コンテントヘッダー

大野雄二トーク&ライブ

 15日は日曜の本部稽古会で、中級対錬DVDで差し手の応用解説を撮り損なっていると小塚師範から指摘を受けたので、これを撮りました。

 差し手というのは、太気拳で用いられる用語で、厳密に言えば武術全般に用いるのはNGかもしれません。

 しかし、立禅、這い、練り、揺りといった太気拳の言葉が、既に極真空手で用いられ、一般的な武術用語として少しは浸透していることもあり、うちでも使わせてもらっています。

 中には語源を知らずに使っている師範の方も居ると思いますが、これらは太気拳(太氣至誠拳法)の創始者である澤井健一先生がネーミングされたもので、澤井先生が中国で学んだ意拳(大成拳)の練功法を日本式に分かり易く改名して教えられた訳です。

 站椿功が立禅、摩擦歩が這い、試力が練りと揺り・・・かな?

 太気拳関係者の中には、「太気拳は日本武道化しているのだから中国武術と名乗る必要はないのではないか?」と言われる方もおられるようです。

 ですが、澤井先生の動きには意拳の源流である形意拳の要素も濃く、形有って形無しの境地に至っていた澤井先生を目指すのならば、源流の中国武術をもっと研究した方がいいのではないか?と私は思います。

 何故なら、太気拳の母体である意拳が「套路を捨てた」と言われていても、中国武術の技を捨てている訳ではなく、形意拳のみならず、梅花拳、白鶴拳、心意六合拳といった門派との立ち合い交流の中からヒントを得ているからです。

 どうも、日本の武道格闘技の愛好家は中国武術を不当に低く見がちですが、これは全然、理解していないからですよ。理解していれば、その高度な戦術と技法を無視できる道理がありません。

 未だに「中国武術は型ばっかりで弱い」と言う人もいますが、それは、ただただ、中国武術の戦術や技法を知らないからなんですよ。

 無論、日本で中国武術を学んでいる人達どころか教えている人ですら、解っていない事例が多いので、一面では致し方がないのかもしれませんが。

 それにしても、日本武道の修行者には、自分の学ぶ流派の沿革すら知らない人も珍しくありませんし、他流に関しては驚くばかりに無関心の極みです。

 例えば、居合道を学んでいる人のほとんどが、正座で帯に差した大刀を抜き納めする行為に何の疑問も感じていない様子ですが、コレ、根本的におかしいんですよ?

 何故なら、江戸時代の武士に正座の習慣は無いからです。

 また、大刀を差したまま座るのもおかしい。

 つまり、現代の居合道の所作そのものが根本的に武士の習慣とは掛け離れたものなのです。

 それなのに、「武士の心を忘れない・・・」とか、ヘ~キで言ったりするじゃないですか?

 これじゃあ、パロディにもなりませんよ。

 答えは書かないでおきましょう。今回は疑問を呈しておくだけにします。

「どうして、こうするのか?」と考えること自体に意味がある。そこから研究が始まるのです。研究されなければ発展もあり得ません。

 武術の発展は組織の拡大ではないのです。間違ったことを広めるのは罪でしかないのですから・・・。


 さて、“差し手”という言葉は太気拳の用語ですが、実は同質原理の技法は中国武術で一般的に用いられています。

 もっとも、特に呼び名は無いみたいです。

 どうしてか?というと、中国武術の戦闘理論上の重要な戦術を秘めているので、恐らく、公開したくないからでしょう。

 昔、その点を中国の先生に質問してみたことがありましたが、見事にはぐらかされました。が、私はニンマリして帰りました。「やっぱり、差し手が肝心だよな~」と確信が持てたからです。

 つまり、肝心要なことだから、知らないフリをした訳です。

 これまた、理由は書きません。いろんな先生が知ったかぶりして「差し手が大切なんだ」と言い出すに決まっているからです。知らない人間が言い出すと、甲野氏とナンバみたいに間違いが広まって収拾がつかなくなりますから。

 ちなみに、「差し手は超高度な技で、簡単にできるものではない」と、太気拳では言われています。

 確かに、相手の攻撃手に合わせて“対の先”で用いるのは至難の技です。剣術で言うなら、“切り落としを成功させるようなもの”だからです。

 しかし、後の先か、先の先で用いるのは、さほど、難しくはありません。初心者でも理合を弁えて、多少、練習していればできるようになっていきます。

 初めから神格化して“達人しかできない”と決めつけてしまえば、自分ができないことに言い訳を与えてしまいます。

 できる人間がいる以上、誰にでも可能性はある・・・と考えて練習しなければ、永遠にできないままでしょう。

 どうも、原理を見ないで見た目のスピードやパワーにばかり捕らわれる人が多いですね~? はっきり言って、そのレベルでしか見れない人間に進歩は望めません。

 ゆっくり動いていても結果的に早い・・・そういうのが年齢を超えた武術の術たる所以なんですよ。これは、無駄なく動いているという以上に、読みを駆使しているのです。

 パワーやスピードは、合理的な技の動きを追究していけば勝手に上がります。ガンガン筋トレして鍛えた技は、病気したり年とったりすれば失われてしまいます。無駄な練習はしない!

 撮影は無事に済んだので、後はカメラを止めて、実戦向けの差し手の応用を指導しました。

 やっぱり差し手ができるだけでは武術的には充分ではないので、細かい秘訣や応用技法を知らなければなりませんからね。でも、この辺は真似されると怪我人や死人が出てもおかしくないので、門外不出ってことで、撮影はしないで会員にのみ教えました・・・。

 練習後は夕方からメイプルホールで大野雄二さんのライブ&トークショーが開催されるので、一旦、自宅に帰ってマッタリしてから出掛けました。

 大野さんのライブは年二回くらいの頻度でメイプルホールで開催されていますが、私は三回目です。

 言わずと知れた『ルパン三世』に、『人間の証明』『野性の証明』『犬神家の一族』といった角川映画、『黄金の犬』『最も危険な遊戯』『スペースコブラ』『キャプテンフューチャー』『大追跡』等々、大野さんの音楽は70年代から80年代にかけて日本人の音楽脳に刻まれています。

 40代以上だったら、お名前は知らなくてもメロディーを聞けば聞き覚えがあるでしょう。特に個性が際立っておられるので、初めて聞く曲でも大野サウンドかどうかくらいは判るものです。

 膨大にある作品の中から私の好みに併せてもらうことは不可能ですが、毎回、「これだよ、これこれ・・・」という感動を味わわせてもらえます。

 今回は、大野さんのトークと普段は聞けない逸話や意外な音源が聞けて、非常に楽しく、あっという間に終わってしまった印象でした。

 ルパンや、イーストウッドの声で知られる山田康雄さんの逸話は、本当に意外でした。

 音楽監督と主演声優に交流があるというのは、あまり聞いたことないですが、親しくされていたんですね~?

 そういえば、ルパンのOVAの『グリーンvsレッド』という作品は、ルパンに成り代わろうとする青年の話でしたが、グリーンはファーストシーズンのルパンの着ているジャケットの色、レッドは大ヒットしたセカンドシーズンのジャケットの色・・・。

 シュールな作風にはルパン三世の裏事情が見え隠れしていました。

 が、大野さんのお話を聞いていて、ふと気づいたのが、この作品の主人公の青年の名前がヤスオ! つまり、この作品は急逝した山田康雄さんに捧げていたんですね~?

 山田康雄さん自身がルパン三世と一心同体になっている方だったので、その康雄さんの心象風景のようなファンタジックな作品でした。

 かつて、ルパンのセカンドシーズンの最終回の演出を依頼された宮崎駿監督は、セカンドシーズンで活躍してきたルパン・ファミリーが実は偽者で、本物のルパン(ファーストシーズン?)が制裁を加える・・・という凄い内容を考えていたそうでした。

 当然ながら、そんな過激な話では長期に渡って国民に愛された人気作であるセカンドシーズンを楽しんで見ていた視聴者を裏切ることになる・・・との判断で、あの『さらば愛しきルパンよ』となった訳ですが、そう言われてみれば、最初の案の片鱗は残っていますよね?

 宮崎監督は子供向けの愛らしい作品を作る温和な人みたいに思われがちですが、メディアに登場する時は頑固な変人職人監督っぷりを全開にしてたりして、かつて組合運動の過激な闘士だったという話も納得がいきます。

 可愛い絵柄だから気づきませんが、宮崎監督の作品って実は毒気が満点ですよ(笑)。

 先日、ぽにょを見ていたら、「これってクトゥルー神話そのものだったんだな~?」と思いました。

 宮崎監督版の『インスマスの影』ですよ。

 例えば、絵柄を諸星大二郎にしたら、完全にホラーになりますよ!

 宮崎監督は諸星大二郎ファンだそうなので、ホラー版ぽにょをシャレで作ってくれないかな~? いや、シャレは通じないか?


・・・え~っと、そんな訳で・・・大野雄二さんのライブ&トークショー、楽しんできました~!(水もれこうすけも大野さんだったんだな~?)

関連記事
スポンサーサイト
このページのトップへ
コンテントヘッダー
著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

FC2カウンター
リンク
最新記事
カテゴリー
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

月別アーカイブ
ブログ内検索