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五月セミナー“歩法”感想

 五月の月例セミナーは、歩法でした。

 つまり、游心流で言うところの「スリ足歩法による縮地法」なんですが、これは日本武術の運足の極意だと思ってもらって結構です。

 先月の「読みと交叉法」が日本武術の普遍的理合だとすれば、今回は具体的な術理として補完するものなのです。

 もっとも、歩法そのものは地道な訓練を延々と続けていって、何年かしてから急に花開く!みたいなものなので、たった一回のセミナー三時間で成果が得られるような性質のものではありません。

 以前、辞めさせた会員グループは、「歩法は必要ない」「這いは初心者には難しいから要らない」なんて私に面と向かって言ってのけたバカタレもいました。

 それ以前の会員は、全員が歩法の重要性を自覚して一所懸命に練習していましたが、数人しか成果は挙げられませんでした。

 つまり、頑張って練習しても体得して駆使できるようになる人間が非常に少なかったので、「要らない」と言い切るような人間まで出てきてしまった訳です。

 しかし、ボクシングをやっていた人なら解るでしょう?

 フットワークができないボクサーがプロで活躍できますか? どんな強力なパンチを持っていても、当たらなければ意味がありません。

「軽いパンチをいくら当てても無駄だ」と論じる拳法系の人もいますが、本来、軽いパンチしか打てない人間であっても、フットワークと併用することでパンチ力を倍加させることができます。

 これは、合気道では移動力と呼ばれていますが、全身が移動している時には体重×移動速度のエネルギーが発生するので、それが拳に乗れば、拳×腕の伸びる速度で計算される通常のパンチ力の計算式よりずっと大きな値が出るのは解るでしょう?

 拳一つの質量と全体重では比較にもなりませんから・・・。

 つまり、歩法というのは、単なる身体の移動のための技術ではないのです。

 無論、敵の攻撃を避けて不発にさせる技術ではありますが、もっと複合的な戦術的歩法というものが武術の歩法なのです。

 ただし、私は、この点については会員にもあまり説明していません。

 どうして説明しないか?というと、地道な基礎訓練で自由自在に歩法を駆使できるようにならない限り、歩法の戦術を教えても駆使できないからです。

 要は、無駄だから教えない訳です。

 地道に基礎訓練を積んで、歩法を駆使できるようになった時点で戦術的歩法の使い方を教える・・・ということにしてきた訳です。

 しかし、これまた・・・歩法ができるようになった時点で自惚れてしまう人間もいたので、実際に教えたのは北島師範くらいでしたかね~?

 戦術的歩法を訓練する型としては、蛟龍十八式というのを作ったんですが、これは歩法を駆使できないと墓穴を掘ってしまう型なので、ほとんど一般公開はしていません。

 今回のセミナーでは四つくらい披露するつもりでいたんですが、実際は一つと半分くらいしかやれませんでした。

 どうしてでしょうか?

 これ、まともに披露するには本式のスピード出してやらないといけないんですが、そうすると寸止めできなくなってしまうのです。

 一応、今回は面と胴の防具も用意してきたんですが、指出しグローブが見つからなかったので、拳は使わず掌打にしようか?と思ったものの、やっぱり危ないんで、結局、スピードを半分以下に抑えて寸止めにしたんですよ。

 うちで蛟龍歩と名付けた歩法は、太気拳の這いに形意拳の継ぎ足、蟷螂拳や通背拳の三才歩、八卦掌の走圏等々を融合してスリ足で動く日本式の連続縮地法としたものなんですが、この歩法は動いている最中に急加速できるのが特徴です。

 これは長所であると同時に問題も孕んでいます。

 急加速しているのを急に止めるのが難しい訳です。解りますよね? 車で考えればトップギアでアクセルふかした状態から急停止したらスピンしてしまったりするでしょう?

 なので、急加速して動いている身体のエネルギーが拳や掌に乗ったまま当てれば、ただでさえ身体ごと吹っ飛ばすことのできる発勁が倍々の威力になってしまう訳です。

 この型は、実戦でとにかく敵を粉砕撃破するために工夫したものなので、威力だけを優先して考えた訳です。だから、「歩法を使って打ち込めば最大威力が出せる」と考えた訳ですね。

 徹底して実戦しか考えてないので、演武して見せることは考えていなかった訳です。

 やっぱり、私は防具装着させても会員にまともに打つのは危な過ぎて、できませんでしたよ。

 寸止めできる程度にスピード落としてやったので、見た目も迫力無いな~と、撮影した映像見て思いましたね。

 ただ、基本原理さえ見せれば、仁平師範は発展させてくれるだろうと思ってます。

 私自身は、久々にやってみて、「あ~、まだまだできるな~? これくらい動ければ、あと2~3倍のスピードは出せるだろうな?」と、確認はできました。

 やっぱり、50過ぎてから特に膝がガクンと悪くなってきたんで、歩法はできなくなってるかも?と思っていたんですよ。問題なくできたんで、ちょっと安心・・・。

 しかし、仁平師範は相当、速くなってますね。私は年齢的にも無理だけど、彼には、この調子で足が消えて見えなくなるくらい超神速で動けるようになってもらいたいです。今の十倍のスピード出せれば大丈夫!(普通は無理だけど重心移動を加速するだけだから、理論上は可能です)

 読みと交叉法ができて縮地法で動けて合気と発勁を駆使して武器も何でも使いこなせて武医術も会得している・・・というトキとケンシローが合体したような“超達人”が、そろそろ誕生しますよ~?

 自分としては、やる予定の1/4くらいしかこなせなかったと思ったんですが、参加者の感想では「盛りだくさんだった」というものが多かったので、まあ、大丈夫だったかな~?と思いました。

 今回も初参加の人が何人もいたのですが、初めて会う人と話をするのは楽しいですね。

 また、遠方から来てくださった方には、「来て良かった」と思ってもらいたいですからね~。一期一会の機会が一生を左右することって、実際にありますからね?

 本当に、武術やってきて良かったな~・・・と、つくづく思います。

 普通に大学出て、普通に就職して、普通に結婚して・・・という人並みの生き方はできませんでしたし、苦労なんてのは通り越して、「よく生きてこれたな~?」と思うような人生でしたが、今は本当に楽しいです!

 毀誉褒貶も、すべてが名誉なことだと思えばいいんです! 「人様から後ろ指さされて噂されるような人間になってはいけない」と言われますが、私はむしろ、これは逆なんじゃないか?と思いますね~。

 良いとか悪いとかじゃなく、それだけ注目を集めるというのは無視できない存在だという証明じゃないですか? 人間、聖人君子なんてなれるもんじゃないんですから・・・。


PS;日本映画専門チャンネルで観た『サトラレ』のテーマ曲が良かったので、CD買おうと思ったものの、誰が歌ってるのか判らなかったんです。が、最近、また放送していたんでクレジットタイトルを目を皿のようにして観ていて確認したところ、クリスタル・ケイが歌ってる『LOST CHILD』という曲なのが判りました。それで、橋本駅近くのミウイのショップで探してCDアルバム買いました。ゲスの極み乙女。も買おうか?と思ったんですけどお金足りなかったんで買えませんでした・・・。学生時代は山下達郎ばっかり聴いてたけどな~?


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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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