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三月は下丹田

 月例セミナー三月のテーマは下丹田です。

 下丹田とは何か?と言うと、種々様々な解釈がありますが、私の解釈は、骨盤の球状中心に発生する膨張する腹圧の感覚としています。

 つまり、ハラとコシの感覚を融合した腹圧の感覚です。

 この感覚は、妊婦の感覚に近いとも言われますが、男の私にはピンと来ません。

 ただ、東洋医学では“上虚下実”と言われて下っ腹がポコンと出て胸が凹んでいる状態を理想とする考えがあり、西洋の理想とする腹が締まって胸筋が張っているギリシャ彫刻のような肉体とは逆になっています。

 日本も近代化される中で西洋的価値観を上位に置くようになっているので、“上虚下実”の身体は見苦しいものという美意識が優位になっていますが、伝統的武術や武道の修行者には“上虚下実”の身体を「練度が高い(内功が凄い)」と称賛する場合もあります。

 私は若い頃はブルース・リーみたいな身体に憧れて細マッチョな身体だったんですけど(誰も信じてくれな~いっ!)、30頃から太極拳や合気武術を好むようになって体型が変わっていき、現在はサモハン・キンポーみたいになってしまいました。

 若い頃はそんな体型は見苦しいと思っていたんですが、いざなってしまうと、何かもう、痩せたいという欲求が薄れていって、「まっ、いっか?」という感じになってしまいましたよ。

 何でか?というと、“技の威力が格段に上がった”から。

 ほら、「ハラから力を出せ!」とか「コシで打て!」とか昭和の指導者はよく言っていたでしょう?

 つまり、腹回り、腰回りの太さは手先に力を伝える場合に出力の大きさに直結するんですよね?

 ただし、単純に太ってしまうと全身の連動を阻害してしまうので動きが鈍重になってしまうのですが、腹・腰から力を送り出す全身連動の身体操法を実施する場合、体幹部の太さは最初の出力値を大きくするので出せる力もより倍加されるという訳。

 その上、逆腹式呼吸で瞬間的に腹圧を掛けると爆発的に威力を圧縮解放させることができる・・・というのが発勁の極意となる訳です。

 だから、伝統的な武術家は上虚下実の身体を尊ぶのですね? 実用的な意味で。

 かくして下丹田を錬成する修行法は様々に考案されてきました・・・。

 八段錦、易筋経、藤田霊斎の丹田呼吸法、岡田式静座法、肥田式強健術、戴氏心意拳の丹田功、那覇手系の三戦・・・いろいろ有ります。

 私が興した游心流武術健身法では“丹田歩法”と名付けた歩法訓練で下丹田を錬成しています。

 歩法で訓練するという方法はあまり知られていませんが、例えば、八卦掌の走圏の下盤勢での練功は下丹田の錬成に最適でしょう。

 私は、能の歩法を参考にしてこれを作りましたが、当初は下丹田の錬成を目的にしたのではなく、仙腸関節の微動を得るための訓練法として考えたものでした。

 ところが、実践して30分くらいすると、その場で下腹が膨張してくる感覚があり、自然に腹圧が高まったので驚いてしまいました。

 普通、いかなる下丹田の錬成訓練を行っても、実感を得るには毎日30分やったとしても何カ月かの単位は要します。

 それが、その場でゴゴゴゴ・・・・ッという具合に下っ腹が張ってくるなんか信じられませんでした。

「なっ、なんじゃ、こりゃあ~?」という感じですよ。

 その後、10年以上研究して理論的に整理しましたが、游心流で真面目に通って練習しているかどうか?は、下っ腹がポコッとしているかどうか?で判明するくらいになりました。

 無論、感覚的に鈍くて自分では認識できていない人もいますが、客観的に見れば全然、違います。

 これを書いている日の日曜の定例稽古の時も、参加者は小塚・栗原・田中の三人だけだったんですが、教えたそばからグングン技が変わって変幻自在に動いていて、教えた私が「えっ? 今、どう動いたの?」と思うくらい達人クラスの動きが勝手に出てきていました。

 批判を覚悟で正直に申しますが、今現在、武術の研究でうちが最先端であろう?と思っています。

 秘伝・極意の技をメカニズム的に解析し理論的に体得する方法を研究しているという意味において・・・です。

 それは、試行錯誤を繰り返して流派の境界を超えて“技”は“技”として抽出して分析しているからです。

 この日は基本に戻って太極拳推手のDVD教則本を参考にしてみたり、先週、大阪の賢友流本部に出版の打ち合わせでうかがった時に小耳に挟んだ賢友流の歩法を試したり、居合術の裏技として伝わる暗殺用秘剣を教えたりしました。

 最近は常連会員も仁平師範の刀功門に通ったり、山田師範のセミナーに参加したりしているので本部稽古の参加者は減っているのですが、人数が少ないと研究が進む?という逆転現象が起こって苦笑せざるを得ません。

 常連会員はみんな知ってることですが、私は基本的に質問しないと教えない人間なんですよ。

 大阪支部長が急激に伸びたのも、はっきり言って、質問魔だったからですよ。

 だから、人によって差がつきます。

 何年も通っているのに伸びない人がいたりするのも、その人が私にさっぱり質問しなかったから・・・ということだったりするのです。

 ところが、よその団体だと生徒が師匠に安易に質問することを禁じているところもあるのだとか? だから、質問しないのがお約束みたいになっていたりもするのだとか?

 馬鹿馬鹿しいですね?

 習いに行ってお金も出しているんだから、たくさん教えてもらった方が得じゃないですか?

 教える側だって、お金もらってるんなら教えないと詐欺ですよね?

「何を質問すればいいのかわからない」と言う人もいます。

 言葉にできないのなら、「技をうまくできないんですが・・・」と言ってくれれば、ちゃんとできるやり方を教えますよ。

 月例セミナーは単発参加の人は一万円も取っていますし、地方から何万も使って来る人もいます。お金は無駄にしないでください。

 私は満足して“おなか一杯”になって帰ってもらいたいので、皆さん、遠慮しないで質問してくださいね?

“日本で最も武術について何でも教えてくれる道場”を目指してますから!

 ただし、悪用しそうな人・礼儀を弁えない人・精神を病んでいる人・・・などの人には教えられません。

 私が教える技はまともに使えばビックリするほど簡単に人を破壊してしまえるので、人柄だけは確認します。

 武術は護身のための術ですから・・・。


追伸;遅くなりましたが、三月のDVD割引セールは、今年最新の新作『化勁の極意』とします。前作が攻撃技の極意たる0インチ打撃についてだったので、「打撃技、特に0インチ打撃に対して無力化する防御法」をテーマにしたいと思っています。これまた、あまり公開したくはないんですが、危険性の高い攻撃技を発表した以上は、それに対抗する防御法も発表しなければならないな~?と思った次第です。何か、矛と盾で、矛盾しているみたいですけど、大切なことですからね? また、いつものように三月中に申し込まれた方は2万円のところを1万5千円(税込み)とさせていただきます。原理的にはシステマっぽくなってしまうんですが、恐らく、システマでもやらないであろう?という誰でも簡単にできるやり方も収録しますので、御期待ください。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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