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剣棒セミナー感想

 9日は、剣と棒セミナーでした。

 もっとも、うちの場合の剣や棒というのは、原理的に素手と変わらないのですが、特に“読み”の訓練をするには剣と棒で練習する方が確実に意味が理解できる訳です。

 奇しくも、『刃牙道』最新刊で宮本武蔵が烈海王の繰り出す九節鞭(普通はクセツベンと呼びますが、ここではキュウセツベンと書かれています。類似の武器に七節鞭、四節鞭、十三節鞭とかもあります)の弱点を見抜くシーンが描かれていますが、恐らく、私の本も参考にしてもらったのだろうな~?と思いました。この手の武器の弱点を指摘しているのは私しかいないから・・・。

 で、今回のセミナーはビデオカメラで撮影しませんでした。

 最近は、ほぼ毎回、据え置きで撮影していたんですが、今回はやめておきました。

 理由はおわかりと思います。

“読み”の超簡単なやり方を教えているからです・・・(笑)。

 これが解ってしまうと、読みの構造を知らない相手にはコントのように簡単に勝ってしまいます。自称ニワカ達人を量産してしまうのが目に見えているので・・・。

 私が“読み”を知ったのは30歳の頃、とある拳法の先生に教えていただきました。

 いや、もちろん、存在は知っていたんですが、実際にできる人に会ったことが無かったのです。

 この先生のやり方は非常に具体的なものだったので、応用可能だと直感しました。

 それから、20年以上、研鑽研究の日々を費やし、ここ何年か、阿呆のように簡単に体得できる指導法を工夫しました。

 何故、工夫できたのか?

 剣術と杖術に応用して研究しているうちに、戦闘理論としての読みの段階的構造化のアイデアを思いつき、その成果を独己九剣という居合術の型に組み込んだのです。

 もっとも、素手の武道格闘技に慣れ過ぎている人は、居合術なんかには興味がない。むしろ、「日本刀振り回すなんか邪道過ぎる」と嫌ったりする人もいました。

 しかし、この型に真面目に取り組んだ会員は、読みの技能が格段にアップしました。

 やらなかった人間とは比較にならないくらいです。

 読みの技能が上がれば、相手の動きの隙間が読めるようになります。

 また、神速で振られる剣を避けるには身体技能に頼っては絶対に無理です。

 徹底的に“読み”を磨くしか方法はありません。

 ところが、“読み”は感覚技法だという強固な思い込みを持っている人がほとんどなので、武道の世界で失伝寸前になってしまっていた訳です。

 感覚は先天的な要素が強過ぎるので、できる人はできるけれど、できない人はいくらやってもできないのです。後天的に会得する学習の方法論が無かったのです。

 私は、バイオメカニズム的な観点で目付けを駆使する“読み”の技能を高める方法を考案しました。

 それを武術の戦闘理論に沿う形で訓練するための型として独己九剣を考えた訳です。

 具体的に言えば、この型は無刀捕りの訓練法なのです。

 そして、無刀捕りは日本剣術の究極奥義と言えるものです。つまり、この型は究極奥義を自然に体得するために考案した型なのです。

 その基本中の基本は最初の二本、左剣と右剣にあります。後は応用型です。

 この型を真剣を使ってできるようになれば、素手の技なんか恐れるに足らずです。

 もちろん、剣術、居合術の専門家が素手の武道格闘技を馬鹿にするのも愚かだと思いますよ。刀が無いと何もできないのでは武術家とは言えないからです。

 しかし、逆も言えますね?

 いくら素手で強かろうが、相手が殺傷力のある武器を持っていたら何の対応策も無いというのでは策が無さ過ぎるでしょう?

 私が一般の武道格闘技に懐疑的なのは、対武器の方法論を全然、講じなかったりする点です。危機管理意識が全然、無い!

 そして、決定的なのは、「人間は命の危険を感じれば、何らかの武器を手にするものである」という真理です。

 独りで家にいる時に強盗が押し入ってこようとしていたら、台所に行って包丁握るのが先決ですよ。それから警察に電話する!

 無防備なまま警察呼んでも、警察来る前に殺される危険性があるでしょう?

 その本能的な行動心理を考えないまま武道や格闘技の優位性を信じるのは思考停止に過ぎません。

 攻撃の威力にばかり拘るのは動物的な戦い方であり、人間の戦闘の主眼は知恵です。

 論理的合理的に戦い方を組み立てて、勝つべくして勝つ!という戦略戦術を組み立てないといけません。

 そのためには、敵の戦力を一瞬で観抜いて、先手先手で攻撃を潰していく・・・というのが日本武術が培った“読み”の戦闘理論なんですね。

 ま~、前置きがえらい長くなりましたが、今回のセミナーは、最も簡単にして、極めて合理的に読みを駆使する方法論を解説指導したという次第です・・・。

 ですから、これは参加した人達だけに留めておきたいので、映像作品にするのはまだ時期尚早かな~?と思った訳です。

 ですが、安心してください。

 解説そのものは、近日中に発売する新刊本の中でもやっていますから、半分くらいは解って戴けるかな~?と・・・。


 一応、セミナーの内容について書いておきますと、まず、(半)棒術からやりまして、次に剣術、そして、無刀捕り、最後に素手の技に応用してやりました。

 何故、この順番かというと、棒や剣は動きのごまかしが効かないから、正確にやらないとできない訳です。

 で、棒や剣で正確にできれば、素手の技が非常に無駄無く精錬される・・・という次第です。

 それと、棒や剣は先に恐怖心が出てしまいがちですね?

 怖いと相手の動きをちゃんと見れなくなるんですよ。

 逆説すると、武器の動きに慣れていれば、人間の動きの隙間が容易に観抜けるようになります。

 だから、ピンポイントで敵の隙間(急所)を狙うことができるようになる訳なんです。

 これは武器の機能と性質を知れば、弱点が解るというのと似ています。

 以前、実験でヌンチャク振り回している相手に傘で立ち向かってみたことがありますが、ビュンビュン振ってるヌンチャクの鎖の部分に傘を突っ込んで動きを止めてみせました。

『刃牙道』で烈海王の九節鞭を武蔵が同様に素手で奪い取ってみせるシーンに、私はニンマリしてしまいましたよ。

 武蔵が襷の紐で烈海王を縛ってしまう描写なんて、知らない人はおかしいと言うかもしれませんが、武蔵が竹内流を修行した形跡があると知れば、なるほど!と感心する人もいるでしょうね? 竹内流は捕手捕縛術が伝承しているからです・・・。


 今回のセミナーでは、武術初経験の空手経験者も、着実に戦闘理論が身に就いてきていました。逆に自身の学ぶ流派の技を深める切っ掛けになってくれればいいな~?と思いますね。

PS;ちょっと早過ぎるかもしれませんが、セミナー収録映像を編集したDVD『発勁と当身』間もなく発売します! 例によって税込み2万円です。『続・合気の応用』と併習すれば、“マジ達人”になる人が出るかも?です・・・。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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