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自己啓発業界の裏の話

 80年代末に大流行してバブル崩壊と共に一気に姿を消していったものに、自己啓発セミナーと呼ばれるものがありました。

 これは、一体どういうものなのか?

“60年代末にベトナム戦争に従軍した兵士のPTSD(心的ストレス障害)が大きな社会問題となり、その治療のためにアメリカで開発された心理療法である”

・・・というのが自己啓発セミナー系統の団体の“ウリ文句”でした。

 確かに、この自己啓発セミナーに使われる手法は軍事利用の研究もされていました。

 しかし、治療が目的ではありません。

 洗脳(マインドコントロール)が目的だったのです・・・。

 洗脳してロボットのように従順に命令に従う兵士を大量生産するための研究だったのですね?

 ですから、アメリカに限らず、ドイツや日本でも戦前は研究されていたようです。

 ところが、一般に広まったのは、別の目的でした。

 ネズミ講、マルチ商法に利用されたのです。

 具体例を挙げれば、・ム・ェ・とか、ネットワークビジネスと呼ばれる方面に技術導入されていったのです。

 洗脳してハイな精神状態にすることによって冷静な判断をできなくし、どんどん金を使わせる・・・という手法で、以前は社会問題視されることも多かったですね~。

 ネットワークビジネス自体が違法かどうか?が問題ではなく、洗脳状態にして冷静な判断力を奪うことが、より問題が大きかった訳です。

 さて、かつて流行った自己啓発セミナーですが、最も大きなものはライフダイナミクス、その他、類似の中小の団体が乱立していました。

 これらのウリは、“メンタルトレーニングで自己の潜在能力を開花させ、ひいては人生を成功に導く!”という希有壮大な思想をプロパガンダ(主義主張の宣伝戦略)していました。

 これらのベースになったのは、毎度お馴染み“エサレン研究所”の研究、特にNLP(神経言語プログラミング)とかの催眠系心理療法の諸派です。

 で、誰かは知りませんが、「これはビジネスに使える!」と閃いた御仁が始めたのが“自己啓発セミナー”だった訳ですね。

 始めは当然ながらアメリカでしたが、これまた当然ながら社会問題視されてしまい、海外逃亡した先が、“舶来物に滅法弱い日本”だった・・・という次第!

 余談ですが、一時期流行ったビリーズ・ブート・キャンプも、実行者が心不全で死亡したことから社会問題化して日本にやってきた・・・という噂があります。この手のパターンは多いんですね。“レイキ”や“ホメオパシー”もそうだと聞いたことあります。

 自己啓発セミナーは、折からのバブル景気に便乗して大盛況となり、企業研修に引っ張りだことなりました。

 要は、もともとが洗脳のためのものですから、従順なビジネスマンを養成するのに好都合だった訳です。

 また、“自分さがし”や“ヒーリング”のブームにも乗っかり、お金を出せば真の自己実現ができるのだ!という、もはや、エセ宗教の煽り文句みたいなキャッチコピーにもゴキブリホイホイみたいに引っ掛かる人達が続出した訳です。

 中には婚期を逃したバリキャリウーマンや、売れっ子キャバ嬢みたいに小金を溜め込んでいた人達が、入れあげて何度もセミナーを受けてスッテンテンになってしまった・・・的な“ホストクラブにはまった下流芸能人”みたいな話は腐るほどあったようですね?

 相場として、最初は無料のお試し。次は十万円の本格セミナー。更にその上のデラックスバージョンとなると、軽く三百万超えるとか・・・バブルで急増した成り金の皆さんでなければ無理な料金設定でしたね。

 で、細かいテクニックとしては、セミナー受講者の中にサクラを混ぜておいて、このサクラが「うわ~っ! スゴ~イ! こんなの初めて~! ・・・でも、この上のセミナーはもっとも~っと、凄いんですよね~?」っと、瞳をウルウルにしてアピールする。しかも、このサクラはかなりの美女でなければなりません。

 つまり、さりげな~く、恋愛商法(最近は地下アイドル商法と言った方が解り易いか?)も加味する訳ですね。

 もちろん、このサクラさんはバイトでお小遣い貰ってる訳ですね? あるいはセミナーのオーナーの愛人だとか・・・。

 広告塔を使うという手法もありました。

 それなりに有名な芸能人や文化人を使って宣伝する訳です。

 要するに、金稼ぐのが目的なので、具体的に商品を売る訳ではない自己啓発セミナーの場合は、どれだけ受講者に満足感を与えるか?というのがキモなんですね。

 これに関しては、私も綺麗事は申しません!

 游心流の武術セミナーや講座を受けた人達に、どれだけ満足感を持ってもらえるか?をテーマにして毎回やってきていますよ。だって、“サービス業”ですからね?

 特に月例セミナーになるとイチゲンさんは一回一万円ですからね? きちんと体得させられないと詐欺呼ばわりされかねないじゃないですか? だから、受講できなかった回は個人指導でも稽古会でも代替できるように設定している次第です。

 昔は、「段位が欲しい」とか「修了書が欲しい」と言う人もいたんですよ。

 でも、游心流は私が個人的に名乗っただけの流派ですから、段位とか修了書とか出しても、一般的な権威って無きに等しいでしょう?

 剣道や柔道の段位だったら、全国共通の権威がありますが、個人の流派や道場で出している段位にはそんな権威性は無いですよ。

 これは国家資格が認められている柔道整復や鍼灸、指圧などと比べて、カイロプラクティックやスポンディロセラピー、オステオパシー、身体均整法、中国整体、ロルフィング、アレクサンダーテクニーク、骨盤調整、足裏反射、気功マッサージなどの民間療法が団体内部の資格制度?しか無いものを同列で考えられないのと同じなんですよ。

 当然と言えば当然の話で、カイロプラクティックやオステオパシーなんかは、アメリカでは大学で専門教育受けて臨床期間を経て、一人前になるのに凡そ10年はかかるのに対して、日本だと一日講習会受けて修了書もらっただけで開業するケースだってありますからね?

 事故が起こらない方がおかしいでしょ?

 私も2年間勉強しましたけど、自信ないから開業しませんでしたよ。プロでやっている人から「長野さんくらいできたら開業しても問題ないよ」と激励されたことあるんですが、いや~、プロはそんな甘くないですよ~。一回でも事故ったら医業類似行為違反でしょっぴかれるかもしれないしね~? 健康法としてやるのが関の山ですよ。

 だから、よく民間療法家が著書を出して、「自分のところで学べば資格免許を与える」って書いていたりしますが、それは国家資格じゃないんだから下手な療術院でも経営して問題起こしたら人生終わっちゃいますよ?

 ちゃんと教えて後継者を育てようと考える人なら、お金は度外視して教えるもんですよね? 私も幹部からはお金取ってないです。だって、私を支えてくれてるんだから!

 こういう療法家が本出すのだって、患者さん、あるいは受講生を増やして自分が儲けることが第一目的な訳ですよ。それを世界平和のためだの、皆様の健康を祈ってだの、歯が浮くような綺麗事を、よ~、いけしゃあしゃあと書きよるな~?って思わないっスか?

 解ってて書いてるのなら、それもビジネス戦略の一環としてアリだと思うから、別に責める気はないんですが、本気で書いてたら、「この人、コワ~イ!」って思わない?

 自己啓発セミナーの一番の問題点は、真面目で純粋な人ほど信じ込んで洗脳されてしまうという点です。

 特に、昔っから騙されがちなのは、芸能人とかプロスポーツ選手。一つの業界の中だけで純粋培養で育った人達は世の中の害毒に免疫が無いから、コロッと騙されてしまう訳。

 お金も持ってるから湯水のように使ったりする。

 昔、統一教会の合同結婚式で著名人の洗脳騒動がありましたが、真面目で一途で純粋な人ほど引っ掛かってしまうんですよ・・・。

 ちなみに統一教会も自己啓発セミナー的洗脳手法をいろいろ研究していた宗教団体として有名でした。宗教がそもそも信仰と言う名前の“洗脳”を用いるものですからね?

 これまた、合宿に連れ出して多人数で釈伏したり断食させたり眠らせなかったりして思考力を麻痺させておいて洗脳する・・・といった手口があります。オウムみたいに麻薬や覚醒剤使うという非道なやり口もあります。

 ところで、オウム真理教の地下鉄テロ事件でマインドコントロールが知られるようになりましたが、オウムが武術にも手を出していたのは世間的にはあまり知られていません。

 武術関係でも自己啓発セミナーの手法を採り入れてる人は少なくありません。

 著名なところでは高岡英夫さん。

 日野晃さんは自己啓発セミナーの講師をやっていたというのが有名な話です。

 宇城さんのDVDを見ると空手というより自己啓発セミナーそのものですが、多分、企業人だったから採り入れたんじゃないでしょうか? 問題点をまったく自覚していないみたいだし、その後も自己啓発系の本ばっかり書いてるし・・・。

 最近、どうしているのか知りませんけど、高木一行さんもそうみたいですね? マジックマッシュルームの販売とか危険ドラッグ系に手を出していたからな~?

 もっとも、武術系は自己啓発セミナーよりも以前の“霊術(気合術や催眠術、古神道、丹田錬成等々の心身鍛練術で心霊系のものじゃありません。被ってる人もいたけど。太霊道とか?)”の影響を浮けていたりするのですね?

 特に催眠術は西洋から入ってくる(メスメルの動物磁気説)前からもあって、忍術や大道芸の中に伝承されていて、古武術の中にもありました。

 だから、明治時代にはかなり研究した人がいたらしく、著名な剣道師範が、「剣道はつまるところ催眠術である」と言ったという話が伝わっています。

 初代引田天光とか『大霊界』の丹波哲郎が催眠術の遣い手として有名でしたが、日本の催眠療法の老舗は守部催眠学院じゃないかな~?と思います。

 私の小学校以来の親友が一時、学院長をやっていたので業界裏話をいろいろ聞いています。

 それによると、催眠療法が医療心理学の一派として日本に入ってきた時に、守部さんがビジネス展開を考えて一回一時間一万円の相場を作ってしまったので、以降、心理療法としての医科学的普及が阻害されてビジネス展開が主流となってしまったのだとか?

 人橋(硬直した人を二つの椅子に横たえて上に人が乗って見せる)とか割り箸を名刺で切るとか風船に針とか割り箸を刺しても割れないとかの大道芸紛いのことを見せて催眠の威力をアピールする手法が確立されていった訳ですが、これらは霊術家が散々演じて見せてきたものなんですね?

 催眠の可能性は少なくなく、前世の記憶を蘇らせる退行催眠とか、精神病や憑依現象まで治療しようとする人達まで現れて、医療行為とはもはや言えない領域に突入してしまい、悪質な催眠療術師も輩出させてしまったのだとか?

 催眠術というのは霊能力に近いもので人為的に幻覚見せたり五感を支配したりできるんですね?

 だからこそ、武術家で催眠術を熱心に研究する人もいた訳です。

 まったく知られていませんが、私が習っていた時期、甲野善紀さんも催眠術に熱中して研究していましたよ。

 で、ある催眠セミナーをしつっこく紹介されましたが、それがまたベラボーに料金が高くて貧乏な私は受講しなかったんですけど、「何で受講しないんだっ!」って甲野さんから怒られましたよ! 何だったんでしょうね?

 甲野さんは洗脳技術も相当に研究していたので、社会的な知名度を獲得するのに、相当、遣ったんだろうと思いますね? でなかったら犯罪スレスレの行為を山ほどやっているのに隠し通せる道理がありませんからね?

 彼の武術の技の見せ方も霊術の大道芸そっくりです。普通に闘ってボロ負けする点がインチキ詐欺師っぽくて味がありますけどね? あそこまで落差があると誰も文句言う気力が起きなくなるんでしょうね?

「社会的に成功する」というビジネスマンの必携の成功哲学の本が自己啓発系の本のコーナーに沢山ありますが、これらの理論も「プラスのイメージだけを持って、すべてに感謝の気持ちを持つことが大事」みたいなことが書いてある訳ですが、そもそもイメージのプラスとマイナスって何を基準に区別するのか?という視点を解いた本を過去に読んだ記憶がまったくありません。

 要は、「自分にとってのプラスであり、自分にとってのマイナス」という御都合主義でしかない訳ですよ。

 それをごまかすために「世界平和」「すべてに感謝」みたいなお題目を唱えることで利己的思考に蓋をして思考停止させている訳です。

 これは単なる自己欺瞞です。自分で自分を洗脳しているだけ!

 プラスイメージの成功哲学を信奉している人達は結構、周囲にいるものですが、人当たりが良くって明るく爽やか・・・だけど、瞳がキラキラし過ぎていて、どこか作り物めいた不自然な挙動・・・?

 そして、明らかに「それOUTでしょ?」って事柄に“いいね”を連発してみたり、冷静な視点、客観的な判断力が致命的に欠如していて周囲の人の助言を聞かず、厳しいことを言われるとヤクザみたいに怒ったり、逆に鬱々と押し黙ったり・・・みたいな病的な反応を示したりする・・・。

 つまり、自分に都合の悪い現実は認めたくない訳で、こういう人は現実社会の荒波の中で自滅していく可能性が極めて高い!

 物事に良いも悪いも本来はありません。

 自分ルールや社会ルールによって定められた基準線によって区分されているだけです。

 しかし、その基準線こそが人を人として、社会を社会として規定し機能させている大切な“法”なのです。

 皆が“法”を無視して生きていったらどうなりますか?

 世の中、しっちゃかめっちゃかになってしまうでしょう?

 狭い業界で神様みたいに悟ったつもりになっても、世の中、そんな甘いもんじゃありません! 生きていくのは大変なんですよ。

 毎日毎日、ラブホの掃除で必死で働いて、月に18万円もらった時・・・それでも私は本当に有り難かったですよ。心底、お金の大切さを思いましたね。

 お金を稼ぐのは生きていくためです。日々の生活を支えてくれるお金の有り難みを知れば、その大切なお金を口先三寸でかすめ取ろうとする詐欺行為の卑劣極まりなさに怒りを感じない人はいないでしょう?

 蛇足ですが、自己啓発セミナーを日本に紹介したある人物は良心の呵責で心を病んでしまったそうです。しかし、悲しいかな・・・催眠療法に頼って、いろんな療術院を転々としていたそうですが、似たような話が海外の護身術を日本に紹介した人の噂で聞きましたね?

 世の中で正気を保つことがいかに難しいことなのか? お金は人を狂わせます。ゼニクレージー(by『正義のシンボル コンドールマン』より)にしてしまいます。

 皆さん、よくよく心してくださいね?

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
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