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友寄先生ありがとうございました

 私が最も尊敬する武道家のお一人である賢友流空手道二代宗家、友寄隆一郎先生が、6月30日に御逝去されていたことを、「喪中につき年末年始のご挨拶を失礼させていただきます」とのお葉書を奥様より頂戴して知りました。

 もう、雷に撃たれたような衝撃で、稽古に行く足がくじけそうでした。

 ここ最近、空手雑誌などは買っていないので、まったく知らなかったのです。

 友寄先生からお預かりしている原稿を書籍化するお約束も果たせないまま、合わせる顔も無いと思いつつ、何とか出版のお手伝いはできないか?と思っていたものの、もう、二度とお目にかかる機会が失われてしまいました。

 残念というより、申し訳ないという思いがいっぱいです。

 ちくま新書の本で友寄先生のことを書いていたら、お弟子さんから聞かれたそうで、わざわざ御礼のお手紙と記念会報をお贈りくださいました。

 約束を果たせない私を叱るどころか、暖かい言葉をかけてくださいました。

 が、それが逆に申し訳なくて、本一冊出すこともできない自分が情けなくなったものです。

 言い訳は男らしくないと思いつつ、ちょうど、出版不況が本格的になり始めた時期と重なってしまったのが悔やまれます。

 内容がハイレベル過ぎたのです。

 専門書は売れないという出版社の判断で企画が通らなくなったのですが、本当に価値があるものを出せないというのは、残念なことでした。


 ただ、今でも友寄先生とお会いした時の記憶は、一つ一つを鮮明に覚えています。

 忘れようにも忘れられない技の見事さ。

 明快で豪快なお人柄。

 そして、本質を観抜く洞察力。

 本当に、凄い先生でした。

 そのくせ、ギャグを言って笑わせるのが好きな茶目っ気もある優しい方でした。


 しかし、「昔の武道家はもっと凄かった」と言われていました。綺麗事を言われる先生ではなかったので、本心からそう思われていたのでしょう。

 けれども、私がお会いした先生方の中でもトップレベルのず抜けた実力の先生であり、空手家でありながら中国武術の実力も本場の名高い老師に優るとも劣らないものでした。

 先を取る理論(先の先・対の先・後の先)、交叉法の理論(攻防一致)も、私がお手本にしたのは友寄先生の考えられた理論でした。

 多くのお弟子さんに尊敬されてお幸せであったと思います。

 また、世に二人といない鬼才に学ばれた方々は幸せでしょう。

 本当に見事な技には、「やられてみたい」という気持ちになってしまうものです。

 友寄先生の技には、希代の名刀のような圧倒的な美しさがありました。

 直にお会いしたのは数回でしかありませんが、何十年も学んだような濃厚なお付き合いに感じられます。

 武道のみならず、仏教や神道といった宗教哲学にも通じておられ、霊能力のような不思議な能力も示され、慄然とさせられたこともありました。

 武道に秘められた人間の潜在能力を示された経験は、今も強く心に残っています。

 だから、私の心の中に永遠に友寄隆一郎先生のお姿が消えることはないでしょう。


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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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