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日曜稽古にて・・・

 4日の日曜日は、普通に公園で稽古しましたが、『馬貴派八卦掌DVD李保華老師が解説されていた走圏と単換掌に沿って練習してみました。

 私が学んだのは宮宝田系が主でしたので、そちらのやり方(簡略化された大連系のやり方)でやっていたのを、馬貴派のやり方に変えて練習してみた次第です。

 何しろ、たっぷり時間をかけて繰り返し解説してくださっているので、DVDを見ただけで形は正確に練習することができます。

 欲を言えば、八母掌全部を解説してもらいたかったな~?とも思うんですが、そうなるとDVDだけで覚えるのは難しくなってしまいますから(収録内容が多いと不思議と覚えられないもんです)、入門編として今回のDVDは最適ですね。初心者からでも独修できます

 これまでは立禅を主体に基礎錬体をやっていたんですが、走圏の良さは、立禅と歩法の効果が同時に得られる点で、李先生曰く、「精神と肉体を同時に鍛えることができる」とのことです。

 立禅は静功に分類されますが、走圏は動功になるでしょう。

 しかし、円周をぐるぐる巡り歩く動作は静功の効果もあると思いますね。

 皆で練習していると、個々のレベルに応じて改善点が判るので、互いに指摘し合って矯正しながら練習できるのがいいですね?

 独りでやっていると、よほど、身体感覚の良い人間でないと間違いに気づかずに延々と繰り返してしまったりするものです。

 八卦掌は転掌して右回り左回りを順番にやるので、左右の差が無く、身体のバランス調整にも良いでしょう。

 また、ぐるぐる巡り歩く運動は軽い酩酊状態からアルタードステーツ(変性意識)状態にまで脳波をコントロールしていくので、脳の潜在機能を活性化させます。八卦掌の遣い手に神業のような術を遣った・・・という伝説が多いのも、この訓練法に秘密があるかもしれません。

 イスラム教のスーフィズムの旋舞や、道教の転天尊にも共通する行法なんですね。

 うちの会員さんは、武術的な意味の無い動きをやらせても納得しない(真剣にやろうとしない)ので、単換掌の動作から武術的応用技法をいくつか取り出して説明してみました・・・。

 掌打や切掌、貫手、暗腿、投げ・・・。

 単換掌の動作の中だけでもいくらでも応用変化技が隠されています。見た目は踊りのようですが、意外と型の動作のまま技になるんですよね~。だから、私は八卦掌が特に好きなんですが・・・。


 さて、それから、先週から始めたのは、とにかく交叉法で「一撃目で入る瞬間に相手の重心を奪って抵抗できない状態にする」ということをテーマにしてやりました。

 これは、実に微妙な間合や角度の調整によって成否が決まるんですね。

 もう、答えを先に書いてしまうと、拳や蹴りを当てることを意識する前に、自分の体幹を相手の体幹に重ねるくらいに入り込むのが秘訣なのです。つまり、間合を0にする。

 こうすることで相手の体幹部が崩れ、クサビを打ち込まれたように重心が弾き出されるのです。

 この体幹部を重ねるくらいに踏み込む・・・という点を意識しながら手足で打撃を入れると、強烈な貫通力が出る訳です。

 力の作用点が深くなるので貫通性が出てくる訳です。

 簡単に言えば、相手の胸を目がけてパンチを放つのと、相手の背中の後ろにパンチが突き抜けるイメージで放つのでは、後者のパンチが何倍も効く・・・という仕組みです。

 察しの良い方なら、気づかれると思いますが、コレは、体当たりの原理に沿ったものなのです。

 よって、当てる箇所は拳でも掌でも肘でも肩でも、どこでもいいのです。力の源泉は体幹部の重心にあるので・・・。

 例えば、肘当てで打ち込むと八極拳の「頂心肘」になり、極めて必殺性の高い技になりますね。

 逆に、この体幹部を重ねるくらい踏み込む・・・という要素を抜いてしまうと、威力は格段に落ちてしまい、また、間合が空いてしまうので、躱される危険性も上がってしまいます。

 打撃格闘技をやってきた人は、無意識のうちに一定の間合を空けて突き蹴りを繰り出す癖があるんですが、その癖を弱点として戦い方を工夫したのが内家拳の戦略的戦闘理論なんですね。

 これは、うちの場合でも空手出身者が多いので、克服するのがなかなか難しかったんですね~。一発目に交叉法で合わせても、足を止めたまま攻撃しようとすると相手も離れてしまうので間合が開いて二撃、三撃を食らってしまったりする訳です。

 交叉法を差し手だけで考えると、このような展開に陥りがちです。手で差していくのと連動して足がついていかないといけない・・・。そのためには手足の要である体幹部から移動しないといけないんですね。

 これ、大東流六方会の岡本正剛先生が合気上げ、合気下げを連続して相手を崩して倒してしまう時にも、一歩踏み込みながら掛けておられましたね。

 つまり、相手の重心線を踏み越えて掛けていた訳です・・・(コレ、大事な所!)。

 合気系の技術分析で誰もが間違ってしまうのは、握り方の手の内とか、そういう手先のテクニックに秘密があると考えてしまうのですが、そこは二次的三次的なものでしかない訳です。

 実際、熟練すると手先のテクニックは通じなくなっていきます。力の動力源を考えないとダメです。

 私がしつこく重心移動と言っているのは、そのことなんですよ。そこが解ればテクニックは無数に考えつけるのです。

 一つのテクニックに拘ってしまうのは技の背景が観えていない証拠なんですね。

 技の背景が観えていれば、どこをどう働かせたら威力が出るか?ということも解る。身体操作のコツも勝手に解る訳です。これを逆から考えると大変なことになりますよ。

 ほんの少しのコツが、技の威力効力を大きく左右してしまうのですね(8月の月例セミナー合気と化勁なんで、この原理についても解説しようと思っています)。

 武術は膨大なコツの集積された技法が体系化されているので、このような秘訣を知らないと、技を有効に駆使することは難しくなります。

 要するに、知識がモノを言う訳です。

 形式だけ学んでも役立たないんですよ。これは残酷な事実だと思います。


 ところで、先週、青木宏之先生から教えていただいた新体道の古い動画を見ました。

 若き日の青木先生の空手演武や棒術の演武もありますが、いやはや、身体の練られ具合の凄さには驚きました。

 普通は、どんな達人でも若い頃は荒削りで未熟な点があるものなのに、青木先生は最初から完成形だったんだな~・・・と、感慨深いものがありましたね。

 栄光や天真五相、連続反り跳び、光と戯れる・・・といった、新体道独自のシュールな動きは一般の武道愛好家が見てもチンプンカンプンでしょうが、この空手や棒術の形を見れば、尋常ならざるレベルであることに気づく人も居るでしょう。

 例えば、独自の中高一本拳様の拳での突きや、蹴りを繰り出す時の軸足のスライドは、縮地法に繋がっています。

 この身体運用の要は、骨盤から押し出すように体幹部の力を拳や上足底に流し込むようにする点にあります。脚の蹴りだしではないのです・・・。

 真に効く一打必倒の貫通力のある突き蹴りを求めて青木先生が到達したものです。

 この動画は貴重ですね~。

 また、青木先生が、どうして江上茂翁に認められながらも、江上翁が亡くなられてから所属した会派から石持ておわれるかのごとき迫害を受けるに至ったのか?という理由が、はっきりと判りますね。

 つまり、“嫉妬”ですよ。男のジェラシーを燃え上がらせたんでしょう?

 誰が見ても判る“圧倒的な実力の差”。

 何か、青木先生って、無住心剣術に於ける真里谷圓四郎みたいだな~?と思いましたよね。

 いや~、こんな“化け物”が居たら、さぞや目障りだっただろうな~?と、S会の方々には同情の念すら感じますよ。凡庸な人間が百年修行したって到底追いつけない異能者というのが、世の中には、ごくたま~に居るものです。

 凡庸な人間が権威を求めたら、習った先生や流派会派の名声に乗っかるしか道はありませんからね。小判鮫は、どれだけ大きな鮫にくっつくかがステイタスで、自分が巨大な鮫になれる訳ではありませんからね・・・。

 もっとも、自ら好んで小判鮫になりたがる人間が多いのも、現代の武道界の哀しい現状でしょうかね~?



PS;ニュースで、首を切断された猫の死骸がいくつも見つかったそうで、本当に世の中には心のねじ曲がった異常なヤツが居るものだと、つくづく思いました。猫好きの私には信じられませんよ。スチーブン・キング原作の『スリープウォーカー』を久々に観ましたが、吸精鬼の母子が猫が苦手なので罠を仕掛けて大量に猫を惨殺している・・・という描写があり、この事件を彷彿とさせますね。映画では警察官の主人を殺された飼い猫がヒロインを助けたり仲間の猫軍団?を率いて怪物母子を倒す・・・という燃える展開でしたが、この事件の犯人も猫に祟られると思うよ。昔は「猫と蛇は殺すと七代祟られる」って言われてましたけどね~? そういえば、昨晩、コンビニに行った時に、いつも通らない道を歩いてみたら、民家の駐車場のコンクリの上に猫が寝そべっていて、近くを通っても逃げなかったので、「ミャ~・・・」と小声で呼んでみました。それでも逃げなかったので撫でてみようか?と思いましたが、やめておきました。夜のコンクリの上はヒンヤリして気持ち良さそうだったので、邪魔しちゃ悪いな~と思ったので・・・。帰りにまた、その道を通りましたが、もう、どこかに行って、居なくなっていました。犬と比べて猫は警戒心が強いんですが、首を切られて殺された猫達は、きっと、相当に人なつっこい猫だったことでしょう。猫殺しの犯人がさっさと捕まることを祈るばかりです。余談ですが、松田隆智先生は凄い猫好きで、最期に電話でお話した時も、「そうか! 長野君も猫、好きか?」と、嬉しそうに話されていましたよ・・・。


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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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