コンテントヘッダー

初回セミナー感想

 2014年の月例セミナーも始まりました。

 昨年後半辺りから、他流でかなり修行歴のある方が相次いで入会されてこられたり、改めて武術に対する期待感が高まってきているんじゃないか?と思っていたんですが、今年は新規の受講生も増えて、注目度と期待度が上がっているのを感じました。

 武術をウリにしていながら実態としては、かつての自己啓発セミナー的(催眠的)手法を土台とするような方が多いので、「これが本当に武術なのか?」と疑問を感じている人が増えてきているんじゃないか?と思います。

 また、気で説明したりするのは理論的でないので、いくら通っても一向に自分自身ができるようにならない・・・という点も、疑問を募らせているのかもしれません。

 つまり、主催者が神技を演じてみせるだけで参加者は少しもできるようにならないというのです。これでは、普通の道場へ通った方が、ずっと良いでしょう。


 さて・・・、よそ様がどうあれ、私は私のやり方を続けるだけです。一回、一万円も取ってるんですから、参加者に参加して良かった・ためになった・・・と感じてもらえるようにサービス、サービス!ですよ。

 初回は“脱力”がテーマです。

 発勁も合気も脱力ができていないと高度なレベルには至りません。

 どうして至れないか?というと、脱力していないと体内の重心移動によって生じる力を使えないからです。重心移動の力を使えなければ、巨漢の筋肉パワーには勝てません。

 逆説すると、脱力するのは重心移動の力を駆使するために必要だからであり、単に脱力したら勝手に神秘の気の力が出てくる?・・・という訳では全然ありませんので、そこは誤解ありませんように・・・。

 私が脱力技法を選んだのは、あくまでも圧倒的な威力を発揮できるからであって、若い頃は両手の親指だけで壁にカカトを着けてながら逆立ちできるくらい筋トレもやっていたんですよ。

 4kgの鉄アレイ持ったまま一万本空突きやったりしていたんです。30前は。

 その後、太極拳に触れて合気を見直し、脱力して重心移動の力を駆使すれば、筋肉鍛える以上のパワーを得られると確信して、その手の練習はやめてしまったんです。無駄だとまでは思いませんが、効率が悪過ぎると思ったんですね。

 それから失敗を繰り返しながら20年くらい脱力技法を磨いて実戦に使える研究を重ねてきて、やっと確信が持てたのは、ここ何年かくらいですよ。

 まず、脱力技法を使える先生でも、ほとんどの方が、「やっぱり最初は徹底して身体を鍛えないといけない」と言うんですが・・・その通りにやっていても一向に脱力技法は使えるようにならない。

 私は疑問を持ちました。「筋肉の鍛え方を間違うと脱力技法は駆使できなくなるんじゃないか?」と思った訳です。「最初は鍛えないと・・・」という、これがくせ者なんですよ。間違ってはいないけれど、正しいともいえないんです。

 戦闘法として、「敵の攻撃力を絶対に受け止めない」というコンセプトで技術を組み上げていけば、筋肉を硬く鍛えるのは受け止める前提を身体にインプットしてしまうので、徹底して柔らかく受け流したり躱したりする感覚を磨いた方がいい・・・と、私は考えるようになりました。

 何故なら、拳骨は受け止められてもナイフや日本刀の刃、銃弾は受け止められないからです。

 練習で受け止める癖がついてしまうと、対武器戦闘は自滅するだけでしょう。ならば、思い切って、「絶対に相手の攻撃を受け止めない」という前提で訓練した方が実戦への対応力が育ちます。

 これは“意識の転換”なんです。

 昔の柔術でも今の合気道でも相手の攻撃をガシッと受け止めることは本当はしない訳です。型ではそうしている場合もありますが、それは初伝・中伝の型くらいまでで、奥の型になると決してガシッと受け止めないんですよ。

 ここが古武術の一筋縄でいかないところで、最後の最後まで教わらないと本当の使い方が判らない!という峻厳極まりない教え方なんですね。それこそ免許皆伝貰っていても本当の使い方を教わっていない・・・なんてことになる訳で、極意相伝でないとダメなんでしょうね? つまり、本当の使い方を教われるのは宗家を継いだ者だけということです。

 凄いでしょ? 北斗の拳マンマでしょ?

 でも、それが伝統を伝承するということなんでしょう。

 もちろん、きちんと継いでないのに宗家を名乗る人も武術の世界には数多く居るので、私は、肩書や段位とか一切、信用してませんよ。

「有名な先生だから間違いない」と考えるのも素人考えです。私は自分の眼しか信じません。事実、嘘とハッタリで自分をメディアに売り込むことに懸命な人も居ますからね。

 まっ、それはそれとして、“相手の攻撃を受け止める”ということは、僅かでも身体が居着くことを意味します。

 ボクシングの試合で相手のパンチを鉄壁のガードをしているシーンで、相手が打ち続けている間、ガードし続けて一発も打ち返すことができない・・・という光景をよく見ますね?

 一対一ならそれでもいいでしょうが、もし、あの光景で相手が複数いたらどうなるでしょう? 即、袋叩きにされてしまうでしょう?

 戦闘に於いて、相手の攻撃を受け止めることの危険性がお解りでしょう。

 私が提唱している武術の理論は、すべて訓練の意味、実戦時の意味・・・といったことが複合しています。意味の無いことはやらせません。形式的にしか武術の訓練は実施できませんが、それは先に進むに連れて重層的に意味が繋がっていき、最終的にすべてが円環となるのです。

 一年間でその円環を概観できるようにセミナーは設定している訳です。まずは脱力。これが一年後には、様々な意味を含んだ脱力の価値に気づくことになるでしょう・・・。

 そんな次第で、まずは、脱力して重心移動の力を体感してもらうために、見世芸から始めました。

 背後から羽交い締めにされているのを脱力してスルッと抜ける“ウナギ抜け”の技からやってみました。

 これは、力に力で対抗すると力の拮抗が生じて抜け出すのが難しくなります。

 もう、トコロテンがツルンッと押し出されるような感じでやると、「え~、嘘~?」って感じで成功するんですね。

 これはもう、力を抜けば抜く程、簡単にできます。

 簡単過ぎて、本当にできているのか自分でも疑問に思うくらい簡単です。

 初めての方は、案の定、「ホンマかいな?」という顔で首を捻っています。

 が、信じようと信じまいと、技は“効けばいい”んです!

 武道武術を本式にやっている人ほど、やり方や形、姿勢の正しさに拘るんですが、やり方や形や姿勢なんかどうでもいいんですよ。結果がすべてなんです。“効けばいい”。

 この“効く”かどうか?は、実は相手や状況によって変化するんですね。だから、セオリーに拘って同じやり方や形にばかり固執してしまうと墓穴を掘りやすくなるんです。

 得意技というのは反面、弱点なんです。得意な技ばかり使っていると返し技を工夫されて墓穴を掘ってしまう。武術が秘伝に拘るのも、この対策です。

 武術は基本、ルールが無いので、臨機応変な発想ができないと体得できない。「これが正しい」と思った時点で、無自覚なまま致命的な弱点を我が身に拵えてしまいます。

 つまり、絶対の正解が無いのです。

 だから、疑問に思ってもらって全然、OK! 使いこなせるようになれば疑問なんか自然消滅しますからね。よって、もう、参加者の疑問は無視して次から次に脱力の秘技をツルベ打ちにしましたよ。

 まずは、今武蔵と呼ばれた国井善弥先生の必殺技“下段払い”。手はハの字、足はソの字に構えてみよ・・・ってぇ国井先生の道歌にある拳法破りの秘技・・・。

 私は青木宏之先生の技からヒントを得て工夫しました。7~8年前ですかね? 一応、できるようになったのは? 新体道空手を体験させてもらったのも参考になりました。

 これは実演すると、皆さん、ちょっと、どよめいてました。

 北島師範がバーンと思い切って出した中段突きの腕に、ちょこんっと腕を乗せるだけでベチャッと体勢が潰れてしまうのは、見た目にヤラセにしか見えないでしょう。

 体験しつつ仕組みを教えないと納得がいかないでしょう。

 ですから、即、やってもらいました。

 で、皆さん、これまた割りと簡単にできてしまうので、できていながら「ホンマかいな?」と信じられない顔をしている・・・。

「じゃあ、同じ要領で回し蹴りにやってみましょう」と、いきなりAクラス達人技に入りました。

 これは怖がってしまうとできないので、「原理は同じなんだから、怖がらないで先に入ればできます!」と、やらせました。

 やればできる!

 今年はマジで達人が量産されるかも?

 で、ここまでは昨年までやってきました。私は同じ地点に留まるのが何よりも嫌いですから、今年はもうちょっと高度なことをやろうと思いまして、指一本での下段払いもやらせましたよ。

 普通だったら、これはもう見世芸の分類に入ります。

 しかし、原理的には腕でやろうが指でやろうが全身の沈身のエネルギーを使う訳なので、同じことなんですね。前腕でやるより指の方が接触面積が小さいので、それだけ沈身のエネルギーが集中して威力が高まっているみたいで、技を受けた北島師範の崩れ方も激しくなりました。

 実は、私も一度もやったことなくて、「原理は同じだからできる筈だ」と思ってやったんです。

 で、皆にやってもらうと、もう「できて当たり前」という雰囲気になっていたので、皆さん、難無くやれていました。

 流石に、「指一本で大の男を倒す」なんて言葉で言えば胡散臭さしか感じませんが、相手が攻撃してくる瞬間は、実は身体が最も不安定で防御が疎かになるんです。そこに合わせ技で仕掛ければ不可能ではないんですよ。

 無論、これは相手の攻撃のタイミングを読んでピンポイントで軸線を捕らえて斬り崩すように技をかけないと効かないんですが、その辺は12回を通してじっくり体得してもらえば精度は上がります。

 生まれて初めて、こんな達人技をやって一発で体得できたら超天才ですよ。漫画の主人公だって無理です。教えてる私だって、40年近く続けてきて何人もの現代の達人に出会う中で編み出してるんですから、確かに易々と教えてしまうのはもったいないにも程があるかもしれません・・・。

 しかし、超絶難しい必殺技だと思い込んでいたら、いつまでも意識が邪魔をして体得できないものです。「もったいない」と言ってくれる方もいましたが、コツが解ればできるんだ!という意識で取り組むことで体得への最短のルートが繋がるんです。

「もったいない」という意識も低いレベルで自己満足に陥ってしまいます。私はもっともっと上を目指して限界を突破していきたいと思っているので、体得したことは人に伝えて、自分は先に先に進んでいきたいと思っていますし、実際にそうやって研究を進めてきました。

 だから、意図的に過剰に説明しているんです。「やればできる」という自然な心法で場を支配するためです。だから、誰でも簡単にできる・・・という面もあります。

 恐らく、帰ってから実験したらうまくいかなかった・・・という人もいるでしょう。

 しかし、一度でも成功体験があれば、ちゃんと身体は覚えます。地道に続けていれば当たり前にこなせるようになります。

 いつまでもできない人に共通するのは、「あれは達人しかできない技だから・・・」と、自分の意識をそこに留まらせてしまうんですよ。

 とかく、見た目に凄そうな見世芸を演じて、それがさも武術の実力であるかのごとく見せかける人が少なくありませんが、もう、そういうB級手品紛いの技をやってお客さんを集めるしょ~もない商売の形態からは脱却していかないと、世の中から浮いてカルト化し、結果、武術の真価を理解する人がいなくなってしまうでしょう。

 だから、見世芸か、そうでないか?を洞察できる人間をどんどん育てていく・・・そのためには、とにかく自分ができるようになれば判別できますからね。量産型達人養成道場?って感じですかね・・・。

 それに、見世芸であっても原理的には武術の基本を応用している訳ですから、その基本原理を実際の戦闘に合わせて組み立て直せば、本来の武術としての実戦闘技能そのものを向上させていくことは理論的には可能な訳です。

 最近は、そういう研究をどんどん進めています。いわば、既に能力開発としての武術研究になっているのです。これは、やはり、青木先生と親しくさせていただいてから影響を受けているのかもしれませんね?

 今年のテーマは、武術武道を基本原理から検討し直して、人間に潜在化していた実戦闘技能を掘り起こす作業をしようかな?と思っています。

 言わば、「野性の証明計画」?ですよ・・・。

 これはもう游心流という枠組みではないのですが、そういう試みをする流派そのものがどこにも見当たらないので、“仮説実験武術”としての游心流と名乗るのも悪くないかな~?と思ったりしています。

 世の中、刃物や拳銃が当たり前に使われるようになってきていますし、従来の武道の枠組みでは、到底、対応できないと思いますしね~。

 また、社会状況自体も、これからどんな具合に変わっていくか先読みが難しくなってきました。

 武術は戦略的な思考法をするのが特質です。

 だから、私の結論は、国家には頼れない。権力者に期待するのは無駄。

 庶民ができることは、個人レベルで“戦いに備える”こと・・・くらいですよ。

 卑近な例でいえば、学校や職場でのイジメやパワハラ、それから突発的な通り魔やストーカーへ備える意識、ハイテク詐欺への対策・・・いくらでもありますよ。

 もう、自分の身は自分で護るという意識がないと対応できないと思います。

 よって、外部に頼るのではなく自分自身を頼れるように、まずは護身の術を体得していくことから始めてはいかがでしょうか?

 もっとも、皆さんが考える護身術の何千倍もの容量を私は提供していくつもりですから、しっかりついてきてくださいね~?

PS;東京都知事選、細川・小泉という元首相コンビの登場で俄然、面白くなってきましたね? お二人とも、もう政治の世界には興味が無くなっていたでしょうから、純粋にこれからの日本を思っての最後の御奉公という気持ちでしょう。私は神奈川県民なんで応援するだけですけど。

PS2;19日は西荻窪ほびっと村学校で神業伝授!講習会です。セミナーの1/3以下の料金で超お得ですから、是非、宜しく!

関連記事
スポンサーサイト
このページのトップへ
コンテントヘッダー
著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

FC2カウンター
リンク
最新記事
カテゴリー
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

月別アーカイブ
ブログ内検索