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キムタクの宮本武蔵みなかったら大損だよ

 キムタク主演のTV朝日開局50周年記念『宮本武蔵』が空前の低視聴率だったとか?

 マジっすか?

 あんな面白いのを見ないなんて、バカじゃないの?

 宣伝が悪いのか、「いまさらキムタク主演の時代劇なんて・・・」とヘンな先入観(うちの会員にも、こう言ってる人が居た)で見逃した人が多かったんだろうと思うんですが、大損してますよ。

 私は『武士の一分』見た時から、キムタクの時代劇役者としての可能性に目をつけていて、大チャンバラ殺陣をやらせてみたいな~・・・と、プロデューサー気分でいたんですが、だから今回の『宮本武蔵』は大満足でしたよ!

 確かに脚本はスッカスカで、「これはミスキャストだろ~?」と、金八先生の柳生石舟斎にはズッコケました。

 真木よう子のお通も、彼女のキャラクターとは違い過ぎると思ってましたから、やっぱり真木よう子の持ち味が出てなくて非常に印象が薄くなってしまっていて、可哀想だな~と思いました。

 キャスティングで嵌まってたのはユースケサンタマリア。配役聞いた時点で「ハマリ過ぎだよ」と思いました。

 沢庵が強過ぎるのは御愛嬌で許せるとして、西田俊行(※事務注 西田敏行?)の奥蔵院もビミョ~・・・。

 しか~し、無問題!

 そもそも、真実の宮本武蔵の人生に、お通も又八も存在していないし、沢庵和尚との交流も無かった。恐らく、武蔵は沢庵に一度も会ったことない筈・・・。

 ただ、柳生新陰流との関係はありました。

 でも、石舟斎には多分、会ってないでしょう。

 柳生の門人とは何度か試合していますがね・・・。

 恐らく、吉川英治の『宮本武蔵』と変わってるところが気に入らないと言い出す人もいるかと思うんですが、吉川武蔵をドキュメンタリーみたいに勘違いしていることを反省すべきで、今回のキムタク版の挑戦的なアプローチをアッパレ!と絶賛し、次なるリアルな宮本武蔵への布石、エポックメイキングとして受け止めるのが正しい鑑賞の仕方でありましょう!

 私、現在、時代小説の武芸考証仕事人として活動を始めておりますが、現在の時代小説は過剰なまでの時代考証に縛られて自由な執筆が妨げられてしまっており、実に窮屈ですね。

 時代小説の醍醐味は剣豪や忍者のバトルにこそあると思う私にとっては、現在のノーバトルばっかりの時代小説にワクワクドキドキはさっぱりありません。

 これで売れんの?と思っていたら、実は大して売れてないらしい・・・何それ?

 最近の作品では『るろうに剣心』と『妻はくノ一』が抜群に面白かった。

 どちらも、香港アクションのリズムとスピード感を導入して技術的に殺陣の革新を図った点が素晴らしかった。

 映画監督の園子温が出演している深夜のトーク番組で、日本映画の人情の機微とか、「そんなの要らねぇよ!」みたいに吠えてましたが、大賛成!

 もっともっと、活力のある作品『活劇』が見たい!

 難病に侵された恋人と・・・みたいなのはもういいよ!

 私だったら、難病に侵されて余命いくばくもない武術家が、どうせ死ぬなら悪徳ヤクザ政治家を道連れにして死んでやるっとカチコミかけて全員抹殺して警官隊の一斉射撃で死ぬ・・・っていう『ドラゴン怒りの鉄拳』みたいな話にするよ。

 別にアクション映画でなくっても、ダリオ・アルジェントの往年のホラー作品なんて、物凄いパワフルな演出でビックリしますよ!

 久々に『フェノミナ』見たけど、スゲーッ!って感じです。もう、ムチャぶりが凄いですよ。よくよく考えると『13日の金曜日』と同じストーリー(奇形の息子の母親が殺人犯)なんだけど、虫や動物と精神感応できる美少女が孤軍奮闘するヒロインアクション物になってます。

 これはジェニファー・コネリーが主演でなかったら成立しないな~と思った。

 耽美的なところがグロとゴチャ混ぜになってて蛆虫死体プールにジェニファー・コネリーがおっことされるシーンなんて凄いです。

 実際はココアプールだったそうなんですが、巧みな蛆虫カットとの編集で、実際にそういうのに落ちてる感じがする。

 発狂するよ、これ・・・。


 おっと、話が逸れました。

 キムタク版『宮本武蔵』は、確かにいろいろ欠点はあります。

 例えば、坂崎出羽守事件で柳生宗矩が賜った二蓋笠の家紋を堂々と掲げていたり(この時期にはまだ無いし、尾張柳生はずっとワレモコウの家紋を使っていた筈)、時代考証的には相当にアバウトです。

 が、そのアバウトさは原作にもともとある訳で、いつまで経っても原作に呪縛されたままの武蔵像から、そろそろ変えていったらどうか?と私は思いますね。

 その点で、今回はアクション活劇として従来の武蔵像を大きく変えて見せた点こそを大絶賛してしかるべきだと思うのです。

 これはアクション監督の谷垣健治氏の功績である点に異論を挟む人はいないでしょう。

 御本人にメールして感想を述べたところ、『るろうに剣心2・3』と重なり、時間的な制約で思うような水準にできなかったという忸怩たる思いが残っていたらしいですが、それでもテレビドラマであれだけ大掛かりで多彩なアクションを組み立てて見せるというのは本当に凄いと思いますね。

 知り合いだから贔屓目に書いていると思う人もいるかもしれませんが、私は研究家気質なんでダメだったら「う~ん・・・まっ、いっか?」程度にごまかして書きますよ。

 本当に凄いんですよ、コレ!

 何が凄いかって、アクションにいちいち主張があるんです。これはキムタクの功績でもありますが、単なるダンドリ通りに動きました~って感じじゃなくて、刀の振り一つにも気が通っているんです。

 武術の演武だと、ただ形だけなぞっておしまい・・・ってのが多くて、逆に、見てても糞面白くない。下手だからそうなるか?というと、上級の人は無心で動くから余計にそうなるもんです。

 私、演武頼まれると、大体、ギャグ入れるんですけど、普通に演武してもつまんないでしょ~?って思ってるんで、サービス精神が働くんですよ(下手なの、ごまかす意味もある)。

 よく武道家や格闘家を連れてきてアクションやらせると、非常に迫力が無いものになってしまったりするんですが、真面目な人ほど、そうなってしまいます。

 この点、プロレスラーはうまい人が多いですよね。プロレスの試合が一種のモキュメンタリーだからでしょうかね。

 アクションで見せる場合は、ケレン味は絶対に必要なんですよ。

 リアルさだけ求めると、本当に面白くも何ともなくなってしまいます。

 ここに見せ方の工夫が必要になりますね。演技であったり、カメラワークであったり、特技であったり、編集テクニックであったり・・・。

 やっぱり本編の演出も経験している人だと総合的な見せ方の工夫が上手いですよね。谷垣監督はその点での上手さもあるからなんだと思います。

 この分野では、やっぱり香港アクションが歴史が長いだけあってノウハウの蓄積がハンパないと思います。

 ユエン・ウーピン、チン・シウトン、ラウ・カーリョンと、いろんなタイプのアクション監督が居て、それがハリウッドやヨーロッパにも影響を広げていったし、『マッハ!』や『ザ・レイド』も、よくよく見ると香港アクションの影響を多大に受けてますよね。

 ジャッキー・チェン、サモハン・キンポー、そしてドニー・イェンという演技者と同時にアクション監督でもある俳優に関しては、真の意味でブルース・リーが開拓した分野を確立したと言えるんじゃないでしょうか?

 ただ、忘れがちなのは、香港アクションに影響を与えたのは日本の時代劇であったという点で、座頭市、子連れ狼、木枯らし紋次郎なんかが香港映画に登場したりするのも珍しくありません。

 そういう意味でも香港アクションで育った谷垣監督が、その技術をフィードバックして時代劇アクションに革命を起こしつつある“今”を、きちんと見ることが必要だと思いますね。

 何よりも、こんな面白い時代劇を見ないなんて、日本人として恥ずかしくないのか?と言いたいです。

追伸;『47RONIN』も、忠臣蔵じゃなくて『里見八犬伝』にすれば良かったんですよ。最初からファンタジー時代劇だと言っておけば大ヒットしたかもしれない。“「角川映画の『里見八犬伝』を贅沢な予算を掛けて創りあげた娯楽ファンタジー絵巻」といった感じだ。”・・・と、『宇宙船』のレビューで書いていたホラー映画評論の第一人者の鷲巣義明氏の批評が言い尽くしてますね。いっそ、『里見八犬伝』を日中韓合作したらいいんじゃないかな~? 谷垣アクション監督で・・・。『妖刀・斬首剣』みたいなぶっ飛んだのが見たいな~・・・。

追伸2;蟹江敬三さんが亡くなられてショックです。『スケバン刑事』『影の軍団』『鬼平』シリーズが有名だけど、ゲストだと刑事物や時代劇に無数に出ていて、特撮物だと『ウルトラマンA』カウラの回の牛男や、『ウルトラマンレオ』の円盤生物ブニョが有名ですね。ブニョは実力が無くて弱い怪獣なんだけど、悪知恵が働くという設定で、レオをバラバラにしてしまうという快挙を達成したので特筆されてます。まさかと思ったけど、ワイドショーでブニョのシーンが出て驚いた。宇津井健さんが亡くなられた時は、流石に『スーパージャイアンツ』は出なかったけど・・・。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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