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ゾンビ・ディレクターズカット完全版

 イマジカBSでジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』のディレクターズカット完全版を観ました。

 昔、ダリオ・アルジェントが編集した短縮版が日本で上映され、ちょっとしたゾンビ・ブームがありましたが、ロメロのディレクターズカット版は、確か学生時代に映画研究部の部室で皆で観た記憶があります。その時はテンポが悪くてダレる感じがしてアルジェント版の方が良かったな~と思ったんですが・・・。

 しかし、改めて観ると、その時の記憶とも大分、違う感じがして実に面白く、なるほど、これはパニックホラー映画の傑作だと思いました。

 特殊メイク技術は今と比べるとチープなんですが、ドラマの端々に古い時代の世界滅亡系SF映画に通じるペシミスティックな余韻が漂っていて、実にいい感じです。

 チャールトン・ヘストンが主演した『猿の惑星』『続・猿の惑星』『地球最後の男オメガマン』『ソイレントグリーン』や、ショーン・コネリー主演の『未来惑星ザルドス』なんかの感じですね。

 主要キャラを四人に絞ったところも良かったでしょうね。

 テレビ・スタッフの男女とSWATチームのノッポの黒人とチビの白人。

 戦闘のプロである二人がキビキビと窮地を脱出するのに対して、素人が足を引っ張る展開にも、恋人にいいところを見せたいという男の気持ちが出ていたりしますし、それを咎めることもなくプロに徹して尻拭いしてやるところも、流石はSWATの精鋭だな~という感じです。

 しかし、調子に乗り過ぎてゾンビに咬まれてしまったチビ白人が、それまでのクールさを忘れて情緒不安定になり、ノッポの黒人が「しっかりしろ」と窘めるところや、死んでゾンビになるのを待っていて射殺するシーンの何とも言えないやるせなさは、その後のゾンビ物に無数に転用されてきた名シーンです。

 恋人が妊娠していることを知って、皆がいたわって優しく接してやるところもロマンチックでいいですね。

 巨大ショッピングモールに立てこもった四人がゾンビを掃討して一時の平和を味わう中、着飾ってレストランで食事する恋人二人が、ウエイター役をやってくれている黒人に、一緒に食事しようと誘っても、「二人だけでどうぞ・・・」と、優しく断るシーンには、黒人の奴隷制度をも暗示させつつも、恐らくは、つかの間の幸せでしかないであろう二人の楽しい時間を邪魔すまいとする黒人ノッポさんの粋な心遣いを感じさせるのです。

 今回、改めて観直してみて、「どうして、死人がこんなことに・・・」と呟いたヒロインに対して、ノッポさんが「地獄が満員になると、死人が地上に溢れてくる・・・ブードゥーの司祭をしていた俺の爺さんがそう言っていた・・・」と言うのですが・・・。

「あ~、そうだった! このノッポの黒人の祖父はブードゥー教の司祭だという設定だったんだ・・・」と、思い出しましたよ。

 なればこそ、リビングデッドでなく、“ゾンビ”なんですね?

 ひょっとして知らない読者も居るかも?と思うので、解説しておきますと、ゾンビというのは、西インド諸島のハイチに伝わる土着の民間信仰ブードゥー教に伝わる妖怪?みたいな存在で、ブードゥーの呪いをかけられて“動く死体”のことです。

 実際にゾンビになっていた人の事件などから科学的に分析されて、ゾンビパウダーという秘薬を使って意識を朦朧とさせて操る術だということが判明していますが、アフリカ伝来の呪術だと考えられています。

 似たようなのにマクンバという呪殺術もあって、これは呪った相手の身体に針が生じる(転移?)という術なんですが、実は私、数年前に足のカカトに細いワイヤーが知らぬ間に刺さっていて、歩いていて違和感があったものですから、皮膚のちょっと出っ張ってるところをつついてみると、何か針状のものが入ってる感じがしたので、何かトゲが刺さったのか?と思って表皮を裂いてトゲ抜きで引っ張り出してみたんですが・・・何と、1cmくらいの細いワイヤーだったんですよね。

 ギョギョッとしましたよ。誰かがマクンバの呪い針の術を仕掛けたのか?と思いましたよ~(笑)。

 ところが、一カ月くらいしたら、また同じことがあってですね~。マジでヤバイな~と思って、般若心経唱えましたね。・・・ギャーテイ・ギャーテイ・ハラギャーテイ・ハラソーギャーテイ・ボージソワカ~・ハンニャーシンギョウ~ってね・・・(因に私、二度目の大学で仏教専攻でした。全然通わず除籍になったけど)。

 多分、新しい寝具とか使った時に紛れ込んでいた細いワイヤーを寝ている間に刺してしまったんだと思いますけど、呪術オカルト好きの人間に逆恨みされてたから、マクンバくらいやりかねないからな~、アイツ・・・と思って、念のためですね。

 結構、オカルトめいた経験もしているんですが、私自身はバッリバリのリアリストですから、推測で結論つけることはしません。

 ただし、普通の現実主義者と私が決定的に違うのは、私は起こった事実に関しては徹底的に“事実は事実”として追究するという点です。

 だから、科学的に合理的に解釈するのが私のやり方です。

 UFOも幽霊も何度か見たけれど、まず、幻視という脳機能的な原因を考えますね。

 心理学や脳生理学なんかをすっ飛ばして神秘主義で意味付けするのは頭が悪いけれど、現実に起こった現象を頭ごなしに否定するのは、もっと大馬鹿ではないでしょうか?

 原発は絶対安全なんだと言い続けてきた原発推進の人達の論理も、もうカルト宗教の熱狂的信者の精神構造と変わらない訳ですよ。

 科学信仰というのも、行き過ぎると阿呆そのものですよね?

 名作『ゾンビ』は、科学的にあり得ない現象に日常の常識が侵食されて人類が追い詰められていく点にこそ、マゾヒスティックな快感があります。

 ラスト、ヒロインをヘリで逃がして自分は自殺しようとしていた黒人ノッポさんが、突如として生きる意欲を取り戻し、ゾンビを蹴散らしヒロインの操縦するヘリによじ登ります。

 あそこが本当に素晴らしい!

 どんな絶望的な状況であっても、人間は最後まで諦めないで生きる努力を捨ててはいけない!という強いメッセージを感じます。

 戦後数十年、平和な日常が当たり前と思ってきた日本人が、3.11を経験し、福島原発事故に晒されたことで、世の中に絶対の平和など無いという現実を痛感させられました。

 今年も竜巻や台風の水害に襲われ、「いつ何時、命の危機に直面してもおかしくないのが本当の現実なんだ」という事実を、嫌でも認識させられつつあります。

 原発の汚染水漏出事故に関しても、後から後から、“実は・・・”という話が出てきて、発表されることに真実味がまったく無いことに、最早、麻痺するような感覚も出ていますね。

 後、数年後には総体としての事故の規模はチェルノブイリを越えてしまうのではないでしょうか? これだけ汚染が広がってしまっているのですから・・・。情報を隠したところで事実は消すことはできませんからね。

『ゾンビ』が発表された当時、東西冷戦による第三次世界大戦が始まって、核戦争によって荒廃した世界を死者のようにさまよう人類を象徴したものだ・・・という評論がありました。

 先日、ニュース番組で汚染水問題を解決する策として「空冷式にすればよい」というアイデアが出されていて、興味津々で観ていました。

「空冷式ならフィルターを付ければ汚染された空気は外に出ない。今現在の温度なら水で冷やさなくとも空冷式で大丈夫・・・」と、なかなか、期待できる話でした。

 が、「そのまま、しばらく放置していれば・・・」という話に、「しばらくって、どのくらいですか?」と聞かれて、「300年くらい・・・」との答えを聞いて、あっちゃ~!と思いましたね。

 300年後って、今、地球上に生きている生物のすべてが生きていませんよね?

 何世代後の人類にまでツケを残さなきゃならないのか? 原発は、一度、暴走したら人類のコントロールが効かない魔物なんだという事実を、改めて痛感させられましたよ。

 心ある日本人は、本気で考えて欲しい。勇気を持って原発をやめましょう!

 十年後の経済を考えるより、新しい安全なエネルギーを模索するのが全人類共存のために日本人が貢献できる最も正しい選択ですよ。

 エネルギー問題を解決したら世界中の紛争の大部分が解決しちゃうし・・・。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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