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五月は交叉法

 月例セミナーの五月八日は、交叉法です。

 交叉法は、過日、DVD化しましたが、武術全般に通じる戦闘原理として非常に有用性のあるものです。

 私の武術研究は交叉法を芯にして進めてきたと言っても過言ではありません。

 交叉法という言葉は以前から知っていましたが、具体的な戦闘原理として教えてもらったのは1993年でしたか? 私が30歳の頃でしたね。

 当時は、武術の世界の嘘臭さに嫌気がさして格闘技の練習をしたりしていた頃でしたが、交叉法を知ることによって、「もしかして、これを追及すれば武術の達人というレベルにも到達できるのではないか?」と直感したものでした。

 そして、この直感が正しいかどうかをいろんな流儀を研究する中で実験検証していきました。

 やがて直感は確信に変わり、交叉法を深めることでほとんどすべての武術の構造的原理が解析できてきました。

 まずは居合術に応用してみました。

 すると、既に剣を構えている相手の斬り込みに対しても先を制することができるようになりました。

 続いて、剣術、杖術に応用しました。

 これも、もはや打ち合うこともせずに先を取れるようになりました。

 武器ができれば次は無手です。

 まずは無刀取りに応用しました。

 これは何年か要しました。先が読めているのに身体の動きが遅れてしまっていたからです。

 しかし、動き出すタイミングの取り方を工夫して、できるようになりました。

 次は、普通に拳法体術に応用しました。

 まず、簡化24式太極拳。

 これは中国で国民健康保健体操として編纂されたもので、武術的な要素は無いとされていましたが、楊式太極拳の簡略化されたものとも言えるので、交叉法の原理で動きを解析すれば武術として応用可能ではないか?と思ったのです。

 これも思った通り武術的な応用が可能でした。

 その次は、空手の形の解析に応用しました。

 空手の動作は突きと蹴りしか無いと思われていますが、形の動作に関しては逆技や投げ、崩しなどが混然一体となっています。

 平安、三戦、ナイハンチ、ニーパイポ(二十八歩)、天真五相(松濤會空手道から分かれた新体道の基本形)や、沖縄空手の源流である南派鶴拳のパープーリャン(八歩連)等の形から抽出した動作から用法を探りました。

 特に三戦は実に応用性が高いですね? 「実戦形ではなく鍛錬形だ」とよく解説されていますが、私はむしろ超実戦形だと思います。それくらい応用自在です。

 試合には使えなくとも、護身術としては極めて有用性の高いものであることがはっきり解りました。

 さらに、形意拳、八卦掌、蟷螂拳、通背拳、八極拳、劈掛掌、白鶴拳、詠春拳、酔拳等々の中国の拳法にも応用して用法を研究していきました。

 こうした交叉法の研究によって判明してきたのは、「武術は先を取って戦うものである」ということでした。

 先の先、後の先、対の先という区分は、賢友流の友寄隆一郎先生の提唱されたものですが、「武術は結局、読みと交叉、これしかない!」と、友寄先生は明言されていました。

 私は、この典型例が居合術であると考えて、独己九剣の型を考案しました。

 これは、居合術で稽古する中で、読みと体捌きを養成するのが目的で、最終的には無手であらゆる敵に対応できるようにするための稽古型です。

 この中に、先の先、後の先、対の先のすべてが入っていますし、瞬間的な縮地法を使った体捌きも入れています。

 さらに、その動きの中で腰の刀を抜き付けるという複雑な動作も同時に処理する訳ですから、無手でやれば繁雑な動作を省けるので、結果的に異常な速度が生まれることになります。

 つまり、読みと交叉法に特化した稽古型なんですよ。

 極論すれば、コンバットシューティング(拳銃の抜き撃ち)の型にしても成立する訳です。

 私が武芸百般にこだわっているのは、武器が何でも使えるということは、武器がなくても周辺の物を武器に応用できるし、何も無ければ素手でも自分の肉体をいかようにも武器化できるようにする・・・ということなんですね。

 これは、思考の柔軟性と発想のクリエイティビリティーが必要です。

 頭の悪い人は武術に向いていないと言うのは、こういう意味なんですが、頭が悪いと言うのは思考が固定していて一定の考え方しかできないということなんですね。

 今回は、交叉法を通して、このような思考の柔軟性についても伝えられれば?と思っています。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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