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地道な稽古が大切

・・・なんだよな~・・・と思うことがありました。

 率直に言って、「対人コミュニケーション能力に著しく欠けているな~」と思っていた地元相模原在住の会員が、何と、游心流で最も難しい技である“蛟龍歩”を体得してしまったんですね~・・・。

 これは、これまで教えた人達の中で、5~6人しかできるようになりませんでしたし、そのうち3人は来なくなってしまい、現在の会員でできるのは、北島師範N師範代だけです。

 教えた人の総数は確実に千人は超えているので、体得率の低さは論外なレベルです。

 先日のセミナーでも質疑応答の時に「先生の歩法が物凄く速いので、それを教えてください」と言われたんですが、教えてもできないに決まっているし、下手に真似して足首を捻挫した人も居たので、これはお断りしました。

 そうは言っても、技術は技術ですから、やり方のコツとかはあります。私の教える通りにできれば体得することは可能でしょう。

 ただ、身体内の重心操作が凄く難しいので、特に武道武術で足腰を鍛え抜いた人だと、無意識に脚力を使ってしまうので、余計にできないみたいです。

 ストリートダンスなんかをやっていた人の方が体得しやすいでしょうね?

 彼も、今年に入ってから、かなり、「できるかも?」という感触はあったんですが、19日のメイプルホールの稽古に来た時に実演してみせてくれたんですが、もう9割り以上、できあがっていました。

 スリ足で重心移動を利用して足が勝手に動くようにスルスルと・・・動けていて、基本原理はあらかた体得しています。

 何でも、先日、「太極拳のゆっくりとした動きを研究しなさい。丹田を転がすようにして体内の重心の流れを途切らせないように・・・」と私がアドバイスした言葉を守って、動画で太極拳を見まくって真似したらしいですね。

 何か、チャカチャカと素早く動こうとし過ぎるので、「それだと体内の重心移動を感知できない。速く動くためにはゆっくりと練習して体内の重心の流れを感じ取らないといけない」という命題を出していたのです。

 いや、でも、できるにしても、もっと何カ月もかかるだろうと思っていたので、彼の才気には素直に感心してしまいました。

 何しろ、実力では何倍もある先輩たちを差し置いて体得したのですから・・・。

 御褒美と言っては何ですが、最近、研究を纏めつつある構造的な武道格闘技の破法(構えや攻撃技に身体構造的に必ず生じる欠点)を、得物を持っている相手や打撃系の相手に対するやり方など、いくつか教えました。

 彼は各種発勁も会得しているので、この破法を頭に入れているだけで戦闘力が倍加してしまうでしょう。

 それにしても、私は今回、本当に何とも形容のしようのない感慨を受けています。

 正直、彼はうちに入会してきた人間の中でも最も問題児だと思っていたからです。

 それは、10年くらい前に最初に会った時の最悪の印象にありますし、初対面で寸勁食らわしてやったのは彼くらいなものでした。

 それくらい礼儀も何もできなかったんですね。

 ところが、その時から何年も自分なりに考えてきて、改めて私に習おうと決意して尋ねてきた訳です。

 もっとも、私は初対面の時の彼の態度を思い出して、冷たく突き放すように、「どうせ、もう来ないと思ってるからさ・・・」と言いました。

 その時の俯いて悔しそうな顔・・・。

 果たして、彼は次の稽古も、その次の稽古もやって来ました・・・。

 少し慣れた頃には、ちょっとした問題も起こして先輩を激怒させたりもしましたし、他の会員たちも「彼はちょっと、危なっかしくないですか?」と心配したものでした。

 けれども、私は、少しずつ変わっていく彼の態度と、ふとした瞬間に見せる才能の片鱗を信じました。

「時間はかかっても、こいつは凄く変わるんじゃないか?」と、期待する気持ちが芽生えてきました。

 私の態度を見ている他の会員たちも、彼を色眼鏡で見ることが少なくなっていったと思います。

 それは、コミュニケーションの下手さに隠れていた彼のピュアさと真面目さに気づいていったからかもしれません。

 少しずつ少しずつ、薄皮を剥がすように雑味が消えていき、代わって本来持っている才能が芽を出してきたような印象がありました。

 無論、まだまだお調子に乗って要らんことを口走ったりする点はありますが・・・。


 しかし、武術を学ぶことで心身共に成長していってくれるなら、こんな有り難いことはありません。

 過去、武術を学んだばっかりに自惚れて自滅の道を突っ走ってしまった連中を思えば、私自身、救われる想いです。

 彼自身、うちに来なければ病的なネット中毒者になってしまっていたかもしれません。

 真面目に修行を続けて、教えを謙虚に実践した結果、次々に夢物語のような武術の秘技を体得していっているのですから、「昔の自分は思い出したくありません」と言えるくらい現実と向き合えるようになったのです・・・。

 恐らく、コミュニケーション能力の欠如から周囲の人達とのトラブルもあっただろうと想像していますが、今現在の彼を見たら、どう思われるでしょうか?

 人は、自らを変えていこうと決意し、そのために行動すれば、変わることができます。

 私自身もそうだったし、より良く自分を変えていく修行の楽しさを、もっともっと多くの人に伝えたいな~と思っています・・・。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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