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『昭和最強高校伝 國士参上!!』観ましたっ!

 先週(29日)木曜日にメイプルホールの練習に行った時に、「長野さんに郵便物が来てましたよ」と、大判の封筒を手渡されました。

 宛て名に“長野峻也先生”と達筆で書かれてまして、一見してタダ者ではありません。

「はて、また地方の武術の先生からの果たし状かな?」と、過去、数回、その類いのもの(例・甲野センセイ、北海道の合気のセンセイ、群馬の合気のセンセイ、東京の合気のセンセイ、東京の中国武術の指導者)を頂戴した身としては身構えたのでしたが、引っ繰り返して差出人の住所氏名を見たら、何と、芸道殺陣波濤流高瀬道場を主宰されている高瀬將嗣先生でした。

 多分、私のブログを読まれたのだろうと思いましたが、ちょこっと批判めいた感じになっちゃったから怒られた・・・?なんて、そんな“そんじょそこらの武術の先生みたいな器のちっちゃい方(もう~、もの凄~く多い。マジで!)”でないのは分かり切っているので、何かな~?と思って、練習前に開けて見てみました。

 すると、ブログの中で高瀬先生が監督された映画を見損なったと書いていたので、業界向けのプロモーション用DVDをわざわざ贈ってくださったのでした!

 ひゃあ~、ちゃんと買うつもりだったのに~。有り難いやら申し訳ないやら恐縮するやら・・・でした。

 でも、何でメイプルに?と思ったら、パソコンのデータが消えてしまったらしく、住所が判らなくなってしまったそうです。道場破りより恐ろしい・・・。

 帰ってから見ようと思ったものの、小説の直しの依頼とか入ったので、結局、土曜の深夜に見ました。

 主演は、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』で“ファンタスティック・テクニック”ゲキブルーを演じていた高木万平さん。

 高瀬先生の監督作『疾風・虹丸組』でも主演でしたね?

 双子の心平さんとの兄弟で出演とのことですが、正直、どっちがどっちなのか判りませんでした? 並んで心の声で会話するシーンを見ていると、『セーラー服忍者』の時の鶴巻星奈さんの一人二役合成の面倒臭さを思い出して、「いいな~、双子って・・・」と思いましたね。

 ここはやっぱり、モロボシダンがセブン上司に「変身したら命が無い! やめるんだ」と止められるシーンに対するオマージュなんだろうか?と考えたのは私の考え過ぎなんでしょうか?

 高瀬先生の作品には突然、特撮ネタが出てくる特徴がありますが、東宝怪獣に譬える会話が昭和だな~?と感じさせてくれて良かったです。

 もう、私に「突っ込んでくれ」と言わんばかりに、アンギラス、カマキラス、ミニラ、バラゴンと出てきて、「怪獣に譬えるのはやめよう」と言うところは笑わせてもらいました。

 一度、高瀬先生と対談本とかお願いしたいな~?と思っていたのですが、殺陣じゃなくて特撮談義になりそうな気がして企画倒れになるかも?と、改めて思いました。

 この作品は、国士館が舞台で、朝鮮高校との対決を描いているということから、マスコミで結構騒がれていました。私も週刊誌買って読みました。

 ネトウヨとかヘイトスピーチとか日本会議とか“右の思想”に偏っているのでは?という論点があった訳です。

 実際、九州の僻地出身の田舎者の私は全然知らなかったんですが、国士館は右翼の創始者とも言われる、かの玄洋社の頭山満翁の系譜に連なっていたんだそうですね?

 以前、うちの会員に国士館大学の剣道部に所属していた人がいて、剣道雑誌に載った甲野センセイの剣道蔑視の論に激怒して、恵比寿でやっていた頃の稽古会で甲野センセイの頭を袋竹刀でパカパカ叩いたという剛の者がいたんですが、流石は国士館!ということだったんだな~?と、今更ながら思いました。

 ただ、私は中学時代の不良連中の長ラン、短ラン、ボンタン(天草の僻地で、どこの店で買ってたんだろう? 謎だ・・・)にイジメられた側の人間だったので、正直言って、あんまりいい印象は持っていないんです。

 が、今にして思えば、その体験が無かったら武術なんかやっていなかった可能性が大ですし、そうなると普通に高校・大学を出て普通に教員とかになっていたかもしれず、もしそういう人生を歩んでいたとしたら、さぞや退屈でつまらない人間になっていただろうな~?と思う訳です。

 本当に生活の苦労はメチャクチャでしたけど、まあ、面白い人にいっぱい会えて、実に楽しい人生だと思いますよ?

 今だって武術を続けて来たお陰で、普通なら一生縁が無かっただろういろんな分野のトップクラスの人達(舞踊・ダンス・小説・教育・武道・アクション)と親しくしてもらえている訳ですし、中学時代の不良には感謝しなくちゃいかん!と、マジで思っています。

 どうかな~? 今、あの時の不良連中に会ったら、どういう気持ちになるかな~?

 本職のヤクザになったヤツもいるって聞いたんだけど、元ヤクザとか元暴走族とか元ヤンキーだった会員も何人も教えてきて、段々、理解できたのは、「男の子は根本的に喧嘩が好き」ってことなんですよ。

 武術習ってて「喧嘩は嫌い」って言う人間を私は信用できません! 偽善者の嘘つきだとしか思いません。

 やっぱり、闘争本能というのは動物の生存欲求に繋がるものでしょう?

 特に、男にとって見た目の美醜よりも喧嘩が強いか弱いか?というのが根源的な価値観としてあると思うんですよ。

 だから、私は男の価値は戦闘能力で決まると思ってますから。

 そんな次第で、この映画。主役の高木君よりも、私は山根和馬さんの武道家然としたハードボイルドなキャラに惚れましたね~。

 ラストの中村誠治郎さんとの対決シーンは、スパルタンXのジャッキーvsベニー“ザ・ジェット”ユキーデを想起させてくれました。

 中村さんがボクシングしかできないと思わせておいて、実はテコンドーもできる!と、蹴り技も披露したり、山根さんがバク転して間合を取ったり、それまでのジョン・ウェインの西部劇調の喧嘩アクションから、いきなり洗練された武道格闘技の技術戦に切り替わるところが素晴らしい!

 昨今の立ち回りはスピードやテクニックが比較にならないくらい発達していますが、逆に洗練され過ぎていてリアルな皮膚感とでも言うか、痛みを感じられない作り物感覚が先に立ってしまう印象もあるんですね。

 実際の喧嘩の経験がある人なら解ると思うんですが、試合みたいにはいかないんですよね。拳はすぐに関節の皮が剥けたり手首がグキッとイカレるし、ハイキック出したらスッテンコロリンと後頭部打って脳震盪起こしたりするんですよ。

 それに、ギャラリーのいるところでファイティングポーズ取ってご覧なさい? 「オオ~ッ!」って歓声が沸いて、メッチャ恥ずかしいんだから・・・。

 勝てばいいけど、蟷螂拳とか酔拳のポーズやって負けたら精神的に立ち直れないよ?

 ほら、CGが登場した頃は、「スゲェ~! もう生身のアクションは必要なくなるかも?」と言われて、実際にスタントの需要が激減したりもしていたみたいなんですが、CGで何でもできるということが判ってしまうと、もう感動しなくなってしまうんですね。

『マッハ!!!!』が出た時に、生身の肉弾アクションの魅力を再認識させられたものでしたし、そこからまた香港アクションが再び脚光を浴びるようになったり、日本のアクションの水準もググッと上がったような気がするんですね。

 中盤で秋野太作扮する先生が授業で合気道の後ろ両手取りの技をやって見せるところなんか、枯木のような老人が実は武術の遣い手というカッコイイ日本男児っぷりを示してくれていて、非常に良かった。

 実際、合気道の先生にはこういう人がいますからね~。

 薄っぺらなナショナリズムのプロパガンダ映画と勘違いしたマスコミ人に、「批評をするなら作品を全部見てから」という根本原則をしっかり示してくれていました。

 今は絶滅寸前となっている不良達が己のルールでツッパっていた昭和の時代。

 懐かしいという以上に、今の時代に生きる日本人が忘れてきてしまった“男気”を教えてくれる映画ではないか?と思いました。

「男はタフでなければ生きられない。優しくなければ生きている資格がない。ネバーギブアップ(by,『野性の証明』惹句)」ですよ!

 ちなみに、エキストラで小塚師範も出てる筈なんですが、判りませんでした!

「俺も出た~い!」と言っていたんですが、高瀬先生曰く、「長野先生がエキストラに出ていると目立ち過ぎるからNG!」だったそうです・・・。

 続編で「公園で太極拳をやっている爺さん」とかで出た~い!と、一応、書いておきましょうかね?

『セーラー服忍者』でも、主人公がカンフー少女と闘う公園のシーンで、格闘技の練習してる人が遠目に映っていて、監督に「アレはわざと役者さん呼んだの?」と聞いたら、まったくの偶然だったそうなんですけど、結構、上手な人だったので遠目でも目立ってたんですよね?

 堤監督も背景でテコンドーやってるシーンがあったりとかするけど、こういう遊び心は私は好きですね。

 ほらほら、裏設定とかあるじゃないですか?

 ブラックキングはレッドキングの兄貴だとか、デットンはテレスドンの弟だとか。最近のウルトラマン解説本とかだと、その辺りの蘊蓄が入ってるのが当たり前になってきてますよ。

 堤監督の『ケイゾク』や『トリック』、庵野監督の『新世紀エヴァンゲリオン』が、そういう遊びの小ネタを本筋と関係なく挿入する手法を確立したような印象もありますけど、実は昔っから有ったんでしょうね~?

 そういう遊び心が作品の魅力を多層的にしてくれると思うんですよ。

 アクションも、そういう裏設定を考えながら見ると、面白さが倍増するんですよね。

 今、香港アクション映画のBDシリーズが発売されていますが、解説の谷垣監督の蘊蓄がとにかく面白い! ブルース・リーのヌンチャク技法をフィリピノカリのタバクトヨクだと書いた映画関係者は初めてじゃないでしょうか?

 恐らく、『拳精』でジャッキーが使うトンファーも琉球古武術の物とは違うのだと解説してくれるでしょう!

『國士参上!』も、高瀬先生のアクション蘊蓄をたっぷり入れたメイキングとかを期待したいですね~。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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