、普通は秘伝だから教えないであろう事柄まで実に気軽に説明してくださいました。

 お陰で帰ってから試してみて、できるようになった技が随分ありますし、さらにそこから発展させて工夫した技も少なくありません。原理的に同じだったので、見せてもらうか、あるいは説明してもらえば再現できたのです・・・。

 門人でもない私にも惜しげもなく教示くださる佐原先生のオープンな人柄は、そのまま清心館道場の雰囲気にも反映されているように思います。

 一度、佐原先生から甲野氏の鹿島神流の師である野口弘行先生を御紹介いただきましたが、甲野氏に学んだことがあると聞いて、一瞬、怪訝な顔をされ、「あ~、甲野さんは野口先生にも嫌われているんだな~」と思いました。

 野口先生は清心館で鹿島神流の指導をされていますし、清心館道場が、合気道のみならず、禅、鹿島神流も学べる希有な道場であるという点は、また特筆しておくべきことでしょう。

 佐原先生は他にも新陰流や中国武術各派も学ばれておられ、その豊富な修行経験が術技の比較研究となり、明晰な理論構成に役立っているのだろうな・・・と思います。

 ですから、佐原先生の御門人の方々は本当に恵まれていると思いますよ。


 この日は、公園での練習を終わり、いつもの針治療を受けて(過去の呼吸法修行でできてしまった硬結の治療)、夕方、会場のある京王線の多摩センターに出掛けました。

 本当に暑い日だった(駅前の電光掲示板では36度となっていた)ので、汗だくになるのが解っていたのでラフな格好で行きましたが、ほとんどの方が正装されていたので浮いてしまいました~(苦笑)。

 おまけに病気療養で伸ばしっぱなしだった髭もロッキー刑事並みになっていたんですがね・・・。

 浮浪者が迷い込んだような感じになってしまいましたが、会場には多くの方が来られていて盛大でしたね~。

 何と! 植芝守央道主も列席されておられました。

 DVD付き教本の編集者の方々も来られていたので、久しぶりにいろいろ話せて楽しかったですね(そうそう、この本は、また増刷されるそうですよ)。

 佐原先生は二歳になった娘さんを抱えて会場を挨拶して回られていました。

 六十過ぎてできた子供さん!というところも、男のロマンを体現されていますね?

 清心館道場のこれからの発展を予感させる明るいパーティーでした・・・。

 そうそう、何人かの方から「長野先生、応援してます!」と声をかけてもらいました。

 有り難うございます!

 最近、割りと知名度が上がってきたので(流石に十数冊本書いてるからな~)、ちょくちょく声かけられることが増えてきました。

 以前は、「応援される」か、「ビックリされる」か、「白い目で見られる」かでしたが、近頃は応援してくださる方がほとんどになってきたので、本当に有り難いことだと思っております。期待を裏切らないようにせねばなりませんね・・・。


PS;新体道の昔の映像を編集したものがユーチューブに出ているそうです。「若い頃のカッコイイ俺を見てね!」と、青木宏之先生が申されていましたので・・・(苦笑)。

関連記事
スポンサーサイト
このページのトップへ
コンテントヘッダー
著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

FC2カウンター
リンク
最新記事
カテゴリー
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

月別アーカイブ
ブログ内検索