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会食会にて

 28日の日曜日は、稽古会の後でコンテンポラリーダンスの松田孝子先生のお招きで都内で会食会に行ってきました。

 夕方、北島師範小塚師範代と三人で長津田に出て渋谷経由で溜池山王に出て、千葉師範代、N師範代と合流し、地下鉄の出口で待ってました・・・。

 すると、何と? そこに柔芯体メソッド稲吉先生(うちの名誉会員です)が!

「え~! 何で、ここに?」とお互いにびっくりしましたが、偶然にしても、広い東京でこんなこともあるんだな~?と、非常に驚きましたね~。こういうのが縁というのか?

 稲吉先生も人と会う用事で来られたそうでしたが、せっかくなので、一緒に写真撮ってお別れしました・・・。

 しばらくして松田先生も娘さんと妹さんと三人で来られました。

 和食のコースをご馳走になり、いろいろ楽しくお喋りしましたが、N師範代が気功の話をするとポカーンとした顔をされていたので、私が補足解説したりしました。

 私は読んでないんですが、会員から「N師範代のフェイスブックの文章はマニアック過ぎて怪まれるんじゃないですかね?」なんて意見も聞いていたんですが、なるほど、予備知識の無い一般の人に、いきなり気功の専門家しか解らないような話をするから、そりゃあ~、誤解されるかもしれないな~?とは思いましたね。

 いうまでもなく、専門用語を使った話は、そういう方面の予備知識がある人間にしか通じません。

 私が自分の本で武術や気功の専門用語を極力使わないで解説するようにしているのも、予備知識を持たない人を対象に書いているからであって、専門知識が無い訳ではありません。

長野の本は素人向けだ」と馬鹿にしたようなことを言う人もいるそうですが、まさしくその通り! 私は素人が読んで理解できる本を書いているのであって、専門書を書いても売れないことが解っているから、書かないのです。

 だって、気功に興味がある人でも陰陽五行説や太極図、八卦理論なんかの説明はできない人がほとんどでしょうし、経絡理論を知っていても“陰経絡”の存在を知っている人は極めて少数でしょう。

 また、内功(内力)と内勁、勁道なんかを正確に説明できる人には会ったことがありません。専門用語で説明しているから理解できているとは限りません。

 例えば、この方面の研究家で著書も出している人が、気を感じる感覚がまったく無くて知識だけで書いている・・・という例も多く、また、その逆の例も少なくありません。

 私がこれまでN師範代に注意しなかったのは、彼は身体感覚が鋭敏で体質的に気の感覚を受け取れる一種の霊感体質であると解っていたので、理屈で納得させても意味が無いと思っていたからなのです。

 ただ、一般人にはそういう感覚は無いので、共通言語で認識を共有することができずに誤解されて悩む時期が来るだろう・・・その時に相談に乗ればいいと思っていた訳です。

 私の場合は、昔、集中して訓練していた頃は感覚がありましたが、病的な感じになってきたので自分から止めました。あのまま続けていれば今の自分は無い訳です。

 だから、あくまでも一般人の感覚と目線で本を書くように心掛けていますし、それが読者目線に繋がって売れたのだと思います。それは意図的に戦略としてやっている訳です。

 売れない本を書いたら、「あいつは売れない」と噂になって、もう、執筆依頼が無くなってしまいますから・・・。

 しかし、そういう簡単なビジネスの仕組みも想像できないような“おバカさん”が武術マニアには多いのですね。専門的なディープなことを書けば本が売れると勘違いしている訳で、自分のマニアックさをアピールして墓穴に入っているのです・・・。

 もっとも、マニアックだから正しい情報を持っているのか?というと、大抵、勘違いか誇大妄想なんですよ。売れる本を書くのがどれほど大変なことなのか? 皆、わかってないな~と思います。

 狭い業界の中で考えていても意味がありませんよ。社会の動向、世の中の空気、時代の流れ、そして、今を生きる人間の在り方をトータルに考えて「求められる物」を提供していかなくては、ビジネスという枠組みの中だけでも方向性を定めることはできない。

 世界を視野に置くか、日本国内で考えるか、あるいは自分の生活の周辺で考えるか・・・で、生き方は決定的に変わってくるでしょう。

 また、時間軸で考えることもありますね?

 今現在、数年後、十年後、自分が死んだ後・・・など。

 私は今50なんで、後、20年は生きて仕事ができるだろうと思っていますが、それ以上は生きていても隠居ですよね?

 だから、20年計画を建てると、要になるのは、これからの10年ですよ。それでやるべきことを確立できなかったら、恐らく、私の研究が時代を超えて残ることはないでしょう。

 やはり、松田隆智先生が亡くなられて、いかに大きな仕事を残して逝かれたか?ということを痛感しますよね。あれだけの仕事をやってのけた人は後にも先にもいないと思います。

・・・どうも、この日もまだ夢の中をさまよっているような妙な感覚が抜けなくて、松田孝子先生と妹の英子先生(あの入団が超難しいと評判の劇団SKにいらしたとか? スゲ~!)のお話を聞いているうちに、何の拍子かモトカノの話になっちゃったりして、(俺、何しゃべってんだよぉ~?)と、頭の中で冷静にツッコミ入れたりしましたよ・・・。

 まあ、あれこれ考えたって、自分の思うようにならないことは、あくせく計画しても仕方がないし、どこかで“どうにでもなれ!”と、ハラ括っていないと現代で生きていくのは辛くなるばかりかもしれません・・・。

 縁のあった人達と、でき得る限り、楽しく有意義に人生を送っていけたら、それでいいのかもしれないな~・・・と。



 それはさておき・・・この日は三週間ぶりの公園の稽古でしたが、交叉法をきちんと駆使することを覚えてもらうために、相手の一撃目に合わせて二撃目以降を封じるやり方を特に練習させました。

 具体的には、劉氏八卦掌の“覇王送客”の技を指導しました。

 これは、見た目からすると、どう遣えばいいのか、さっぱり判らないような技なのですが、実は一撃で相手の重心を根こそぎ奪って吹っ飛ばすような強烈な技です。

 特に蹴り技に対して用いれば威力絶大で、よほどの身体能力の高い人でないと後頭部及び背中から地面に落ちて失神するか首の骨を折りかねないでしょう。

 なので、練習ではふっ飛ばさないように軽く合わせるだけにしましたが、それでも勢いが良過ぎてふっ飛びそうになったり、つくづく中国武術の実戦性は殺人的な観点から工夫されているな~?と思いました。

 応用変化技としても、頭突きや肩での発勁なんかも入れると、より殺人的になります。

 無論、この技は交叉法を知らなければ顔面を含めて身体の前面を無防備にさらけ出す動作にしかならないので、知らない人が見たら、到底、そんな必殺性の高い恐ろしい技だとは気づかないと思います。「なんてマヌケな技だ?」と誤解するでしょう。

 そもそも、中国武術の動作は交叉法の観点で考えないと、とても遣えるようには思えないものが多いのです。

 例えば、八極拳なんかはその典型で、交叉法を使えば、文字通りの必殺拳法となりますが、キックボクシングやフルコンタクト空手の試合のように間合を保って突き蹴りを応酬しあえば、防御技が無いので滅多打ちにやられてしまうでしょう。

 無論、試合で八極拳が活躍した事実を論じられる方もおられるでしょうが、それは八極拳にプラスしてフルコンタクト空手の技術も使っているからではないか?と思います。

 では、八極拳の技だけで戦っても勝てないのでしょうか?

 試合を念頭に置けば難しいと思います。が、喧嘩と思って相打ちするつもりでやれば八極拳の恐るべき実戦の理合に驚くかもしれません・・・。

「武術には本質的には受け技はあり得ない」と私は解説してきましたが、相手の攻撃を受けてから自分の攻撃を出そうとするやり方では武術の真価は発揮できないと考えるからなのです。

 これは、大した問題ではないと考える人が大半と思いますが、実は武術が使えるか使えないか?を分ける最も重要な要素なのです。

 説明しても判らないと思いますから、「武術の技はクロスカウンターが基本」だと思っていてください。游心流では「一撃必殺!(一撃で倒せ) 多撃完殺!(敵の息の根が止まるまで攻撃を続けよ)」を旨にしています。

「無用な戦いはするな。しかし、戦うべき時は、死に物狂いで必ず勝て!」というのが全ての武術に於ける根本命題です。

 相手が攻撃(しようとする・する・し終わる)瞬間に自分の攻撃を出して迎撃するのが武術の真の戦闘法であり、そのタイミングの捉え方が秘訣なのです。

 教材DVDの最新作『初級対錬(一)』は、そのタイミングの捉え方を徹底的に練習するための独修用DVDなので、単なる型として練習するのはまったくの無意味です。

 読みにしろ交叉法にしろ、もちろん、発勁・合気・化勁・聴勁・縮地法・・・などの様々な技法も、知識としての“仕組み”を知ることは大切ですが、練習しなければ体得することは不可能です。

 いわゆる「カンフー(コンフー・クンフー・功夫)が無ければ中国武術は役に立たない」と言われるのは、まさに、このことであり、じっくり練習して技と戦術を駆使できる身体を練り上げないといけない・・・という訳です。

 ただし、多くの中国武術愛好家が勘違いしているのは、「コンフーさえあれば無敵になれる」というものであり、もちろん、そんな馬鹿なことはありません。

 いくら技を練り、自在に動ける身体を養成したところで、戦い方のセオリーを知らなければ素人の喧嘩慣れした人間にも勝てないでしょう。

 実に、この誤解が蔓延しているからこそ日本に於ける中国武術の最弱論が広まってしまったのです・・・。

 交叉法は戦闘法を決定する理合であり、つまり、戦闘理論です。

 この戦闘理論をきっちりと理解し体得していなければ、どんな必殺技を磨いたところで勝てません。

 うちの会で交叉法の戦闘理論をきちんと理解しているのは、果たして何人いるのかな~?と、最近は疑問に思うようになったので、また基本から教え直そうと思った訳です。

 どうやら、合気道の方には理解してもらいやすいみたいですが、これは合気道の理合が“剣を使わない剣術”だからではないか?と思います。

 昔、某流派の沖縄空手の師範には高く評価して戴いたことがあったのですが、それは「空手の突きは日本刀で斬るのと同じく一撃必殺」という認識があるからではないか?と思います。

 昔は、このような「武術の技は一撃で必ず殺す」という認識が普通に根底にあったので、そこから交叉法のような理合が生まれたのだと思います。

 防具無しで日本刀で戦えば、「相手の刀は絶対に躱さねばならない。ずっと躱し続けるのは至難だから、一撃目が出るか出ないかを見極めて隙を狙うしかない・・・」という戦法に行き着くでしょう。

 それが、即ち、“交叉法の誕生”となった・・・のでしょう。

 このような発想は、西部開拓時代の拳銃の決闘にも共通します。

 相手が銃に手をかけたら射殺しても正当防衛で罪に問われない・・・というルールにより、いかに素早く抜いて撃つか?というクイックドロー(抜き撃ち)の射撃術が発達したのです。

 これは現代のコンバットシューティング(戦闘射撃)技術へと受け継がれています。

 新作DVDでも少し披露しましたが、現在、私は游心流に戦闘射撃術を融合する研究をしています。

 映画『リベリオン』のガン・カタのような派手なものではありませんが、真に実戦的な武術の理合を組み込んだ射撃術の研究をしています。

 主に拳銃で考えていますが、もちろん、ショットガン(散弾銃)やライフル、サブマシンガンなどでも考えるつもりです。

 実際に海外では射撃術の中にマーシャルアーツを組み込もうとする軍隊系格闘術もありますが、日本の武道家でそういう考えをする人はほとんどいないでしょう。

 何故なら、武道が実戦から掛け離れてスポーツになってしまっているからです。

 しかし、軍隊系格闘術にも欠陥はあるでしょう。それは、伝統的な武術が長い伝承の歴史の中で培ってきた膨大な智恵です。

 残念ながら、多くの伝統武術が形式しか伝えておらず、そのような膨大な智恵を伝える師範は極めて少なくなってしまっていますが、それでも完全に失われてしまった訳ではありません。

 志しのある人間が集まれば復興することは可能でしょう。

 私は游心流の中でそれをやるつもりです。

 もっとも、このようなことを「過激だ!」と忌避する人も多いでしょう。

 そう思う人は、軽々しく武術に手を出さないのが無難ですよ・・・と私は言いたい。

 何度でも申しますが、現代の武道はスポーツの枠組みに入っているので、本来の武術としての考え方そのものを喪失しています。

 そして、本来の武術とは“武術的考え方”に根本があり、それは「平時に於いて乱を忘れず」という平法(兵法から転じた言葉)なのです。

 即ち、「武術は平法であり、平法とは平和な日常の中で生死がかかった戦闘を忘れずに備えを怠るな」ということなのです。

 どうですか?

 私の書いている内容には一点の過激さも無いでしょう? 平法そのままの考え方をしているだけでしょう?

 私は、極めて忠実に、武術を真摯に探究しているだけですよ。

 むしろ、世の多くの“武術”を提唱している人達が、本質としての“戦い”を無視し続けていることの方が信じられませんね。

 別に私は右翼じゃないし国粋主義でもありません。憲法9条を改正しろとも申しませんし、戦争だって絶対に絶対に絶対に反対です!

 でも、理不尽な暴力に何もできずに屈服するのは嫌なのです。

 自分の自由な生き方を確保するために、理不尽な暴力に備えて戦えるように修行してきたのです。

 そして、心ある人には「貴方も“戦い”に備えて修行してみたらどうですか?」と言いたいだけなんですよ。戦う気が無い人に無理強いする気はさらさらありませんし、会員に自分の考えを押し付ける気もありません。

 ただ、いざ自分や自分の周囲の人達が暴力に晒された時に敢然と立ち向かって欲しいし、そのための戦い方を指導したいだけです。

 持って生まれた素質や才能ではなく、“戦いに備える意志”があれば、武術修行は大いなる自己変革をもたらしてくれる・・・と、私は断言できます。

 人間は自由に自分の生き方を選べるべきだし、そのために武術は役立つものであるべきだと私は考えています。


PS;え~、大変、お恥ずかしいのですが、新作DVDの売れ行きが予想外に悪くて金欠に陥ってしまいました・・・(泣)。製作資金回収にも程遠くてお手上げ状態でございます・・・。内容は非常に良いと思っておりますが、売れなくてはしょうがありません。どうぞ、皆様、御購入を前向きに御検討、宜しくお願い申し上げます!(ちなみに8月の割引セールは『合気の応用』を半額とさせていただきます)

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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