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武術極意特別講習会感想

 11月3日(文化の日)は、初の試み「5時間で武術の達人を養成することは可能か?」という実験的な講習会を開催しました。

 もっとも、まったくの未経験者はおらず、過去に空手などを修行したり、現在も何らかの武道武術をやってらっしゃる方ばかりだったので、正確な検証にはならないのかな~?と・・・。

 けれども、目覚ましい進歩を示した方は何人もいました!

 いつも個人指導を受けているHさんなどは、どのくらい上達しているのか判らなかったのですが、今回、格段に進歩していた事実が判明し、私も非常に嬉しかったですね~。

 正直、彼とは出会ってからかなり長くなりますが、入会したのは最近で、しかも個人指導を始めた当初は、ちょっと押してもグラつくような感じで、上達の見込みが見えませんでした。

 体格も体能も気質も性格も、武術には向いていないのかも?と思えるくらいだったのですが、私を信じて真面目に修行してくれた成果が、道場を構えた時期くらいから現れてきて、半年前くらいに突然、ガラッと変わったのです。

 そして、今回、御自身も参加されていた柔芯体メソッド稲吉先生が「彼の動きは素晴らしいですね~」と称賛するほどの動きを示していたのです・・・。

 私、最近は自分が誉められるより弟子が誉められるほうが嬉しく感じるようになってきました。

 要するに、私の理論の正しさを客観的に証明することになりますからね?

 それも、素質も才能もない?と思えるような人がガラッと変わって達人化していくのは痛快です!

 私が武術を諦めないで続けてきたことが、こんな具合に広がって、人間の可能性を引き出していく新しい心身教育プログラムとなる・・・というのが理想ですよね?

 漠然と「強くなる」としか考えていないのでは、宝の持ち腐れにしかならない。武術はそんな底の浅いものじゃないんです!


 重要なのは、「自分のやっている練習の意味を理解すること」なのだと思いましたね。

 それと、「目的意識をしっかり持つこと」です。

 何しろ、通常、一年間12回でやる月例セミナーの内容のエッセンスを実質“4時間半”で教えようってんですから、無茶なのは最初から分かっていたんですけど・・・。

 最初に脱力技法の合気技を30分で教える予定が、時計を見たら55分経過していて、「げげっ? やばいっ!」と、大慌てで次の発勁打法に移り、読みと交叉法、歩法まで、駆け足でやりました。

 ここまでで前半終了!

 30分の休憩時間に私は自宅に戻って、試し斬り用に準備していた風呂場の水に浸しておいた畳表を巻いてマキワラを作り、道場へ取って帰りました。

 後半は、前半で練習した合気や発勁、交叉法、読み、歩法を駆使しての対他流戦略の練習です!

 伝統空手、フルコン空手、組み討ち、剣道などの破り方を練習しました。

 重要なのは、各流儀のセオリーを知ることと、そのセオリーの裏をかくことです。まともに勝負しても相手の術中に陥るだけなので、間合を潰し、死角に移動し、タイミングを外すことが肝心です。

 ここでは、八極拳や太極拳、形意拳、意拳、通背拳、白鶴拳、詠春拳、沖縄空手などの技法を応用しましたが、私が得意なので、やはり八卦掌(白猿献花・暗腿)や八極拳(裡門頂肘・双撞掌)の技の応用展開がやりやすかったですかね? あるいは鞭手連環打法とか?

 その後は、カイロプラクティックの基本のマニピュレーションから脊柱起立筋をほぐすやり方をやってから基本の背活と脳活、金的活、吐水活をやりました(これは8日の月例セミナーで、もっと詳しくやる予定)。

 最後は、試し斬りと無刀取りをやりました。

 ほぼ全員が真剣で試し斬りするどころか、真剣を触るのさえ初めてだそうでしたが、一回か二回は失敗しても、最終的には全員、試し斬りに成功していました。

 けれども、成功する度に、皆がパチパチと拍手するのは、何かちょっと胡散臭い自己啓発セミナーっぽいかな~?と、ちょっと苦笑しながら見ていましたが・・・。

 試し斬りの最後は、小塚師範に寸勁斬りで斬ってもらいましたが、もう私より上手いですよ。無心に刀をストンと落とすだけで、シュンッとスライス?して、見事過ぎて笑えるくらいです。

 彼は私みたいに勝負に固執する邪念が無いから、手裏剣もすぐ上達したし、心法の剣に向いてるかも?


 それと、反省点というか、これは参加する人にはよくよく理解しておいて戴きたい点なのですが・・・

 二人組んで練習する場合、競い合いではないので、ガムシャラに相手の技にかかるまいとするのは、相手の練習にならないし、実は自分の練習にもならないのです。

 わざとかかる必要はありませんが、技のかかるタイミングや崩される身体感覚などを慎重に探りながら練習していかないと、まったくの時間の無駄にしかなりません。

 初心者は素直にこちらの指示に従って練習しないと、結局、無駄金を使って自分の益するものが無いまま終了・・・という結果になりかねませんし、相手してくれた人にも迷惑にしかなりません。

 私は、たとえ道場破りも辞さずの覚悟でよそ様の稽古場に向かう場合であっても、通常の練習が終わるまで待っていましたよ。

 だって、参加している人達やお弟子さんに迷惑かけたくないですからね?

 多くの武道の道場で弟子が育たない、師匠の神業が延々と継承されないというのも、技の感覚を慎重に掴み取らねばならないのを無視して、「実戦で使えないと意味がない!」とばかりに勝負心に燃えてガムシャラにやるばかりだから、ダメなのです。

 低い次元で自己満足の競い合いをやって、強くなったつもりになるような人は、武術の深淵に触れることは一生ないでしょう。

 私が一般の武道を否定的に見るようになったのも、このような愚かな練習の仕方に終始してしまっている道場が少なくないからなのです。

 無論、いつまでも慎重にやるばかりでもダメですが、自分のことしか考えない人は、もう致命的なんですよね~。

 武術で一番、重要なのは「読み」。つまり、他者をよく観察して心の内まで洞察するということです。そうすれば、最も適切な対応法はおのずと判るのです。

 勝負する前に決するというのは、こういうことです。武術はそこを目指さないと話になりません。技なんか、その段階になれば見ただけで簡単にできるようになるんですよ。

 長く教えてきてはっきり判ったんですが、勝負心、競い合いの気持ちが上達を阻害する第一の要因だったんです。

 じゃあ、どうやれば上達するのか?

 楽しくやればいいんです。楽しんでやれば、どんどん上達します!

 稽古は勝負じゃありません。勝負が必要な時に重要なのはハラをくくることです。これは危機に陥った時だけでなく、日常生活でも必要になる瞬間は必ずあります。認識してないだけなんですよ。

「ここで対応を間違っていたら、今の自分はなかったな~?」と思えることが私には何度もありましたよ。その瞬間を間違えずに済んだのは武術修行のお陰だと思います。

 これは、参加してくださった皆さんだけでなく、読者の皆さんも覚えておいて損にはなりませんよ~。

 そういえば、「この人は凄い洞察力だな~?」と思ったのは、以前、ホビット村の講座に来られていた方・・・。

「長野先生は、今日は、ホビット村の時と随分、雰囲気が違いますね」と言われたんですが・・・この方が参加された時は、“道場破りが数人で押しかける”とネットで予告されていたので、「なめんじゃね~ぞ? この糞どもめ~、返り討ちにしてくれる!」と、や(殺)る気満々だったんですよね。内心は・・・。

 表面には出さないようにしていたつもりだったんですが、この方は観抜いていたみたいです。

 ほとんど、観抜かれたことないんですけどね~?


PS;月例セミナー11月は、『武術式健身法』です! 殺と活は表裏一体のものです。御期待宜しく!

PS2;アスペクト武術シリーズ最新刊『剣に学ぶ武術の奥義』、今月末発売です! ようやくチェック終わりましたよぅ~、シンドー・・・。前作の『重心力を極める武術のコツ』(増刷分発売中!)と併せて、御購読くださいませ・・・。




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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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