コンテントヘッダー

特撮ドラマの裏事情

 七月末に平山亨氏が亡くなられていたことを新聞で知りました。

 ほとんどの読者はご存じないと思いますが、私のような特撮好きにとっては神様のような存在です。

 東映は、この人がいなかったら特撮物を撮っていなかったかもしれません。

 プロデューサーとして関わった作品を列挙すれば、私が大袈裟に書いているのではないことは明らかでしょう。

『悪魔くん』(水木しげる原作で白黒TVの時代に実写ドラマ化)『河童の三平妖怪大作戦』(同じく白黒時代の水木作品実写化)『キャプテンウルトラ』(スペースオペラ調の宇宙怪獣と戦うシュピーゲル号のキャプテンウルトラ。タイトルから円谷作品を連想させるけど東映です)『仮面の忍者赤影』(怪忍獣って、今風に言うと式神だよね)『ジャイアントロボ』(パシフィックリムの原点!)『仮面ライダー』シリーズ(ライダー1号・2号・V3・X・アマゾン・ストロンガーと、今に続く大河シリーズになったよね?)、『ゴレンジャー』(こちらも戦隊シリーズの原点)『がんばれロボコン』(ファミリードラマ調の原点)『好き好き魔女先生』(主演女優がヤモリゲス役の役者と付き合っていて殺された事件の方が有名になってしまった悲劇の作品)『妖術武芸帖』(佐々木いさおが主演した時代劇)『柔道一直線』(巨人の星と並ぶスポ根物)『超人バロム1』(少年二人が友情パワーで合体変身する作品だけど原作だと顔がゴルゴ13なんですよ)『変身忍者嵐』(仮面ライダーの戦国時代版として企画されたそうな)『人造人間キカイダー』(半分機械が剥き出しのヒーローという斬新さ)『キカイダー01』(後半はビジンダーの話になっていたような・・・)『ロボット刑事K』(哀愁ただよう刑事物)『イナズマン』(サナギマンがグロかった)『コンドールマン』(モンスター一族ってイルミナティーの隠喩?)『アクマイザー3』(機械化したアクマ族)『ザ・カゲスター』(影が変身するという男女ヒーロー物)『忍者キャプター』(要するにカクレンジャーやハリケンジャーの元ネタ)『宇宙鉄人キョーダイン』(堀江美津子がヒロイン役で出演したけど、あまりに苛酷な現場に嫌気がさして以後実写ドラマには出演せず)『超神ビビューン』(アクマイザーの魂を受け継いだ超神が活躍)『快傑ズバット』(とことんキザなんだけどカッコイイ伝説の特撮ドラマ)『大鉄人17』(ジャイアントロボそっくりなのは気のせい?)『スパイダーマン』(巨大ロボ・レオパルドンを出したのは平山亨だった!)『ジャッカー電撃隊』(真田さんや志穂美さん、大葉さんがゲスト出演)『バトルフィーバーJ』(五人の踊りの名手という設定だけど、どう見ても下手でした)『仮面天使ロゼッタ』(ホラーとヒロインアクションを融合した野心作)『ボイスラッガー』(声優たちが実写ドラマに挑戦)・・・etc.


 ふぅ~・・・、書いてるこっちも唖然となるくらい、特撮作品のあれもこれも平山氏がプロデュースしていたのか?と思うと、私なんか、どれだけ影響を受けたか解らないですよね~?

 この他にも時代劇を中心に無数の作品に関わられているそうです。

 平山氏が生前に刊行された『泣き虫プロデューサーの遺言状~TVヒーローと歩んだ50年~』(講談社)を読むと、それぞれの番組の裏事情が解って興味深いですね。

 ある意味、死ぬまで現役プロデューサーとして明るく楽天的に生き抜かれた印象を受けます。

 合掌。


 一方、特撮の神様と呼ばれた円谷英二の孫である円谷英明氏の『ウルトラマンが泣いている・円谷プロの失敗』は、ひたすらペシミスティックな余韻を残します。

 円谷プロの代名詞とも言うべきウルトラマンを、ビジネスとして食いつぶしてきてしまった円谷プロの内幕を、自省も込めて明かされている六代目社長も勤めた経験からの手記なのですが、経営する側の苦心は理解できるとしても、ウルトラマンに頼り切った円谷一族のお家事情という認識で語っておられるところが、そもそもの間違いではなかったのかな~?という気もします。

 ファンにとって、ウルトラ・シリーズは作品として独立したものであって、「円谷だからどうのこうの・・・」という論理をそこまで持っているものでしょうか?

 仮に円谷ブランドの力があるとしても、それは円谷英二のみならず、デザイナーの成田亨や脚本の金城哲夫さん、演出の実相寺昭雄さんといった伝説的カリスマが集っていた総合的な評価だと思うのですね。

 ファンからすれば、円谷一族のお家騒動を知ったところで、「ふ~ん、大変だったんだな~?」くらいにしか感じないように思います。

 例えば、仮面ライダーが石ノ森章太郎が原作なのは誰もが知るところでしょうが、平山亨というプロデューサーがいなかったら、これほど世間に認知されていなかったのではないでしょうか?

 そして、当然のことながら、キャストやスタッフの力が総合的に組み合わさって、仮面ライダーとなったのであって、それはウルトラ・シリーズも同じことではないでしょうか?

 金の問題でも視聴者の価値観の問題でもなく、初期のウルトラ・シリーズが圧倒的な人気を得たのは、「視聴者に凄いものを観せてやる!」という熱意があったからではないか?と私は思います。

 例えば、雨宮慶太監督の『牙狼』は、深夜の大人向け特撮番組として放送され、着実に人気を高めて新シリーズに繋がっています。

 既製のキャラクターに頼らずとも、熱意を以て凄い作品を観せてやる!という気持ちがあれば、それは作品に反映し、視聴者にも必ず届く・・・そういうものではないでしょうか?

 ウルトラ・シリーズや『怪奇大作戦』が時代を超えて今でも愛されるのは、ただただ、当時の製作スタッフとキャストの情熱があったからこそだと思います。

 円谷プロは、もっと多彩な作品創りをしても良かったんじゃないか?と思いますね。

 円谷映像は『エコエコアザラク』のような秀作も多く創っていましたし、要するに、作品のコンセプトと作家主導の路線を確保してやっていくことで、ウルトラ・シリーズに頼らずともやれたのではないか?と私は思いますが・・・。

 特撮はもうダメだ・・・みたいな悲観論じゃなく、ハリウッド映画なんか特撮物全盛じゃないですか?

『パシフィック・リム』なんか、日本の特撮作品のテイストをハリウッドの先端技術で撮ったら、こ~なる!というお手本みたいな作品ですよ。

 余談ですが、この『パシフィック・リム』の宣伝で、「芦田愛菜ちゃんが凄い!」としか言わないバカ宣伝っぷりには呆れてしまいましたよ。

 阿呆じゃなかろうか?

 大怪獣VS巨大ロボットというクールジャパンのお株をハリウッドにとられて、何をのほほ~んと「愛菜ちゃんカワイイ~」とか寝ぼけてんのか?

 菊地凜子の大活躍っぷりを絶賛せずして、一体、どこを観てるんだ?と思ったのは私だけでしょうか?

 押井守くらいかな~? 菊地凜子のカッコ良さに気づいていたのは・・・(アサルトガール・シリーズで)。

 日本人の女優がハリウッドの大作映画で、ここまで堂々の主演を演じた前例は無いでしょう? しかも、棒剣術の試合シーンなんて気合が入りまくっていてアクション女優として活躍できる可能性を感じさせます。

 これは『小川の辺』で高瀬道場で特訓した成果が花開いた?のかもしれません。

『小川の辺』では菊地凜子の殺陣シーンは、大幅にカットされてしまったそうですが、訓練で獲得した技能は財産ですよね~。アクションに無理解な邦画より、ハリウッド映画で活躍できた方がずっといいもんね~。

関連記事
スポンサーサイト
このページのトップへ
コンテントヘッダー
著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

FC2カウンター
リンク
最新記事
カテゴリー
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

月別アーカイブ
ブログ内検索