コンテントヘッダー

唯一無二の鈴木清順監督逝去

 どうも、最近、予知能力でも芽生えたものか? ふと頭に浮かんだ人が亡くなったりする。あまり嬉しいことではない・・・。


 シュールレアリスムか、はたまた、夢幻の映像化か?

 私が鈴木清順監督を知ったのは、松田優作が主演した『陽炎座』を劇場で観た時だった。
 確か、私が岡山の大学に行っていた頃だったと記憶しているのだけれど、昔のことだから記憶が定かでない。浪人していた頃だったかな~?

 また、映画の中身が輪を掛けてヘンテコなものだから、尚更、記憶が混乱してしまう。

 当時、角川から出ていた映画雑誌『バラエティ』の記事で松田優作が「清順監督がヘンな芝居の要求ばかりするので困惑した」という感想を言っていたのを覚えている。

 混乱して途方に暮れてしまった時に、「そうです。それです!」と言われて、余計に面食らってしまったのだとか?

 確か、そんな感じだった。

 この時期から松田優作は怪しい演技に突っ走っていた。

 それまでハードボイルドなアクション俳優というイメージだったのを、『野獣死すべし』『ヨコハマBJブルース』『家族ゲーム』、TVスペシャル『断線』『断崖』でヘンな男ばかりを演じたりしていた。

 どうも、もともとの演技嗜好にシュールさが加わったのも『陽炎座』がきっかけになっていたのかもしれないと思っている。

 その後、『ツィゴイネルワイゼン』を観た。

 これまた、実に異様な映画だった。薄ら寒くなるようなホラー風味のある超現実映画とでも言うべきか?

 とにかく原田芳雄の代表作の一本?ということになっているが、なんとも異様過ぎて、評価が難しい前衛芸術のような作品だった。

 日本映画には舞踏系の人を意味なく出演させて芸術性を際立たせようとする手法がしばしば見受けられるが、清順監督の場合、芸術の持つ高尚な権威性を小馬鹿にしているような印象も受ける。

 かつて、どうしてヘンな映画ばかり撮るのか?と聞かれた清順監督は、「だって、普通に撮ったら面白くないでしょう?」と、スッとぼけてみせたそうだ。

 確かにその通りだと笑ってしまった。

 例えば、まったく同じ脚本でも演出家によって作品の印象が大きく異なる場合がある。

 黒澤明の『椿三十郎』とリメイクされた『椿・・・(以下、自粛)。

 それはそれとして、清順監督の名を高からしめている『殺しの烙印』の続編として撮られた『ピストルオペラ』をテアトル新宿で観た時は、ラストシーンで劇場内が「ええ~っ!」と絶叫に包まれ、私は椅子からズリ落ちそうになった!

 まさに、「なんじゃ、こりゃあ?」な展開だった・・・。

 そんな清順監督は巨匠然とした人ではなく、お茶目なお爺さんという雰囲気もあり、当然のように役者もこなしていた。

 その風貌は、水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する井戸仙人のようなポップでキュートな雰囲気であった。

 確か、『美少女仮面ポワトリン』の神様役でも出演されていたと思う。

 亡くなられた時の新聞のフィルモグラフィーには載っていなかったようだが、ルパン三世の監修もされていて、劇場版『バビロンの黄金伝説』は監督もされていた。

 ちなみにルパン三世の裏話を書いた本によると、清順監督は宮崎駿監督と打ち合わせで対立したことがあったらしい。

 後に国民的アニメ映画の巨匠となった宮崎監督と比すれば、清順監督はメジャーとは言い難いのかもしれないが、日本映画界の歴史に特筆されるべき名監督として記憶されるべき人物だと私は確信して疑わない。

 鈴木清順監督に献杯。

関連記事
スポンサーサイト
このページのトップへ
コンテントヘッダー
著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

FC2カウンター
リンク
最新記事
カテゴリー
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

月別アーカイブ
ブログ内検索