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日俳連チャリティー・イベント感想

 東日本大震災の復興支援を日本俳優連合が協催するチャリティー・イベントで、高瀬道場の殺陣演武があるというので、小塚師範代と一緒に11月3日の文化の日に、公園の練習後に行ってきました。

 文化の日は晴の特異日だという説が昔からありまして、確かに晴れることが多いみたいなんですね(私の亡くなった父の誕生日だったので、この日は特に記憶があります)。

 今年も全国的に雨模様と予報が出ていましたが、東京方面は降りませんでしたね。

 会場は西新宿の芸能花伝舎というところでしたが、確か、昔、雑誌の取材でカポエィラを見学に来たのが、ここだったような?という気がするんですが、よく判りません。

 西新宿自体、あまり来ないので、地理的によく知らないんですよね。

 道の途中途中で案内の人が立っていたので、助かりました。

 高瀬道場の演武は、何と! 試し斬り(マキワラじゃなくて大根。切った大根はお客さんの欲しい人にプレゼント?)、ア~ンド、そのまま殺陣!という・・・若山先生が『子連れ狼・親の心子の心』の御前仕合シーンでやったようなデンジャラスな展開・・・。

 この時の思い出を、相手役の柳生軍兵衛を演じた林与一さんは・・・「人生の中で一番怖かった」と語っておられたらしいです。

 何故ならば、このシーンの撮影当日、若山先生が嬉しそうな顔で二振りの真剣を持ってきて、「これでダンドリ無しでやろう。俺に隙があったら遠慮なく斬ってこい。失敗したら俺の責任だから心配すんな。その代わり、俺が斬っちゃったらごめんな?」と、お茶目な顔で言うので、生きた心地がしなかったそうです・・・。

 まあ、若山先生としては最高の殺陣シーンを演じるためには真剣使ってダンドリ無しで必死の覚悟を示す必要があると思ったんでしょうし、「与一なら、俺の相手ができる」と信頼していたんでしょうけどね~。いきなり、言われてもね~?

 何か、高瀬先生、気合入り過ぎじゃないですか(注;「気は確かですか」の意)?・・・とも思ったんですが、そんなデンジャラスな演武をサクッとユーモアをまぶしてお客さんが楽しめる範疇に納めて見せるところが、もう、そんじょそこいらの武道家には到底できない芸当でした。

 武道の演武会でも(よせばいいのに・・・)、出来もしない真剣白刃取りとかやりたがる人が多くて、失敗して弟子は恐慌、客はゲンナリ、本人は病院直行・・・ってなった話を二回くらい聞いたことあります。

 古武道大会の演武なんて、「これって、コント?」と思うような大失敗が続出したりする・・・それが醍醐味だったりするんですが、それは要するに、“下手くそなだけ”なんですね。

 もう、居並ぶ師範方の身体の動かざること山のごとし!という感じ・・・(まあ、剣道初段の女子中学生と戦って滅多打ちになるな・・・って感じ?)。

 私はいつもいつも甲野氏のヘッポコぶりを小馬鹿にして書いていますが・・・こういう古武道大会とか見てると、試合競技で磨かれている現代武道の世界と比べて、確かに形骸化なんて生易しいレベルではないくらい劣化が激しいのが現実で、これを基準にしてしまうと甲野氏が達人扱いされるのも致し方がないのかもしれない・・・と思いますね。

 また、確かに試合競技で磨かれて強いことは強い現代武道の諸先生方も、武道の本質を解っているのか?と問えば、到底、解っているとは言えませんから、パワーをしのぐ技術の力を駆使することができる人は稀れです。

 でも、そんな連中が「武道とは何々であ~る・・・」とか偉そうに口先だけ達者だったりするから、私は恥ずかしくってたまんなくなったりする訳ですよ。「頼むから、ドヤ顔で勘違い発言すんのは、やめてけれぇ~?」って言いたいんですよ。こっちが恥ずかしいから・・・。

 武道家を自負している人達は、殺陣とかアクションというと上から目線で見下すのが常なんですが、私は到底、そんな気持ちにはなれませんね~。

 どうしてか?っていうと、“真似できないから”です・・・。

 今回の高瀬先生の殺陣を見ていて、やっぱり私も「俺、できるかな~?」と思いながら見ていたんですが、結論として、「う~む・・・ムリ!」と思いました。

 いくら段取り組んだって、複数の相手と真剣振り回して怪我させないようにやるなんて、実際に斬るよりずっと難しいでしょう。

 相手もちゃんと反応できなきゃ~大怪我しますからね。

 私も最近は真剣で稽古していますが、うちの会員で真剣持たせて組み太刀できる人間はまだいません。ビビッちゃって、ダメ。

 これは、度胸と信頼と呼吸の一致と、後、狂気をコントロールするハラがないとできないですよ。つまり、先天的な要素が大きいから、修行で克服するのは難しいんですね。

 うちの会員でできるようになるのは2~3人が限界かな~?と思いますね。

 それに、古武術の演武と見比べれば判ることですが、スピードが全然違います。

 もっさりしたスピードで安全を確認しながらやるくらいなら、練習してればできるんですよ。

 よく、うちのDVD見て、「スピードが遅い。あんなの通用しない」なんて知ったかぶりして悪口言うヤツ居るんだけど、交叉法を本式のスピードでやったら絶対、当たっちゃうんですよ。

 うちの指導員が試合で使って相手が激突して殺しちゃったか?と思ってビビッたという話を聞いてますが、そうなっちゃうんですよ。

 自由組手禁止したのもそのせいなんだもん。

 だって、もともと、殺し合いのためのやり方なんだから・・・。

 だから、私は本式のスピードで演武やったことないです。絶対に相手に怪我させてしまうのが判ってるから、いつも割れ物を扱うように慎重にゆっくりやってます。

 そんな理由で、うちは本式のスピードでやれないし、筋力も使わないから、見た目の迫力が無いこと夥しいんですが、そんなの見せ物にはならんでしょう?

 殺陣は実際に斬っているように見せなくてはならないから、スピードも速くないとダメだし、それでいて相手に怪我させないようにしなくちゃならない。二律背反です。

 これって空手の寸止めと同じことです。実は物凄い高等テクニックで熟練が必要です。

 で、それを刃の付いてる刀でやったんですよ? 私が「高瀬道場は凄い! そんじょそこいらの剣術道場通うよりずっといい」って言ってる意味が解ります? 模擬刀で真似してみたら解りますよ。素面素手で・・・。

 真剣はシュッとかすっただけで、スパーッて斬れるんですよ~(経験者は語る)。

 いや~、怖いな~・・・。


 続いて、女子部の多人数での乱陣。技芸会の上位入賞者を選抜しているのでは?と、小塚師範代が言っていましたが、プロでなくて、この技量は恐れ入ります・・・。

 時代劇やってる若手俳優でも、こんなにできる人は少ないでしょう。

 そして、高瀬道場指導陣による殺陣。これは安心して見ていられますね。

 多加野先生が薙刀をされたのは素晴らしかったですね。背中側で回転させて持ち替えるとか難しいですからね。多加野先生が、ここ近年の刀剣女子ブームの立役者であることは知る人ぞ知る事実・・・。

 私も最近、独り稽古で十文字鎌槍で練習してるんですが、2m超える長さだと重量もあるし腰を中心にやらないと腕の力だけじゃ~全然無理ですね。

 特に薙刀は刃筋を通して斬るのは難しいですよ。同じ長物なら槍や棒の方が簡単。

 高瀬先生が長巻の操作が難しいということを連載で書かれていたと記憶しているんですが、薙刀や長巻(薙刀に比べると刀身が長く柄は短い)を上手く使ってた人というと、『柳生一族の陰謀』の役者さんの名前は知らないけど雪之丞演じた人と、『必殺4』の真田広之、そして『子連れ狼』の若山先生くらいかな~?

 後は、『阿修羅城の瞳』で渡部篤郎も使ってましたね。それと、何かの映画で内田良平が長巻使っていたのを見た記憶があるんですが・・・。

 多加野先生、流石!


 さて、それから、12月に公演されるお馴染みの幕末グラフィティー物の予告編的な加賀谷さん扮する岡田以蔵のコミカル・チャンバラ!

 今回はギャグのセンスが光ってましたね~。笑った笑った・・・。

 この手があったか~?って感じ(誰かが書くかもしれないけど、ネタ真似されたらマズイので、私は何やったのかは書きません)・・・。

 メインの構成は以前のものと同じなんですが、見せ方を複合的に変えるというアバンギャルドな展開で、予想以上にギャグ度がバンバーン!と跳ね上がっていく感じが、非常に良かったですね~。しかし、よく思いついたな~?と・・・。

 この手法はバリエーション変えればいくらでもできますからね~。やられた~・・・。

 12月の公演が益々楽しみです!

 ゲキシネにしてDVD売ってもらいたいな~・・・。


 高瀬道場の後は、現役トップ声優の皆さんによるオーディオドラマが演じられました。

「あ~、はじめの一歩の鷹村さんだ! エヴァのミサトさんだ! ケロロ軍曹だ! 犬夜叉だ!・・・」と、ヲタク魂が目覚めましたよぉっ!

 何か、スゲェ~・・・。


 本当に、いいモノ見せてもらいました・・・。

 帰りに、香港カンフー大好きの小塚師範代も知らなかったカルトなビデオ屋『ビデオマーケット』に寄ってきました。

 何度も行ってるんですけど、そう頻繁に行ってないので、いつも場所を探してしまうんですよね~?

 つまり、非常に判りにくいんですよ。でかい看板も出てないし、雑居ビルの四階だし。

 今回は一年ぶりか、二年ぶりか・・・? そのくらい久々ですかね~?

 見逃すといけないので、店の並びをよく確認しながら歩いて、それでもちょい行き過ぎるところでしたよ。

「ここだ、ここだ・・・」と、エレベーターに乗り込み・・・四階で降りると、いきなりエイリアンの等身大フィギュアがお出迎え・・・。小塚師範代も、ちょい引いてました。

 店に入ると怪しさ全開! 輸入物のホラー、スプラッター、SF特撮、Z級アクション、エロバカ、カルト・・・等の迷作がドドーンと並んでいます。

 で、お目当てのカンフー物のコーナーを見ていると、何と! あの伝説のパチモン映画『盲侠血摘子』がっ?!

 判ります? これ?

「盲侠」って、勝新の座頭市のことなんですよ。

 あのブルース・リーが唯一、お手本にした東洋のアクションスター、勝新太郎演じる座頭市は、香港でも大人気!

 だからこそ、『新座頭市 破れ!唐人剣』で、ブルース・リー登場以前のカンフーアクションの第一人者だったジミー・ウォングの当たり役「獨臂刀」、つまり「片腕必殺剣」の主人公と戦った。

 そうですね~?・・・まあ、『ガメラ(同じ大映ってことで・・・)対マイティ・ペキンマン(北京原人の逆襲)』みたいなもんですか?

 そういえば、ジャッキーも『カンニングモンキー天中拳』で真似してましたね?

 中国武術に居合抜きの技は無いんですが、座頭市の影響で抜き討ちに斬る描写が増えたみたいですね。

 で、「血摘子」ってのは、「空飛ぶギロチン」と訳された中国の特殊武器で、円形になった鋼の刃に袋が付いてて紐に繋がってる。これをブンブン振り回して敵の頭にスポッと被せて紐を引っ張ると、円形の鋼がきゅーっと締まって内側の刃が首を切断! 頭がぽろっと袋に入る・・・ってな仕組みです。

 流星人間ゾーンが戦ったガンダーギラスみたいな輪投げの達人じゃないと使えないですね~?(物凄ぉ~く、わかる人を限定する例)

 っ~訳で、この作品は勝新のソックリさん“脚新太郎”なる人が主演して台湾で撮影されたカルト・パチモン映画として有名だったんですが、以前、この店でVHSビデオテープで見かけて買おうか?と思ったものの、7000円もしたんで断念して、後日、行ったらもう売れてしまっていたんですね~。

 今回はVCD(中国では多い)で売ってて、1800円だったから即買いましたよ。

 他にも、手無し脚無しの二人が合体して戦う『ミラクルカンフー阿修羅』シリーズ(キャッチコピーが、「やればできる!」)もありましたが、金無くなりそうだったので断念しましたよ・・・。

 いやはや、何とも・・・濃い一日でございました・・・。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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