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8月セミナーは聴勁

 連日、暑いですね~?

 私は本当に夏が嫌いです。南国育ちなのに夏が嫌い。

 何でかというと、ちょっと出歩くと汗だくになるし、疲れる。冷たい物を飲んだり食べたりするから腹も壊す。エアコンつけっぱなしだから電気代も嵩む。原稿書くのも進まなくなる・・・。

 本当に困ります。

 こういう日はビールをぐびっと飲むと美味い!・・・んだけど、アルコールで身体が熱くなってくるから、余計に困る。

 本当にやだっ!

 夏のセミナーも本当は休みたいんですけど、休んでしまうと稼げない。月に一度の稼ぎ刻なんで、休むに休めない・・・。

 7月のセミナーは運よく風で暑さが緩和されたので助かりました。

 しかし、8月のセミナーは暑そうだな~?と、今から気が重いです。

 道場のエアコンは古いから効きが悪く、7日の稽古はあまりに暑いから冷房つけたんですが、4人で練習していると熱気が溜まってきます。

 14日は大丈夫かな~?と思いつつ、この日は久しぶりに試し斬りをやりました。

 目的は、幹部で唯一、寸勁斬りを体得できていない横浜支部長に寸勁斬りを特訓させるのと、関の孫六兼元の銘がある一尺八寸五分の刀がどれだけ斬れるか確認するため。

 まずはいつもの練習をやらせて、最近、DVD製作のために見ている友寄先生の生前の技を参考にして、差し手からの換手打法などを指導しました。

 私は友寄先生の技が一番好きです。

 シャープで豪快、剛と柔が合わさった実に見事な技だからです。空手のキレ味と中国武術の流麗さが合体していると思います。

 やっぱり、北島師範が一番上手いんですね~。こういう動きは・・・。

 私の眼にも留まらない換手のスピードが出せるのは彼だけです。

 特に掌打の連環打法は、北島師範だけがきちんとできます。入力と脱力の切り替えが他の人はいくら教えても、どうも上手くできません。動きにメリハリが無い。

 メリハリが無くとも効けばいいので、私も厳しく直すように指導はしないんですが、見た目が格好悪い。どうして皆、できないのか不思議です。

 この技は聴勁にも直結するので、今度のセミナーでも教えるつもりなんですが、護身術の観点からも非常に優れているんです。女性にも向いてると思います。

 ただし、速過ぎて寸止めが難しいので、スピードのコントロールに苦労するかも?


 さて、一通り、通常メニューをやってもらってから、試し斬りもやりました。

 まず、試し斬りできるようにした兼元で寸勁斬りをやってみましたが、ビシュッと斬れて、かなりの切れ味に驚いてしまいました!

 何しろ、錆び錆びの刀を買って、自分で研いで、拵えも適当に作ったものなので、そんなに斬れないだろうと思っていたからです。

 兼元といえば最上大業物の古刀なんですが、まさか本物じゃあるまい?と思っていたので切れ味は期待していませんでした。

 しかし、先日、霜剣堂帝国ホテル店に行った時に兼元の刃文の三本杉について教えてもらい、本物は実は不揃いなのだと知り、この刀が丁度そうなっているので、「もしかすると本物かも?」と思って、試し斬りしてみることにした訳です。

 研ぎ減っているので身幅も狭く、通常言われるところの切れ味の良い刀の条件はまったく満たしていなかったのです。

 正直、折れるともったいないと思って、これまでほとんど試したことがなかったのですね。

 しかし、この結果だけ見ると、相当に切れ味がいい!

 ついでに逆手斬りもやってみましたが、これまたザックリ斬れました!

 二尺足らずの脇差寸法ながら、いわゆる長脇差なので片手斬りにも適した軽量さが良いようです。

 素人が適当に研いだ状態でここまで斬れるのなら、本式に研ぎあげたら、凄く斬れるでしょう。

 やっぱり本物の可能性が高いと思います。

 鞘はまだきちんと作ってないので、しっかり拵え作って愛用したいと思います。

 続いて、横浜支部長に寸勁斬りの要領を細かくレクチャーして、いつもの試し斬りに使っている刀(これも関の刀)でやってもらいました。

 すると、一発でスパッと切断!

 続いて、二回目も切断!

 都合、三回成功しましたよっ!

 この技は游心流剣術のお家芸なので、指導者は必ずできるようになってもらいたい!と思っていたので、本当に目出度い!

 そして、この技ができることが素手の体術の飛躍的レベルアップに結びつくんです!

 つまり、0からいきなり100のパワーとスピードを出せる予備動作無しの動きが体得できるからです。

 重心力を瞬間的に刀に乗せる・・・という難しいことができれば、素手に応用するのは遥かに簡単でしょう?

 剣の稽古が素手の技を格段に向上させるという私の目論みは完全に成功しました!

 常に刀を持ち歩くことはできませんが、剣の理合を会得していれば素手の技にも応用自在なんですね?

 日本の武術が何故、日本刀を崇拝するのか?という秘密がここに有るんですね? 単なる武器の操作法だとしか考えない人には、一生、理解できないでしょう。

 武器術を嫌ってやらない人は明確に成長が止まります。素手だけの武術というのは実はあり得ないんですよ。

 武術は武器を使うのが前提であって、素手で闘う技術というのは近代的スポーツに組み込まれてから設定された(恐らく明治の欧米化政策によって押し付けられたと思う)に過ぎず、現代日本の武道格闘技の愛好家全体が錯覚しているに過ぎません。

 人間は道具を作って使うことによって文明を発展させてきたのであり、素手に拘るのは野生動物のレベルに留まるということなんです。それでは脳が進化しません。

 形意拳や八極拳は槍、太極拳は剣、八卦掌は大刀や子母鴛鴦鉞、少林拳は棍、沖縄空手は棒、釵、ヌンチャク、トンファーなどを修練することで技が深まる。

 詠春拳も六點半棍と八斬刀を修練しますが、これは間合の長短に応じたものでしょう。

 私が日本刀に拘ったのも、技の原理を深めるために研究する必要性を感じたからで、短期間でしたが、新陰流を習えたのは大幸運でしたね。

 武器術を馬鹿にしたり毛嫌いするようなヤツは、所詮、武術のブの字も解らない愚か者なんですよ! 要するに、文明を否定している原始人レベルなんだから・・・。


 さてさて、それでは聴勁についてです!

「聴く勁」とは、「力を読む」ということです。

 力の方向・大きさ・性質を読んで、対抗策を瞬間的に立案して実践する・・・これが武術の基本戦略です。

 その基本練習法が“推手”です。

 太極拳で、二人で推したり受け流して推し返したりする組手練習です。

 二人でまったりゆっくりとやってるだけだと何の役にも立たない練習に見えますが、これもまた理合を考えながら練習することで超実戦的な戦闘法を会得し得る練習法なのだ!と、ここ最近は痛感するようになりました。

 武術の理想であり基本原則である、「自分より体格体力筋力に勝る者を打ち破る」という方法論をダイレクトに体得できる練習法が“推手”だったんですよ!

 もちろん、練習の意味合いを理解している者同士でやらないと成果は望めないでしょうが、理解してやることで、とんでもなく応用性が高い実戦的な練習だったという真相に気づくでしょう。

 私が「武術は老若男女、誰にでもできるし、自分より強い相手にも勝てる!」と自信満々で断言してきた理由の一つが、この推手を駆使した戦闘法にあったのですよ!

 つまり、彼・我の力量差を無にするには、彼に力を発揮させない、我に力を作用させない・・・ようにすればいいのです。

 一般的に推手は化勁(相手の力を受け流して無力化する)の訓練法だと思っている人が多いかもしれませんが、実は相手が力を加えてこようとする“兆し”を読む“聴勁”を訓練することが本当の目的です。

 まあ、日本式にいえば“合気”ですよ。

 今回のセミナーは暑いだろうから、無駄に動かず、省エネで相手の攻撃を読んで“いなす”という武術ならではの高等戦術を指導したいと思います・・・。

 そういえば、某空手家がある中国武術家に不意打ちをことごとく抑えられてしまったのも、この聴勁の有る無しの差だったんだと思いますね。

 理論から考えれば、強いとか弱いとかで勝負が決まる訳ではないことが歴然としますよね~?

 武術やっていて、どっちが強いか?なんて考えてる時点で、もうダメですね。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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