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今月号の『秘伝』は買いですよ

 正直、買ったり買わなかったりしている『秘伝』なんですが、今月号は「おっ? これは・・・」と思って、即買いました!

 どうしてか?というと、沖縄空手と中国武術の交流を現地取材した特集があったからです!

 業界の裏事情に通じている私にしたら、「よく取材費が出たな~?」と、まず思ったんですね。

 大体、東京以外の道場は電話取材か、本人の投稿というのが当たり前で、編集者が地方に出向いて取材するなんて、滅多にない訳ですよ。

 自費で趣味で旅行するついでに取材してくるとか? そういうのなら中国武術の雑誌なんかでありましたけど・・・。

 が、この特集の宮平保先生は、うちの慶応ボーイの会員からDVD借りて見て、非常に素晴らしい内容だったので、これは勉強させてもらおうというつもりで買った次第です。

 そもそも、空手のメッカ沖縄で中国武術の道場やっているというだけで並の度胸の人物ではありません。勘違いして道場開く人(いるんですよね~、こういう人)はいるかもしれませんが、そういう人はすぐに潰されて消えてしまうでしょうからね?

 何といっても、大阪とか九州とかは血の気の多い武道家がまだまだ生き残ってるでしょうからね。沖縄だって、“掛け試し(いわゆるストリートファイト)”やる人もいると思います。

 沖縄空手のブームは、恐らく、宇城氏が登場した辺りからフルコンタクト空手界隈で始まり、翁長先生が注目されたり、今野先生が沖縄空手“首里手”愛を著書で告られたところから、かなり定着した印象がありました。

 しかし、正直、私はあんまり関心がありませんでした。

 どうしてか?というと、中国武術をよく知れば、沖縄空手の意味も解ると思っていたからです。

 例えば、“当破”を見ても、「これ、普通に発勁だよね」としか思わなかったんです。

 発勁に関して神秘のパワーで打つ打撃技だと今でも信じている人がいたり、某少年漫画でも「何か違うんじゃないの?」という解説をされてたりしてましたが、私に聞いてくれたらすぐ教えて、その場でできるようにしてあげるのにな~・・・と、いつまでも先入観で語るばかりの人達に困惑しちゃうんですよね~(苦笑)。

 発勁に関しては、現在、私に聞いてくれるのが一番いいと思います。“できない人”“勘違いしている人”“説明能力のない人”が、やたら多いので、下手に質問したら間違いを吹き込まれてしまう可能性が高いからです。

 以前、日本全国の発勁を教えるという人は全部尋ねたという人が来た時にコツを教えたら、「初めて、納得できました!」と入会されました。要するに、その場で“基本原理”を教えて体得させたからです。

 先日の特別講習会で地方から初参加した人(空手経験者)も、「こんなに簡単に発勁や合気ができるなんて・・・」と、非常に驚かれて入会されて来年の月例セミナー受講申し込みされました。

『発勁と当身』DVDを見てもらえば、納得されると思います。

 もちろん、いろんな細かいコツややり方は有りますよ。でも、それは本質じゃないんです。コツややり方を沢山知っていても、本質を知らなければ絶大な威力は望めない。

 昔、「長野さんは本当の発勁を知らない。本当のやり方を知らなければ一撃必殺の威力は得られないのだ。見よ!」って、私の目の前でペコーンとハッケイ?を打って見せてくれた人がいて、私が、「こうっすか?」って、ドバーンッ!と、八極拳の冲捶やったら、顔面蒼白になって、以後、私の顔見て逃げるようになりました。

「こいつめ~」って思ったけど、「あの長野の発勁は凄い! あれはきっと松田隆智に特別に習ったに違いない。ヤツは松田隆智が対道場破り用に教えた特別弟子だろう」と、妄想話を業界に流してくれたらしいんで、「まっ、いっか?」と思いました。

 単なる自慢ですけど、私、発勁の威力だけは自信あります。特に八極拳の肘打ちはマジ打ちしたら大概の人は死ぬだろうと思ってます。だから、恐ろしくてマジ打ちしたことありません。発勁だけは誰にも習わず自分で研究したんで、逆に自由にやれました。

 皆、自分が解ってないもんだから、やたら伝統的な方法論だの拝師しなければ習えないだのともったい付けて、教えてやらないで“延々と金せびる”んですよ。

 何で松田先生が私によくしてくれたか?って、ちょっと考えれば、私が嘘言ってるのでないことは判るでしょう? 私が嘘ついてたり実力が無かったりしたら、相手にしてもらえないですよ。むしろ、秘訣をいろいろ教えてくださいました。

“当破”に関しても、やたら神格化し過ぎじゃないですかね? 発勁できる人ならすぐできますよ。

 これは、友寄隆一郎先生の実技解説を見た者としての偽らざる感想です。

 友寄先生は御尊父、隆正先生の遺言で、「空手の源流である中国武術を研究せよ」との教えに従って、形意拳、北派少林拳、太極拳、八卦掌、南派白鶴拳などを学ばれて、特に形意拳の動きの中に様々な門派のエッセンスを導入融合して流麗激烈な孤高の拳風を編み出されました。

 今、思い出しても身震いするように斬れ味鋭い見事な体動でしたよ。

 だから、中国武術から沖縄空手に続く技法原理は友寄先生が解明されていたと私は思っているのです。

 しかし、宮平先生が空手の本場である沖縄で実戦中国武術の道場を堂々と開いておられるという現実は、技量と度胸が備わっていなければできないことであり、DVDを見た時から個人的に関心がありました。

 それで、今回の『秘伝』の特集記事を読んで、久々に感銘を受けずにはおられませんでしたね。

 沖縄空手界の重鎮である上原恒先生が、ずっと年下の中国拳法家に教えを請う・・・。

「本物の武術を極めたい」という純粋な気持ちが、権威も何もすっ飛ばしてしまった訳ですね。

 宮平先生もまた、驕らずに武の大先輩である上原先生を立てておられる様子がうかがえて嬉しくなりました。これこそが武人のとるべき礼節ですよ!

 私が宇城氏が嫌いな理由が、“ここ”なんですよ。他流のトップを極めた空手家を手玉にとって見せているシーンを映像で披露してみせる・・・そうまでして自分の凄さを誇りたいのか?

 私の印象は、この一語です。

「愚劣!」

 何故、誰も批判しないのか不思議で不思議で仕方がありません。それどころか、「宇城先生、スゲーッ!」と、崇め奉っているんだから、日本武道を学ぶ人間が、こんな“礼節の基本”さえ忘れ果ててしまっているのか?と、情なくって仕方がありませんでした。

 よ~く、心に刻んでおいて欲しい!

 自らの権威付けのために、純粋な気持ちで習いに来ている名のある他流の人を自己の売名に利用する態度は愚劣の極み! 男として真に恥ずべきものです!

 似たような恥ずかしい真似するヤツがざらにいますし、もしかすると、宇城氏は甲野氏を真似ただけなのかもしれませんが、裸の王様化してからでは遅いのですよ。

 宇城氏が反省することはもう望めないでしょうね? 人間、祭り上げられたら終わり。

 余談です。

 木曜のメイプルホールの稽古に来ている人から聞いたのですが、甲野氏をあるラグビーチームが招いて講習を受けたところ、マジのタックルを捌き損ねた甲野氏が軽々と吹っ飛ばされてしまい、皆、唖然としてしまった・・・のだとか?

 彼の実力を知っている者からすれば、「当然、そうなるわな~?」としか思わないでしょうが、問題は、その場に居た人達全員に、「な~んだ? 武術なんて、こんなに弱っちいんだ~」と思わせてしまった点です!

「それじゃあ、長野はプロのラグビー選手のタックルを捌けるのか?」と聞かれるなら、こう答えます。

「NO!」と。

 そもそも、私は、そんなことを試したりはしませんよ。屈強な筋骨ムキムキのラグビーやアメフトの選手を相手に、マジのタックルを奇麗に捌くなんて、不可能とまでは言いませんが、ほとんど無理でしょう。

 昔、組み技やっている人のタックル受けてスッ転ばされたことありますけど、やっぱり、侮っていたら簡単にやられてしまいますよ。

 私は、何度か負けた体験から考えて、すべて「自分の考えが甘くて相手を侮っていたからだ」という結論に達しました。だから、今は「挑まれたらどんなことしてでも必ず倒す!」と決意しています。

 逆説的に、だから、極力、無益な手合わせは避けたいんですよ。よっぽど実力差があれば手加減できるかもしれませんが、相手だって腕に自信がないと挑まないでしょう?

 となれば、一瞬でも隙を見せたら、たちまちやられてしまうかもしれません。やられない為には、相手が大怪我しようが徹底的に叩きのめして二度と刃向かう気力が起こらないように“発勁ぶちかますしかない”と思います。

 そこまでやらないと「武術なんか屁理屈だけのインチキだ」って噂を広めることになるでしょう。

「長野は弱い」って言われるのは自分の未熟さのせいだからしょうがない訳です。

 しかし、武術の本やDVDを沢山出して、総勢数千を超える人に教えてきた私が無様な負け方したらどうなりますか?

「な~んだ。武術なんて、やっぱりインチキじゃね~か?」って広めることになるでしょう?

 だから、何もできずにやられる訳にはいかないんです。「卑怯だ! 汚い! 残忍過ぎる!」と言われようが、やるからには、とにかく勝ってみせなきゃ~いけない。

 先日のポーランドの武術の先生と交流稽古する時も、「もしも侮った態度を示されたら国際交流もへったくれもない! 血を流しても日本の武術の名誉は護る!」と覚悟していましたよ。

 大袈裟だと考えるような人間は武術の指導なんかしちゃ~ダメです。昭和の武道家だったら、こんなの当たり前。甲野氏や彼に心酔するような平成の今の時代の日本人が勘違いしているだけですよ。

 甲野氏は特別バカだから、もう治らないでしょう。見世物芸しかできない人なんだから、そんなインチキな人を持て囃す周囲の人間が(頭が)悪いんですよ。

 彼のバカっぷりで武術が侮られるのは困ったものですが、普通に戦って武術がスポーツに負けてちゃ意味がないでしょう?

 プロのラガーマンやアメフト選手、あるいは相撲取りのぶちかましに対抗しようとするより、迎撃の技はいくらでもある訳ですよ。ただ、それを使うと相手に大怪我、いや、事故死させかねませんから、使いたくはないです。

 カウンターで“猛虎硬爬山”使ったら、どうなるか?って、武術に詳しい人なら想像がつくでしょう・・・。恐らく、死ぬでしょう。相手の力とこちらの迎撃力が合わさるんだから、無事に済むとは思えません。

 本当の武術の技は文字通りの必殺技であり、軽い気持ちで使う訳にはいかないんです。

 素人騙しの武術風演芸ばかりやっているような外道になってはいけません!


 沖縄空手も、注目されても上っ面だけなぞって名前ばかりが持て囃されるのでは意味がないでしょう。

 宮平先生との技術交流によって沖縄空手がかつては持っていたであろう技術を取り戻していくのは、本当に素晴らしいことだと思います。

 久々に、『秘伝』は優れた記事を出してくれたと思います!

 西田先生のコラムも良かった!

 西田先生は形が本当に素晴らしいですね。どういう訳か、フルコンタクト空手家は形の演武がサマにならない人が多いんですが、西田先生は例外のようですね。

 サモハンのインタビュー記事も個人的に良かったですね~(笑)。

 初見先生のインタビュー記事も非常に示唆に富んでました。

 初見先生の『世界のマーシャルアーツ』でも登場されていたインドのマニ先生が亡くなられていたとは知りませんでしたが、武神館は国籍も人種も超えた交流がされている点が素晴らしく、テロに脅える今の世界にとって一つの理想郷の形を示しているような気がしますね。

 タイ捨流の記事も良かったですね。私はタイ捨流の開祖、丸目蔵人佐が好き過ぎて、映画(『セーラー服忍者』)で演じちゃったくらいですから・・・。

 次回は刀禅の小用先生の記事が載るみたいなので、楽しみです!


PS;編集後記で“抜き打ちに斬り上げて両断することができるほどには上達することができました(もちろん、斬りやすい刀で、ですが)”と書かれていましたが、そりゃあ、大したもんですよ! マキワラ斬りは、当て身や合気など、いろいろな技の研究になる面があるので、環境が許す人は是非、稽古に採り入れることをお勧めしたいですね?

PS2;11月も半ばを過ぎました。来年の月例セミナー予約申し込みは月毎に値上がりしてしまいますから、御希望の方はお早くお願いします。今年最後の12月のセミナーは、忘年会も兼ねての一年間の復習です。もちろん、初めての方も大歓迎ですよ。


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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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