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支部長揃いぶみ

 まだ正式に会員を募集して活動している訳ではありませんが、游心流には兵庫支部と三重支部があります。

 2月22日(ニャンニャンニャンの日!)の日曜日の本部稽古会には、たまたま、この兵庫のKさんと三重のIさんが参加しました。

 まだ個人でやっているだけなので支部活動をしている訳ではないのですけれど、「いつでも支部稽古会を主催していいですよ」とは以前から言っています。

 兵庫にはもう一人会員がいるので、できなくはないと思っていますが、Kさんが仕事で日本中、移動しっぱなしのようなので、落ち着いてやれないのが難点です。

 一方、Iさんは、うち以外の武道経験が無いのと、まだ若いので教える側に回るのはまだ考えていない様子です。

 ですが、この日、二人の練習ぶりを見ていると、もう活動中の支部長とそんなに遜色も無く、入会してから何年も経過しているからな~?と、安心して見ていました。

 Kさんは、もともと、F拳法の先生ですから地力は問題ありませんし、うちの技や戦法も充分に体得されていて、小塚師範が「怖いです」と言うくらい動きに迫力があります。

 以前、大会での釵の演武動画を見せてもらいましたが、素晴らしい動きでした。

 数年前に地方の道場で教えた時に、游心流式の八卦掌や八極拳の変化技をやって見せたら、中国武術マニアの人から「ついに本物の中国武術の遣い手が居た!」と、達人扱いされて苦笑してしまった・・・のだそうです。

 私の健康を気遣ってエゴマ油(オメガ3!)のセットをお歳暮に贈ってくれたので、最近、体調も良くなってきました。

 一方、Iさんは、もともと武器にしか興味が無かったんですが、体術の練習の時に、明らかに気乗りしていなかったので、模擬ナイフを使って素手の技と武器術との相関関係について説明し、「手にナイフを持っていると思って練習してみて」とアドバイスしたところ、あっという間に凄まじいばかりに上達して、教えたこっちが唖然としたものでした。

 その後、上京して練習に参加する度にグングン上達しているので、将来、どれだけの達人に成長するか楽しみです。

 Iさんの場合、他の支部長と違って、武道武術の経験が無いので、ほとんど游心流の純粋培養なのです。身体も華奢なので、普通の武道や格闘技だと上達は望めなかったでしょう。

 しかし、武器を遣わせたら比類の無いセンスがあったので、「これは仁平師範に匹敵する神憑り的素質があるぞ!」と思って教えてきましたが、やはり、思った通り、最近は尋常でない進化?をしています。

 游心流のお家芸である蛟龍歩も独自に会得してしまっているし、小塚師範から手裏剣を教わると、瞬く間に体得していくのですから、呆れる程の才能です。

 今回、素手の技も相当に上達していて、弱点が無くなってきましたね~。

 地方在住の人でも、ここまで上達していけるというのは、私の研究の方向性が正しいという証明になりますから、本当に嬉しいものです。

 中国武術に日本武術にフィリピン武術にアメリカン武術・・・と、何十流派もの技を覚えられるのは、游心流だけ!・・・と、言ってもいいかな~?と思いますが、総合的な武術文化の研究所として、まだまだこれから先が長いぞ~と思っています。

 この日は、せっかく地方会員も来ているんだから・・・と思って、差し手の実用的用法についても解説しました。

 練習だから相手が打ってくるまで待つ訳ですが、実戦だったら待つ必然性はありませんから、こちらから攻撃していくやり方です。

 つまり、先の先で敵を制圧する方法です。

 これを成功させるには、相手に反射的反応を起こさせないのが肝心で、こちらからは全く殺気や闘気を出さないまま、機械的にヒョイッと差し手していかないといけません。

 これが、「気配が出ない」とか「見えない」と呼ばれる動きになる訳です。

 余談ですが、これは甲野氏が“無拍子打ち”と名付けて演じていた技ですが、元ネタは筑波で木村達雄氏の生徒17人全員に投げまくられた時に、木村氏がやって見せた技だそうですね。

 流石に転んでもタダでは起きない甲野氏らしく、技を盗んでおいて自分で発明したように広める宣伝戦略は斯界でトップでしょうね?

 普通の人間だと恥ずかしくてできないことも、羞恥心を超越した甲野氏にとってはえげつないばかりのパクリ戦略を堂々とやれる・・・ある意味、凄い人ですね?

 まあ、甲野氏が小説家だったらOUTですけど、パクりパクられが伝統の武術の世界では私くらいしか文句言う人がいないので、平気でできるんでしょうけど・・・。


 それはそれとして・・・武術で重要なのは、“気合を入れないこと”です。

 普通の武道だと逆でしょう?

 でも、気合を入れるのは意識を居着かせてしまうんですよ。

 武術は虚実を使い分けることが大切ですが、気合を込めるのは“実”を強化することです。「実を強化して何が悪い?」と思うでしょうが、完全に実の状態にすることは不可能です。実の箇所が強まれば、虚の箇所、つまり弱点も浮き出てしまうのです。

 もし、虚が全面的に悪いのであれば、“上虚下実”といった教えはおかしいでしょう?

 読みを駆使する戦闘理論に於いては、気合を込めたり、気迫で威圧したりするのは墓穴を掘ってしまいます。

 無論、心の弱い相手になら有効でしょう。殺気を放射して相手を居竦め、一方的に打ち倒す・・・というのも、獣の戦いではよく見られます。

 しかし、人間は理性で本能を制御できる動物です。そして、武術は本能に任せるのではなく理性によって理論化された法なのです。

 上虚下実というのは、脳をクールに保っておけという教えなのです。

 イメージしにくければ、必殺仕事人をイメージしてください。あのような暗殺のプロフェッショナルの技こそが、武術の理想的姿なのです。

 相手の隙を突いて的確に急所に致命的一撃をお見舞いする・・・これが、武術です。

 相手と互角にガツンガツン渡り合うのは、武術では“下策”。戦略も戦術も無い無能な戦い方なのです。

 武術では、少なくとも、互角に戦ってはいけません。互角にしか戦えないなら戦わない方を選ぶべきなのです。

 強さを競うのが武術の目的ではないのです。自己防衛が目的なのですから、自分から戦いを挑むのはおかしい。

 戦わないのが武術。それでも、外部から否応無く襲ってこられた時に初めて必殺の迎撃を加えるものが武術であり、その非常事態を常日頃から想定して日々の修練を怠らないのが武術なのです。

 ドイツの名銃ルガーP08に使われたことから9mmルガーと呼ばれて今も世界中で使われている弾薬も、正式な名前は9mmパラベラムと言います。

 パラベラムというのは、「戦いに備えよ」という意味です。

 武術も、日常生活の中で緊急の非常事態に備えて修練するものです。

 これは、元々が戦場で戦うための兵法から転じて“平法”と呼ばれるようになったものです。

 よく、「武術が戦いを避けるのが極意なら、自分からトラブルを招いてしまう長野は武術家失格だ」とのお叱りを受けるんですが、こういう考え方は単なる自己保身でしかないんですね。

 自分が悪者になりたくない。自分が被害を受けたくない。自分が・・・。

 どこまで行っても、自己中心主義の考え方です。

 ここには社会性が全く欠如しています。

 多くの武術関係者が、このような自己中心主義の考え方で、社会性からの考え方を無視しています。精神的世捨て人なんですよ。

 山奥や離れ小島で隠遁生活を送るのなら未だしも、人と関わって社会生活をするのであれば、このような自己中心主義の考え方をしているのでは、人として問題があります。

 私が武術の世界で有名人を批判するのは、批判する価値があるだけの社会的活動をして影響力を持っている人物だけ(よって、無名で影響力を持たない武術家?は採り上げません)であって、批判は否定ではありません。

 問題点を提起して反省を促したいからですが、本人が反省しなければ、周囲の人達が誤った影響を受けないように注意を喚起するのが斯界に於ける自分の役割だと考えています。

 我俗事に関せず、ただ修行あるのみ・・・とばかりに自己陶酔している精神的引きこもりの武術家なんぞ、居ても居なくても社会に関係ないでしょう?

 私はそんなナルチシストは大っ嫌い!

「一生、綺麗事、ほざいてろ。バーロー!」って思ってます。

 空疎な綺麗事の観念に縛られて、自分の目で見て、自分の頭脳で考え、自分で行動の意志を持つことのできない無能な人間の武術修行が何になりますか? 単なる自己憐憫ですよ。

 自分自身の生きている意味を考え、生まれた時代で自分の存在証明を立てることが人間の生き方ですよ!

 だから、せっかく優れた素質や才能を持って生まれたのに、それを伸ばして開花させないまま一生を無為に費やすのは最大の不幸でしょう?

 そんな不幸な生き方を強要するような指導者にはなりたくありません。

 21世紀に入ってから、世界はどんどん加速度をつけて先鋭化していっているような印象がありますが、そこで活躍できる人間を育てるのに武術は役立つと私は思っています。

PS;六方会の岡本正剛先生が亡くなられたのは、何だか一つの時代が終わった印象があります。閉鎖的な大東流合気の世界に風穴を空けて飄々と生きてこられた岡本先生の生き方に憧れる人も少なくないでしょう。心より御冥福を祈っています。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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