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剣武天真流演武会

 21日は、剣武天真流の一年間の修行成果を発表する恒例の演武会が武蔵境で開催されました。

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 私は昼に橋本で清心館道場の佐原先生とお会いしてお話しし、それから夕方の演武会まで時間があったので、暇潰しに足を伸ばして吉祥寺に行ったんですが、何か様変わりしてえらい人込みで、ちょっとビックリしましたね。

 以前は、松田隆智先生と吉祥寺でコーヒー一杯で何時間もお喋りしたものでしたが、違う街に来た感じでした。

 骨董の専門雑誌のバックナンバーが置いてある書店を探しに来たんですが、人が多すぎて探すに探せませんでした。しょうがないから、パルコの地下の書店に入って見て回ったんですが、骨董雑誌そのものがありませんでした。

 新宿の紀伊国屋に行った方が無難だったかな~?

 出版不況の一因としては、書店に行ってもお目当ての本が置いてない・・・というのも大きいと思いますね。

 例えば、去年は文庫が三回も出たのに相模原・町田の書店で見かけたのは2件だけ。

「書店で探したけど、どこにも置いてません」と、何度、言われたことか・・・。

 担当編集のSさんに聞いたところでは在庫が余ったそうで・・・もう、「アマゾンで買ってください」・・・と言うしかなさそうですね。

 本が売れないのは構造的な問題になってしまっていると思いますね。

 昔は書店で一時間くらい見て回って、お目当ての本以外に面白そうな本を見つけて買うというのが愉しみだった訳ですが、今はお目当ての本も無いから自然に足を運ばなくなってしまう・・・。

 私みたいな相当な活字中毒の人間ですら、そうなんだから・・・。

 書店が潰れてしまう・・・と嘆く前に購買層の気持ちを考えないで、売れない本は一週間で戻してしまう・・・というバカみたいなシステム自体を変えないとダメでしょう。

 売れないから金が無い。金が無いから宣伝できない。宣伝できないから存在を知られないまま本が埋もれていってしまう・・・。

 バカ過ぎますね。

 まあ、しょうがない。とにかく、次の本が売れるように全力を尽くすしかできませんからね。売れなくなったら次は無い! それがもの書きの宿命だから・・・。

 年内にメドつけなくちゃ~、2月に出すのが難しくなりますからね。

 まっ、今回は期待してもらって大丈夫ですよ! この本を読めば、超絶神業を会得できますよ!・・・で、会得した次の瞬間、「えっ? こんなもんなの?」と、ドヨ~ンとするかもしんないけど・・・。

 でも、神業の秘密って、所詮はそんな程度なんですよ!

 ド派手なパフォーマンス見せる先生ほど、信用しちゃダメ!というのを言いたいがために、今回、敵増えるのを覚悟でバラしたんだから・・・みんな、買ってね~?


 さて、吉祥寺ではお目当ての本が無かったので、代わりに映画秘宝とムック本買いましたよ。

『映画秘宝』の高瀬先生の連載記事では、また私のことを採り上げていただいてまして、恐縮です!

 これは何でか?というと、「勝新は武道なんかの経験は無い」との説が間違いであると私が著書や本ブログで書いていることを紹介されていた訳です。

 でも、『殺陣チャンバラ映画史』という本には「(勝新は)剣道はやったことがない」と書かれていることも紹介されています。

 剣道未経験なのは事実かも知れませんが、武道武術の経験が無いのは完全に間違いなんですね。この本の中では「日本刀は10kgもあって・・・」なんて、物凄い大間違いを堂々と書かれていたりするので、テキトーに書いたんだと思いますよ。

 ちなみに日本刀は平均的に1kg前後の重さで、1.5kgもあったら、もう普通に使えないくらい重いですよ。大太刀でも2~3kgくらいですね。

 10kg以上というと神社に奉納されてる冗談みたいにデカイ刀や槍、薙刀くらいしかないと思います。

 つまり、著者の永田さんは真剣持ったこともなくて憶測だけで書いてると考えるべきでしょうね。

 実は間違いを指摘する手紙を出版社に送ったことあるんですが、永田さんからの返事は当然、ありませんでしたし、その後、何かのチャンバラ系ムック本のインタビューで素人マニアが文句つけてくる・・・みたいなことを言ってるのを読んで、「あ~、自分の間違い指摘されても頑固に受け付けない人なんだな~」と、ちょっとガッカリしましたね。

 お陰で、「ナメやがって! 俺は絶対、武術研究で世界の第一人者になってやる!」と燃えましたよ!

 余談の余談ですが、時代小説には現実に伝承されている秘話を元ネタにしたものが少なくないんですが、それを創作した話だと思い込んで絶賛されていたのも永田さんで、不勉強だな~・・・と、せせら笑って読みましたよ。


 以上、永田説の間違いを粘着的に指摘した上で補足しますと、勝新は、座頭市剣法を研究するために合気道を参考にしようと植芝宗家(盛平翁か吉祥丸二代宗家かは未確認)に教えを受けに行ったのと、九鬼神伝流の半棒術(戸隠流系か神道天心流系かは不明)と、天眞正自源流の居合術を当時の宗家に直々に指導を受けたということを関係者から確認しています。

 恐らく、このルートは実兄の若山富三郎先生からの紹介ではなかったか?と思われますね。若山先生は自源流の特徴的な真っ向斬りから手の内を返して刀を反転させてそのまま斬り上げる俗称“つばめ返し”の技を、そのまま『賞金稼ぎ』テレビ・シリーズ(確か最終回だったと思う)でやっていました。

 私は10年くらい前だったか? 現・最高師範の上野景範先生とお話した時にファミレスで説明してもらったので、見分けられたんですね。

 勝新も座頭市の中で刀を反転させて持ち換える時に、手の内の操作で、この技術を使っています(他流の秘伝なので仁義を優先して説明は御遠慮しておきます)。

 確か、圓心流にもあったみたいですが・・・。

 こういう手の内の操作というのは古武術の中でも秘伝に属するものなので、習わないと自分で勝手に自得するということは、ほぼ、考えられません。何しろ、剣道とはまったく違うし・・・。

 また、勝新が無反りの仕込み杖を前後逆に納刀してしまう失敗を克服するために自源流の先代宗家から鯉口を丸く削る方法を教わった・・・という話を聞いた時に、高瀬先生が連載記事中で紹介していた話と符合していたので、これは間違いないな・・・と確信した次第です。

 ついでに言えば、勝新が立ち回りの手順を覚えないで殺陣に臨んでいたという点も、武術修行をある程度以上やった証拠ではなかろうか?と思えます。

 何でか?と言うと、武術やっていると身体が勝手に反応していくようになるので、手順を決めて動くのが逆に難しくなってしまうからなんですよ。

 よっぱど簡単な二、三手の型ならできますが、四手、五手以上になると、もう、覚えられないですよね~。私なんて・・・。

 大体、私はセミナーで何を教えたか?というのも終わって喫茶店で喋ってる時はもう忘れてますもんね。

「さっきやったあの技は・・・」と参加者に聞かれても、「えっ、そんな技やったっけ?」とマジで答えて呆れられちゃうんですが、いつも私の受け取ってる北島師範なんて「僕が毎回、どんな怖い思いをしているか、皆、分かってないっ!」って怒ってますよ。

「長野先生は一度もリハーサルやったことなくて、本番で何をされるか予想がつかないから、怖いんですよ・・・」と言います。

 そりゃあ、予想できないでしょう。私も決めてないんだから・・・。

「長野さんはもっと演武で本気を出してやらないと侮られるよ」と何人かの方から注意されたんですが、本気出したら寸止めできなくて大怪我させちゃうのが解ってるから、弟子相手にはできませんよ(先日、非常にムカつくオッサンにからまれたので、発作的にブチ込みたくなる衝動を必死で抑えました。周囲に大勢、人が居たので)。

 物凄~く加減してクッション何枚も重ねて1/3くらいで打っても、「血尿出ました」とか、「翌日、身体が重くて布団から出れなくなりました」とか言われちゃうんですから・・・。

 体道塾のN師範も、先日のセミナーで何枚もクッション重ねた上から1/10くらいにセーブしてポコンッとシステマのストライク風に鉤突き入れたら、一拍遅れて受けた参加者がうう~っと崩れ落ちてしまったので、すぐ気活療法やってあげてました・・・。

 浸透勁が打てるようになると、こうなっちゃうんですよ。防具とか意味がなくなる。

 あっ、そうそう。「武道武術は何十年も修行してこそモノになる。ちょっと習った程度は修行したうちに入らない」と言いたがる人も多いので、私の見解を述べておきます。

 道場に長く通ってもモノにならない人も少なくありませんが、これは日常的に独り稽古していない人がそうなりますね。

 かと言って、独り稽古を十二分にやっているのに全然戦えない人も居ます。

 しかし、写真観ただけで、達人の技を再現してしまえるうちのN師範のような人間も居ます。

 どこがどう違うんでしょう?

 これは意識と集中力の差です。

 勘違いしている人が多いんですが、武術は脳を使って身体をコントロールする技能を高めるのが修行の眼目で、無念無想で黙って練習すれば体得できる・・・というものではありませんし、ましてや「どこそこの筋肉を鍛えればパワーが増す」といった即物的な考えで体得できるものでもありません。

 骨格・神経・血流・筋肉・意識・呼吸・重心・・・などを総合的に緻密に鍛えていかないと高度なレベルの技は体得できません。

 そういう仕組みを理解している人間にとっては、一目観ただけで技をバンバン再現できても不思議じゃない訳です。

 私が舞踊家やアクション俳優を高く評価しているのも、ここに理由があります。

 身体の感度が低い人間が何十年修行しても、武術の高いレベルに達することはできません。ですから、私は「何年修行して何段だ」という類いの話をまったく評価しません。

 例えば、武術を長く修行していれば、それは精神面にも反映されなくては嘘です。

 ヤクザだって大物になると紳士的ですよ。もう、態度観ただけで、その人のレベルが判明します。本当にデキる人は、微塵もデキるように見せません。

 だから、私は威圧的な態度がちょっとでも出る武道関係者とは、どんどん縁を切っています。レベルの低い人間とは付き合いたくないからです。

 まあ、そんな訳で補足解説させていただきました! 高瀬先生、宜しくどうぞ。


 あ~、余談だけが長くなり過ぎてしもうたっ!

 剣武天真流、去年はまだまだ・・・という感じでしたが、今年はベラボーにレベルが上がっていて、正直、これは凄いな~と思う人が二人くらいは居ました。

 特に真剣使って演武した本部師範の丸山さんは、非常に端正で無欲な演武で素晴らしかったですね。

 また、恒例の青木先生の剣舞は、エレクトリック・トランペッターで日本を代表するミュージシャン、近藤等則さんの演奏をバックに舞う・・・という豪華さで、「これ、NHKで番組にしたらいいのにな~。もったいないな~」と思いました。

 近藤さんはドキュメンタリー映画を制作されていて、現在、地方から上映会をされているそうです。

 忘年会を兼ねた打ち上げにも参加させてもらいましたが、近藤さんのお話に聞き耳を立てていて、やっぱ、世界を股にかける人はスケールが違うな~・・・と、いつもファミレスでチマチマとマニア話ばっかりしている私は反省させられましたよ・・・。

 フィリピンから駆けつけた岡田先生(フィリピンでは2000人に教えてらっしゃるそうです。スゲ~!)も、去年よりお元気そうで、終始一貫して師である青木先生を敬愛されている御様子に、私も見習わねば・・・と思いました。

 ちなみに、今回の演武会は吉田倫子さんが中心に企画運営されたそうで、あ~、うちもこんな娘がいたらな~・・・とか、お父さん気分で、ちょっと思いました。

 翌日、N師範が日曜稽古会に参加して、帰りが遅くなったので事務所に泊めて、次の日は上野の森美術館で『エヴァンゲリヲンと日本刀展』の最終日だったんで、一緒に観に行ったんですが、朝にちょっと整体やってもらったんですけど、身体が軽くなってフワフワした感じが面白かったですね

 それと、展覧会はメチャクチャ面白かったですね~。

 私、正直、二流の刀匠が参加しているのか?と思っていたんですが、とんでもない!

 現代刀匠の中でも一線クラスの覇気に満ちた作品ばかりで、驚きました。

 宮入小左衛門行平さんや、松葉さんの作品もあるではないですか?

 松葉さんなんて1m15cmもある大太刀で、迫力がありました。

 また、若手アート・ナイフ作家として注目されている橋本庄市さんがロンギヌスの槍に挑んでいたと知って、なるほど、そうだったのか~?と思いましたね。

 野趣溢れるメルティング加工とダマスカス模様の鉄材を使い、コイル状に巻いていく柄と二又の巨大な槍穂。

 N師範が「持ってみたいですね~」と言ったそれは、25kgくらいあるそうです。

 これは作るの大変だったろうな~・・・と。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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