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麿展に行ってきた

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 三島市の佐野美術館で、幕末の刀工で新々刀期随一の人気がある源清麿の作品展があるということで、終了一日前の5日(土)に行ってきました。

 本当は金曜日に行くつもりだったんですが、寝過ごしてしまってギリギリになりそうだったので、土曜日にしました。

 もっとも、土曜日も寝過ごしそうになって、ハッと目覚めた時は出発予定時間の10分前くらいで、一瞬、どうしようか?と思ったんですが、何しろ、源清麿の作品は、日本刀の代名詞ともされる正宗をも上回る人気があります。

 これを見逃すのは後悔するぞ・・・と思って、急いで着替えて出発しました。

 ちなみに、私が躊躇したのは、三島市まで新幹線を使えば1時間ちょっとで到着できるものの、金欠状態で交通費をかけずに行こうと思ったんですね。

 ところが、私は長時間、電車に乗ると例の持病のパニック障害の発作が起こりかねないのです。

 お陰で、用事がない限りは極力、遠出しないようにしているのですが、渕野辺から三島に行くのに、横浜線で町田に出て、町田で小田急に乗り換えて小田原に行き、小田原で乗り換えて熱海、それから三島・・・というのは2時間以上かかるので、ちょっとしんどいな~と思っていた訳です。

 ここ何年も田舎に帰っていないのも、実は持病が悪化していたからなんですよ。

 天真会の吉田晶子先生にヒーリングのネックレスを頂戴してから発作は抑えられるようになっていますが、これを忘れるとテキメンに具合悪くなるんです。

 そして、この日は慌てて着替えたものだから、ネックレスを忘れてしまったことに電車に乗ってから気づいたんですよ。

“ヤバイ! これは2時間は保たないかも?”と思って、諦めて帰ろうか?とも思いましたが、やっぱり清麿の刀は見逃したくありません。

 頭の中は清麿・清麿・・・というので一杯。

 ある意味、雑念が沸かないので、精神統一の極めて集中した状態になったものか? 不思議に発作の兆候すら起こりませんでした。

 時間の感覚も変わるんでしょうか? 町田から小田原までの急行で一時間かかっている筈なのに、“あれっ? もう到着?”というくらい短く感じました。

 そして、小田原でJRに乗り換えて熱海へ・・・。

 熱海でもう一度、乗り換えて三島へ到着!

 骨董専門誌の広告記事の地図を頼りに歩いて行きました・・・。

 大体、15分から20分くらい歩きましたかね? 佐野美術館に到着しました。

 何か軍歌みたいなの流してる黒服のオッサンたちとか居て、“はは~、日本刀と言えば右翼だからな~?”とか思いつつ、リニューアルしたという綺麗な建物に入りました。

 結構、人は居ましたね~。やっぱり、清麿の人気なのか、それとも佐野美術館が人気なのか?

 なんか、ハトバス・ツアー?みたいな爺さん婆さんたちが入ってきて、「館内で御飲食は御遠慮ください・・・」みたいなこと言われて、「はぁ~? 中で食べちゃダメなん?」みたいなダダこねてました・・・(何しに来たん?)。

 佐野美術館の館長は女性で、特に日本刀に関する本も書かれています。

 講座なんかもされているみたいですね?

 ここには、伯耆安綱、新藤五国光、正宗や郷義弘、吉岡一文字、長船長光・・・といった国宝クラスの刀も所蔵されているそうで、日本刀に強い美術館なんですね。

 私も、いつか機会があれば行ってみたいな~?と思っていましたから、今回は良い機会でした。

 それにしても、源清麿は鬼才と呼ぶべき多彩な作品を遺していますね。こんなに沢山、作っていたとは予想外でした。

 何しろ、42歳で自刃して果てた・・・という烈しい人です。毀誉褒貶も烈しい。

 今回の展覧会では、清麿の生涯に関して誤解されていた説を訂正する資料もあったり、非常に優れた文化的歴史的にも価値ある展覧会でした。

 短刀・脇差・刀・太刀・直槍・十文字鎌槍・薙刀といった多彩な作品のそれぞれが個性的で主張が違っています。

 また、二尺七寸を越える長寸の刀を好んで作っていたり、極端に切っ先の伸びた鋭利な刀や脇差が目立ち、華やかで烈しい刀が多いですね。

 けれども、華美な刀ばかり作っていたのか?というと、そこがこの人の凄いところで、試し斬り銘のある刀もあったり、あくまでも実戦刀として優れた刀だったようです。

 この時期の刀工は、水心子正秀(理論は達者だけど腕前は今イチという評判)の復古刀理論の影響を受けた人がほとんどなんですが、清麿はほとんど影響が無いんです。

 師匠と言えるのは兄の山浦真雄くらいで、独学に近い人なんです。

 窪田清音(くぼたすがね。旗本。剣の達人で人格者。講武所の頭取)の援助と指導で、その天才ぶりを開花させたというのは有名な話ですが、その清音を裏切って萩に逃げた?という説が根強かったものの、実は招かれて萩に行ったということが資料で判明したのだそうです。

 清麿の“清”の字は清音から採った訳ですね。

 一説に、新選組の近藤勇が持っていた虎徹は、実は清麿が打った贋作だったというものがありますが、虎徹といえば新刀期を代表する名工で、新々刀期の代表格である清麿の贋作だとすれば、優るとも劣らないものだったでしょう。

 十分に堪能して、帰りにカタログ本と刀作りに打ち込む少女の青春を描いた漫画『カナヤゴ』全二巻を購入して帰りました・・・。

 この『カナヤゴ』という漫画は現代刀工の現実に迫る非常に優れた内容で、必見の作品ですよ。ちなみに、“カナヤゴ”とは、刀鍛冶の崇める鍛冶の神様“金屋子神(かなやごのかみ)”のことで、醜い顔の女性の神様なので、女が鍛冶をすると嫌がるのだ・・・という伝説があり、そのためか女性の刀鍛冶は歴史的にもほとんど居なかったのです。

 大学入試を捨てて刀鍛冶になろうとするヒロインを描いたこの作品。派手なところはありませんが、非常に気合の入った入魂の作品で、2時間ドラマにして欲しいくらいですね~。

 漫画でも描かれていますが、現代刀工の生活現状はとても厳しく、若手の注目されていた刀工が自殺した事件なんかもありました。

 佐野美術館では、そんな現代刀工の支援もしているみたいです。

 いや~、佐野美術館、素晴らしい! また、来たいです!


 帰りは小田原で、丁度、小田急ロマンスカーの出発5分前だったので、せっかくだから乗ってみようと思って、特急券買って乗りました。

 ロマンスカーって、ウルトラQの『あけてくれ』とか、M1号の回とか、ウルトラセブンのワイアール星人の回とか、成城にある円谷プロつながりで、よく出てましたから、憧れがあったんですが、一度も乗ったことなかったんですよ。

 そんな訳で帰りは窓から見える風景を楽しみ、小旅行気分を味わってきました・・・。


PS;忘れてましたが、今月の割引セールは『発勁と化勁』です。こちらも廃盤検討中ですので、欲しい方は今がチャンスですよ~。解りやすいとは思うんですが、やっぱり、今、観返すと未熟で恥ずかしいよな~・・・。もうね~。三カ月前の自分の技なんか恥ずかしくって見たくないし、一年前だったら消してしまいたいんですよ。十数年も前だったら焼却処分したいくらい・・・。あっ、でも来年の秋にうちは創立15周年なんで、そろそろ記念の演武会とかパーティーとかやろっかな~?と思っております・・・。


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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
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