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演武とセミナー

 8日(土)には、東京支部の稽古に使わせてもらっている文京区勤労福祉会館のお祭りにて演武をやらせてもらいました。

 積極的に事前告知しなかったので、最初、三人しか観客?がいなくて、ウゲゲッと、一気にモチベーションが落ちてしまいましたが、松田英子先生や、会員、小説講座の友人や会館の職員の方とか、後から何人も入ってくださって、まあまあ、こんなもんかな?くらいのお客さん?に見て戴いて、楽しくやれましたね。

 多分、最後の演目だったので、先に演じたフラダンスや合唱サークル等々の団体関係の皆さんがごっそり帰ってしまった(普通、自分の団体が終わったら帰って打ち上げするもんね?)のも関係あるのかな~?と思いましたが、うちは北島師範を筆頭に“緊張しい”が揃ってるので、このくらいが気楽です。

 さて、せっかくなんでビデオで撮っておこうと思いまして、私は一応、稽古着に着替えてからビデオカメラ操作をしていたんですが、開始時間が迫ってるのに、うちの連中ときたらお喋りしていて、みっともな~い!

 しょーがないな~と思って、柄にもなく「はい、始まるよ~!」と軽く気合入れましたよ。

 東京支部長が挨拶と軽い紹介をしまして、最初は北島師範が簡化24式太極拳を演武。と、途中で頭が真っ白になってしまったのか? ピタッと止まって、また再開・・・。

「あ~、そういえば、俺もクエストの最初のDVD撮影の時に同じようになっちゃったな~?」と思い出しましたね。そんなとこまで俺に似なくて、ええんじゃ~ぃっ!(泣)

 え~、ただ型を演武するだけだったら、どこの団体でもやってることなんで、うちの特徴である分解組手スタイルの演武も披露・・・。

 あっ、何か同じ技を同じように三回もやってる・・・。う~む・・・まっ、いっか?

 続いて山田師範の詠春拳。

 小念頭の套路をやって、分解組手をやるのか?と思ったら、普通にセミナースタイルでフリーダムな護身術解説で時間オーバー・・・。う~む・・・まっ、いっか?

 次は北島師範の空手、ナイハンチの演武。

 山田師範が夢中になって時間オーバーしたので、短いナイハンチで時間調整できましたね。うちはN師範が超絶演武上手くて私より上手いんだけど、上手いというのも度が過ぎると通の人しか理解できなくなってしまうので、北島師範くらいの“普通に上手い”くらいが手本としてもいいんですよね。

 やっぱり、お手本になる上手さというのが師範には必要ですからね。北島師範は、うちの会員の中では一番、“癖”が無いので、後進の指導に向いているんです。

 それから、ナイハンチの分解用法なんて私は全然、教えていません。彼が自分の動きの流れの中から導き出したものであり、この点も、10年、私についてきてくれた彼の中に育った誰にも真似できない彼自身の感覚なんです。

 ある意味、もっとも游心流の理合を体現していると言えます。

 あれで緊張しいが、もう少し直れば完璧だよな~。


 次は小塚師範と池田新会員による合気道の演武。

 これが全演武中、一番、ウケた?かも・・・。

 何故なら、ここの会場って床がスッゲー堅くて、ここにビターンと投げ付けたら無事で済まないのは誰の目にも明らか・・・。そこでちゃ~んと受け身を取り切った二人の技量に観客の皆さんもスゲー!と思った様子です。

 あそこで演武できるのは、多分、二段以上の実力が必要でしょうね? 初段くらいまでの人だと打ち身や骨折の心配があります。

 でもね~。TVや映画のドラマのアクションなんかでは、こんな場所でも当然のように転がったりするでしょう? 私がプロのアクション俳優やスタントマンを絶賛するのも、地味に、こういう場所でやっているという点があるからなんですよ。

 余談ついで・・・。15(土)、16(日)の二日に渡って放送されるキムタク主演の『宮本武蔵』、アクション指導は谷垣監督が担当しているそうです。

 谷垣監督はドニー・イェンの盟友で数々の香港アクションで武術指導をしてきたアジア屈指のアクション監督であり、『るろうに剣心』『猿飛三世』のアクション監督をつとめたことで日本でも広く知られるようになりました。

 私は高瀬先生の御紹介でお会いしまして、お薦めの『武侠(捜査官X)』『特殊身分』は最高でしたよ。特に、『特殊身分』は、撮影が難航しまくった作品だそうですが、もう、物凄い現代アクション! いわば、ドニーさんによるジャッキーの『ポリスストーリー』みたいな印象ですかね? 私、字幕無しで見たんで話の細かいところは解らないんですけど、とにかくテンポが良くてアクションが凄いから、まったく気にならなかったですね。

 はい、余談、終わり!

 演武はスリリングで、合気道の凄さを示してくれましたが・・・「合気道は無手でおこなう剣術なんですよぉ~」と解説した小塚師範・・・。

「くぅおらぁ~っ! それは俺が解説することやんかぁっ! 宗家に恥かかすんかい、ワーレー?」と、心の中で叫びました・・・(っつうことで、予定していた出し物、急遽、変更・・・私みたいにアドリブ利かない先生だったら、どないすんの~?)。

 お次は、続発するストーカーや通り魔の事件で使われるナイフに対する護身術。

 これは合気道式とフィリピノマーシャルアーツのカリ式の二通りやってもらいましたが、同じシチュエイションでも流儀によって、対処法がこんなに違ってくるのか?というのは、見ている人達にも興味を持ってもらえたんじゃないかな~?と、思います。

 合気道って、本当に現代の日本武術の最も優れたところを集大成しているんじゃないかな~? 対刃物、対複数を想定して技術が体系化されてるのって・・・。

 私は、まったく武道経験の無い人が始めたいのなら、合気道を薦めますね。目先の実戦性ではない本質的な実戦性を知らない間に体得できると思います。無論、いい先生に習えればの話だけど・・・。

 また、山田師範の解説の見事さがここでも際立ってて、いい感じでしたね。本当に彼は素晴らしいですよ。ブルース・リーが創始したJKDの先進性を感じます。

 武術に関心が無くても、ナイフで襲われるのに対処する方法を考えておくのは、今では社会的な意義がありますからね。誰もが無関心ではいられません。

 介護やスポーツ、日常の動作に応用が効くのは良いことだろうとは思うんですが、「それって武術じゃなくて、いいんじゃね?」と思うんです。イメージ上の箔を付けるために武術という言葉をくっつけてるだけでしょう? 言ってる本人がまるで解ってないんだから、下手なギャグみたいなもんです。

 知らないなら、黙ってなさいよって言いたくなるんですよ。言いたいんなら、ちゃんと勉強してから言えばいいのに、無知なのに自己顕示欲だけ肥大してる人間が多い。

 護身の役に立たない武術では、シャレにも何にもならないと思うんですよね~? この点、現時点で日本の武術を巡る評価は歪んでしまっていると思いますよ。

「戦えない武術に存在意義は無いのか?」と、昔、中国武術を指導している方から問われたことがありますが、私は「戦えない武術を武術と名乗る必要性は無い」と断固として譲りませんでした。

 この考えは今でも微塵も変わりません。ただ、誰もが誤解しがちなのは、競技試合で闘って強さを証明することが存在意義なんだと勘違いしている点です。

 競技試合はスポーツの範疇であって武術とは基本的に関係ありません。練習の一表現法としてなら否定しませんが、目的では無いのです。

 それを目的化している格闘技や競技武道の世界は、スポーツの良さを追求していたり、あるいはプロとしての興行はエンターティンメント産業として成立している訳ですよ。

 それはれっきとした社会のシステムの中に組み込まれたものなので、プライドを持って取り組んでいる人達が居る。私はそういう人達には敬意を持っていますし、真面目に取り組んで居る人達を惑わすような武術を利用する連中とは関わりたくないです・・・。


 さて、最後は、カメラは放置したまま、私が独己九剣を演武する予定だったんですが、結構、時間オーバー気味だったんで、杖術と抜刀術と無刀捕りをちょこちょこっと演武しました。

 お客さんがドン引きしないように・・・と、模擬刀じゃなくて鞘付き木刀使ったんですが、左剣だけやって、後は雪崩潰しの原理を利用して指一本で刀を抑えるとか、空手に応用した“指一本で下段払いして中段突きを潰す技”・・・とかやりました。

 杖術は小塚師範が見栄えするから演武にいいんじゃ?とリクエストしてたのでやったんですが、どうも、格好つけてやるのって抵抗があって、ちょこっとピュピュン・・・くらい振ってみたけど、(まっ、いっか?)と、実際に使うのは、わざと地味~に、得意技の杖突きの構えから、相手の刀が振り上げて斬ってくる瞬間の隙間に喉元に突き付けて、はいっ、おわりっ! 

 地味だけど、多少、剣道とかやってる人だったら、これが、かなり高等な技だというのは判るでしょ~ん?という、投げやりな感じで演武したんですけどね。

「オリャァーッ!って、派手に振り回したりするのは無駄なんですよ~」と。

 で、そのまま体験コーナーに突入。知り合いの松田英子先生と小説講座の友人の女性と、会館の職員の方?を誘って、秘技ウナギ抜け・いつもの合気上げ・いつもの指合気・いつもの二人捕り・いつもの沈身崩し・・・とかやりました。

 まあまあ、ウケは良かったかな~?という感じで終了。

 後で会館の職員の方から、「先生だったんですね~?」と、言われました。単なるお弟子さんだと思ってたみたい。てへっ(笑)。

 松田先生の感想では、私が演武するとは思ってなかったそうで、皆が割りと派手目にやってるのに対して、私が無駄に動かないで最小の動きで技かけてるのが印象に残ったそうでした。やっぱり、プロの見る視点は違いますね~?


 翌日は“読み”のセミナー

 先月が大雪で参加者が少なかったんですが、今回はなんか多いです。

 でもまあ、参加した人達には解ってもらえると思いますけど、“読み”が武術の秘伝中の秘伝ですからね。

 判ってない人が大半だし、知ってはいても使いこなせない人が多いし、解ってる人は隠しているし・・・という秘伝です。

 私も本当は、これは公開したくありません。20年間、最大の研究テーマとして追究してきた事柄なんで、安売りしたくないんですよ。

 実際、数年前まで門外不出にして、他言した会員は破門にしていたくらいです。

 事実として、“これ”を研究していくことで武術はどんどん進化していきます。

 数年振りにセミナーに参加した人もいたんですが、多分、以前とは別の流派のように変わっていると感じたことでしょう。そんな驚きの顔付きをされてました。

 例えば、私自身、無刀捕りなんて、20年前はまったくできなかったし、10年前も形だけ。ここ最近、ようやく理論的に解析できるようになりました。

 そうでなかったら真剣でやったりしませんよ。失敗したら人生おしまいですからね。

 できるできないで、こんなに差が出る技もないかもしれませんね。


 ちなみに無刀捕りができるようになると、触れずに倒す系の気当ても勝手にできるようになりますし、先を取るのも自在にできるようになります。

 と、口で言っても納得できないでしょうから、今回はバンバンやって見せて、バンバンやらせてみました。

 心の一方系の触れずに相手を竦ませるような技の原理も、今回は実演解説して見せましたが、これも受けた人間しかピンと来ないと思います。

 気当ての類いにも、実はいろんな種類があるんです。

 気合で竦ませる・寸止め攻撃で竦ませる・感応にかかって勝手に倒れる・・・等々。

 前日に演武でやった杖の技も気当ての一種なんですよ。アドリブでやったから事前打ち合わせの型じゃなかったんで・・・。

 読みの訓練をしているうちに、こういう類いの技は副産物的に勝手にできるようになってきたんです。

 原理が解ると応用は自在にできます。その瞬間の「あっ、これか?」という感動がある訳なんですよ。これが面白いから、武術はやめられない・・・。

 もうね~、流派の優劣とか強い弱いを論じている連中が、いかに頭が悪くてものを観る眼が無いか?ということが痛感できます。

 読みを磨いていくと、構えの隙(向かい合った瞬間、あっ、ここガラ空きだな~?って判るようになる)も観えるし、動きの出も読める。

 先を取って戦う武術の戦闘理論が理解できると、力やスピードに頼ることが非常に低いレベルであることが解ります。

 外側から、明確に判るような凄さは“雑”なんですよ。アラが多いんです。

 拍子、調子、タイミングというのも一つしか考えない人が多いみたいですが、違うんですよね。

 合わせる拍子、越す拍子、外す拍子の最低、三つくらい使い分けられないとダメだし、「それって何のこと?」と思うようなヤツは武術なんか学んでもものにならないです。

 これ以上は書きません。

 武術は情報じゃないんです。情報は多い方がいいけれど、正誤の判別がつかない人間は混乱するだけだし、結局、原理を理解して実際にできるかどうか?が核心なんです。

 その意味でも“読み”を磨くことで、観察力・洞察力・分析力を養成して対応力と応用力を磨くことが、誰もが武術の名人達人の境地に到る王道だと私は思いますね。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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