大刀剣市2015
今年も大刀剣市に行ってきました。
忙しかったんで、日曜の稽古会の途中で抜けて、最終日の終わり加減に行きました。
ちょっと、稽古会についても触れておきますと、抖勁がさらに進みましたね。やっぱり、内田樹さんの本に書いてあったことがヒントになりましたね。
相手の攻撃に合わせ技を出す要領でやるのが、一番、うまくいくようです。
タイミングを読んで出そうとすると難しいんですね。当たったと同時に重心力で跳ね返すのが良いようです。
無論、重心力は身体のどこからでも出せないといけませんから、胸、腹、肩、前腕、太もも等を打たれた瞬間に跳ね返す練習をやりました。
例えば、腹にミドルキックを蹴ってもらって跳ね返す・・・とか? もっとも、加減はしていても、我々の打撃は自然に重心力が乗る癖がついてしまっているので、跳ね返してもいくらか威力が浸透してしまうのです。
危ないから、あまり数練習はできません。後遺症が心配なので・・・。
最後は、“ストレートパンチを掌で受けると同時に跳ね返す”というのを、「この技を練習してね?」と指示して私は刀剣市に向かいました。
まだまだ演芸レベルでしかできませんが、この調子で練習していけば、佐川先生の伝説の秘技“体の合気”も駆使できるようになれる!という予感がしています。
こういう秘伝技の体得は仲間内で慎重に練習しなければいけないので、普通の道場では無理でしょう。自前の道場を設けてから一年と五カ月くらいになりますが、この間の進歩は、それまでの10年分を凌いでいます。
武術の理合を探究することが、これほどの成果を生み出せるとは、正直、思っていませんでしたね。
特に“剣”が、日本武術の要であることは、最初の直感から、今では確信を通り越して、当然のことだと認識しています。
今年の刀剣市では、どんな“剣”に出会えるのか?と、楽しみでした。
会場に到着し、一通り見て回ると、例年との違いを痛感しました。
予想はしていましたが、女性が多いのです!
例年だと、老人と外国人、それから居合をやっているような若者が混じっていて、女性はほとんどいません。
しかし、今年は一割か二割くらいは女性が見て回っていました。やはり刀剣女子ブームは本物ですね・・・。
虎徹、安定、一文字、同田貫・・・と、いろいろ見ていて、金丸刀剣店の“吉岡一文字”が特に印象に残りましたね。多分、擦り上げられているのでしょうが、目釘穴を何度も開けた跡があり、地鉄が非常に変化が富んでいて妖しい感じがして良かった。
こういう刀は使い勝手が良いから何度も仕立て直して、多くの武将や武士、愛刀家に大切にされてきたのでしょう。
私は拵えを自作するのが趣味なんで、こういうカスタマイズされた刀にグッとくるんですよ。
刀剣市の招待状は、いつも霜剣堂さんから頂戴していますが、今夏は映画撮影にも協力していただきました。
今年は国光の短刀や虎徹の脇差が展示されていました。
いい刀が欲しいけど、私が買える値段じゃないから、こういう機会に眺めるだけ。
丁度、新刊本『剣に学ぶ武術の奥義』の見本が到着したばかりだったので、一冊、進呈してきました。
さて、今年もまた、刀剣市の現場で青木先生と待ち合わせしていたんですが、特に忙しくされていたので、この日も遅れて来られました。
青木先生と、ここまで深くお付き合いするようになったのも、先生が剣武天真流を興す前に、刀好きな私に技術的な質問とかされるようになったのが、切っ掛けだったかもしれません。
最初は、まさか本当に流派を興されるとは思っていなかったんですよ。新体道の中に組み込むのかな~?くらいに思っていたんです。
まあ、いろいろあって独立した流派として剣武天真流を名乗られた次第ですが、最初は天真流剣武にしようか?とか命名にはいろいろ検討されていたみたいでしたね。
青木先生は新体道からは引退しているんですが、業界的に固定したイメージでは、新体道と青木先生は不可分なんですよね。
青木先生自身は「名前なんかどうでもいいんだよ」っていうブルース・リー的な考えだと思うんですが、周囲はそうではない。名前が大切なんですよ。
私だって、昔、言われましたよ。「游心流と名乗った以上、もう先生の手を離れているんだ」とか、「自分たちに任せて引退してくれ」とか・・・?
結局、名前の権威性を欲しがってるんでしょうが、そんな本質の無い連中が武術修行をまっとうできる道理がありません。
前者は叱ったら、あっさり辞めましたし、後者は「やりたいなら自分で流派名乗ってやりなさい」って、ほっぽり出したら、その後、雲散霧消してしまいましたね。
中身の無い名前だけの流派なんか続く道理がありませんよ。
武道の段位を誇る人もいますが、間違いなく下手糞です。「俺は何段だ」と言った時点で、「こいつ、ダメだな」って私は思いますね。
段位って、他人が決めたものでしょう? 自分の実力は自分が一番判っていなければなりません。
うちの常連会員で、自分が過去にもらった段位をひけらかす人間はいません。「何段だったの?」と私が聞いて、恥ずかしそうに「いや~、実は・・・」って、三段とか四段とかだったりするんですね。
素人だったら、初段で黒帯もってるってだけで「達人だっ!」って言ったりするんですけど、まともに武道やってる人間だったら、初段とか二段くらいだと恥ずかしがったりするんです。「この程度じゃ~素人に毛が生えた程度です」って・・・。
だから、二段くらいで一人前の顔するような人間だと、その時点で「ダメだ、こりゃ~」って思う訳ですよ。
うちの会員で一番謙虚なNさんが、実は居合道と杖道の七段で、大会の時は審判やっている・・・というのも、笑ってしまいますよね。Nさんを素人だと勘違いして偉そうに教えだした新人?の人には、本当に困りましたよ。
あんまり謙虚過ぎるのも問題なのかな~?
え~っと・・・刀剣市も終わり頃に、会場で、以前、青木先生から紹介していただいた研ぎ師の先生と、その仲間の皆さんがいて、青木先生が親しげに話しかけられていきました。
私、顔だけ見覚えがあったんですが、一瞬、「あれっ、お名前、何だったっけ?」と、逡巡したところ、青木先生が気を利かせてまた紹介してくださいました。
すると、お仲間の何人かの方は私のことを知っていたんでしょうか? ビックリした目で見られて、ちょっと反応に困りましたね。
何と、研ぎ師と同時に双水執流の修行もされているのだそうで、そのお仲間だった様子です。
なるほど、古武術やっている皆さんだったら、私の悪名を聞いていても不思議ではないでしょうね(苦笑)。
ちょうど、お贈りするつもりだったので、新刊書も差し上げましたよ。
そういえば、小塚師範から殺陣の仲間が習っている双水執流の師範が刀の研ぎ師で云々・・・という伝聞を聞いたのを思い出しましたよ。
何だ、知ってる人だったんだ? 世の中は広いようで狭い・・・。
双水執流は、確か竹内流の流れだったかな~?と思います。メジャーな流派ではありませんが、綿々と現代まで続いている健全な流儀ですよ。今度、是非、取材に行きたい!
まだまだ研究すべきことは尽きません!
忙しかったんで、日曜の稽古会の途中で抜けて、最終日の終わり加減に行きました。
ちょっと、稽古会についても触れておきますと、抖勁がさらに進みましたね。やっぱり、内田樹さんの本に書いてあったことがヒントになりましたね。
相手の攻撃に合わせ技を出す要領でやるのが、一番、うまくいくようです。
タイミングを読んで出そうとすると難しいんですね。当たったと同時に重心力で跳ね返すのが良いようです。
無論、重心力は身体のどこからでも出せないといけませんから、胸、腹、肩、前腕、太もも等を打たれた瞬間に跳ね返す練習をやりました。
例えば、腹にミドルキックを蹴ってもらって跳ね返す・・・とか? もっとも、加減はしていても、我々の打撃は自然に重心力が乗る癖がついてしまっているので、跳ね返してもいくらか威力が浸透してしまうのです。
危ないから、あまり数練習はできません。後遺症が心配なので・・・。
最後は、“ストレートパンチを掌で受けると同時に跳ね返す”というのを、「この技を練習してね?」と指示して私は刀剣市に向かいました。
まだまだ演芸レベルでしかできませんが、この調子で練習していけば、佐川先生の伝説の秘技“体の合気”も駆使できるようになれる!という予感がしています。
こういう秘伝技の体得は仲間内で慎重に練習しなければいけないので、普通の道場では無理でしょう。自前の道場を設けてから一年と五カ月くらいになりますが、この間の進歩は、それまでの10年分を凌いでいます。
武術の理合を探究することが、これほどの成果を生み出せるとは、正直、思っていませんでしたね。
特に“剣”が、日本武術の要であることは、最初の直感から、今では確信を通り越して、当然のことだと認識しています。
今年の刀剣市では、どんな“剣”に出会えるのか?と、楽しみでした。
会場に到着し、一通り見て回ると、例年との違いを痛感しました。
予想はしていましたが、女性が多いのです!
例年だと、老人と外国人、それから居合をやっているような若者が混じっていて、女性はほとんどいません。
しかし、今年は一割か二割くらいは女性が見て回っていました。やはり刀剣女子ブームは本物ですね・・・。
虎徹、安定、一文字、同田貫・・・と、いろいろ見ていて、金丸刀剣店の“吉岡一文字”が特に印象に残りましたね。多分、擦り上げられているのでしょうが、目釘穴を何度も開けた跡があり、地鉄が非常に変化が富んでいて妖しい感じがして良かった。
こういう刀は使い勝手が良いから何度も仕立て直して、多くの武将や武士、愛刀家に大切にされてきたのでしょう。
私は拵えを自作するのが趣味なんで、こういうカスタマイズされた刀にグッとくるんですよ。
刀剣市の招待状は、いつも霜剣堂さんから頂戴していますが、今夏は映画撮影にも協力していただきました。
今年は国光の短刀や虎徹の脇差が展示されていました。
いい刀が欲しいけど、私が買える値段じゃないから、こういう機会に眺めるだけ。
丁度、新刊本『剣に学ぶ武術の奥義』の見本が到着したばかりだったので、一冊、進呈してきました。
さて、今年もまた、刀剣市の現場で青木先生と待ち合わせしていたんですが、特に忙しくされていたので、この日も遅れて来られました。
青木先生と、ここまで深くお付き合いするようになったのも、先生が剣武天真流を興す前に、刀好きな私に技術的な質問とかされるようになったのが、切っ掛けだったかもしれません。
最初は、まさか本当に流派を興されるとは思っていなかったんですよ。新体道の中に組み込むのかな~?くらいに思っていたんです。
まあ、いろいろあって独立した流派として剣武天真流を名乗られた次第ですが、最初は天真流剣武にしようか?とか命名にはいろいろ検討されていたみたいでしたね。
青木先生は新体道からは引退しているんですが、業界的に固定したイメージでは、新体道と青木先生は不可分なんですよね。
青木先生自身は「名前なんかどうでもいいんだよ」っていうブルース・リー的な考えだと思うんですが、周囲はそうではない。名前が大切なんですよ。
私だって、昔、言われましたよ。「游心流と名乗った以上、もう先生の手を離れているんだ」とか、「自分たちに任せて引退してくれ」とか・・・?
結局、名前の権威性を欲しがってるんでしょうが、そんな本質の無い連中が武術修行をまっとうできる道理がありません。
前者は叱ったら、あっさり辞めましたし、後者は「やりたいなら自分で流派名乗ってやりなさい」って、ほっぽり出したら、その後、雲散霧消してしまいましたね。
中身の無い名前だけの流派なんか続く道理がありませんよ。
武道の段位を誇る人もいますが、間違いなく下手糞です。「俺は何段だ」と言った時点で、「こいつ、ダメだな」って私は思いますね。
段位って、他人が決めたものでしょう? 自分の実力は自分が一番判っていなければなりません。
うちの常連会員で、自分が過去にもらった段位をひけらかす人間はいません。「何段だったの?」と私が聞いて、恥ずかしそうに「いや~、実は・・・」って、三段とか四段とかだったりするんですね。
素人だったら、初段で黒帯もってるってだけで「達人だっ!」って言ったりするんですけど、まともに武道やってる人間だったら、初段とか二段くらいだと恥ずかしがったりするんです。「この程度じゃ~素人に毛が生えた程度です」って・・・。
だから、二段くらいで一人前の顔するような人間だと、その時点で「ダメだ、こりゃ~」って思う訳ですよ。
うちの会員で一番謙虚なNさんが、実は居合道と杖道の七段で、大会の時は審判やっている・・・というのも、笑ってしまいますよね。Nさんを素人だと勘違いして偉そうに教えだした新人?の人には、本当に困りましたよ。
あんまり謙虚過ぎるのも問題なのかな~?
え~っと・・・刀剣市も終わり頃に、会場で、以前、青木先生から紹介していただいた研ぎ師の先生と、その仲間の皆さんがいて、青木先生が親しげに話しかけられていきました。
私、顔だけ見覚えがあったんですが、一瞬、「あれっ、お名前、何だったっけ?」と、逡巡したところ、青木先生が気を利かせてまた紹介してくださいました。
すると、お仲間の何人かの方は私のことを知っていたんでしょうか? ビックリした目で見られて、ちょっと反応に困りましたね。
何と、研ぎ師と同時に双水執流の修行もされているのだそうで、そのお仲間だった様子です。
なるほど、古武術やっている皆さんだったら、私の悪名を聞いていても不思議ではないでしょうね(苦笑)。
ちょうど、お贈りするつもりだったので、新刊書も差し上げましたよ。
そういえば、小塚師範から殺陣の仲間が習っている双水執流の師範が刀の研ぎ師で云々・・・という伝聞を聞いたのを思い出しましたよ。
何だ、知ってる人だったんだ? 世の中は広いようで狭い・・・。
双水執流は、確か竹内流の流れだったかな~?と思います。メジャーな流派ではありませんが、綿々と現代まで続いている健全な流儀ですよ。今度、是非、取材に行きたい!
まだまだ研究すべきことは尽きません!
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